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彩色された夢

「これあげる。だからなかないで。」

「……これなあに?」

「あまいおかし。すごくいいかおりがするよ?ちょっぴりすっぱくって、おいしいよ。」

「とってもきれい…かわいいピンクね。」

「ピンクのあじがいちばんすきだけど、あげる。」

「いちばんすきなのにいいの?」

「うん、にばんめにすきなチョコたべるから。」

「ありがとう。……!?…あまくって、ちょっぴりすっぱくって…ほんとうにとってもいいかおりね。」






幸せな気持ちで目が覚める。

ここは?

そうだ、祖母の旅館だ。

久しぶりにこの夢を見た。

祖母曰く、私の初恋。

泣いている私に、少年が手渡してくれるお菓子。

丸い艶やかなフォルムに、可愛らしいフリル。その間から、瑞々しい紅い色を覗かせている。

数年前にブームとなり、一般的になったが、当時――今から25年ほど前には――とても珍しく、そのビジュアルと味と香りがとても衝撃的だった。


昔から時々見る夢だけれど、今まで見た夢とは少し違った。

この旅館の庭で、桜の咲く季節。

白いシャツを着た少年。

にっこり微笑むその顔は、なんだか見覚えがあった。


今まで見る夢は、白黒で、背景も少年の顔もぼやけていて、差し出されたピンク色のマカロンだけに焦点が合って鮮明なピンク色だった。でも今日見た夢は、全てが眩しいほどに鮮やかで、庭の緑も、桜の淡いピンクも、少年の着ている白い服もすべてが色彩を持っていた。

そして何より、少年の顔がはっきりと見えたのだ…。



起き上がると、隣で寝ていたはずの祖母はもう布団を畳んで仕事場へ行ってしまった後だった。

私も顔を洗い、化粧を整え、髪を結い、和服を着る。

普段は化粧を全くしないが、ここではそういうわけにはいかない。

ここは『四季の宿 (はなだ)』、祖母が女将を務めるいわゆる高級旅館なのだから…。

普段働いているのもいわゆる『高級フレンチ』のレストランだが私の仕事は裏方だ。

食べ物に触れる時間が長いので何と無く化粧することに抵抗があった。


身支度を整えて、祖母を探すと、調理場の隅で朝食をとっていた。

「夏月、おはよう。まだ寝ていても良かったのよ?貴女も良かったら頂きなさい。」

正月休みを利用して、祖母に会いに来たのだが、祖母は休みではない。

祖母と話をするのなら手の空いた時を狙うしかない。祖母の仕事の隙間時間に話をする為には、私も従業員に混じって働くのが1番だ。


朝食を頂いて、お客様のお部屋のお布団を片付けたり、朝食のご用意をしたり、お見送りをしたり、お部屋やお庭、露天風呂のお掃除も終えて、祖母とお花を生ける。

自然と背筋が伸びる。

「ここはもう少し…こうかしらね?…うん、これでいいわ。」

「ありがとうございます。」

生けたお花を客室に飾る。

「何か話したいことがあるのでしょう?お客様をお迎えするまで少しあるからお茶でも飲みましょう。貴女の持って来てくれたケーキも頂こうかしら?」


バレンタインのメニューに採用されたムースと2種のマカロン、それに紅茶を淹れて、お茶にする。

「これ、来月のコースメニューで採用されたの。好評だったら、将来的にアラカルトにものせてもらえるみたい。感想聞かせてもらいたいんだけど…。」

「あら、懐かしいわね。」

祖母はマカロンを見て微笑んだ。

「そういえば今日、久しぶりにあの夢を見たの。今までぼやけていたものが鮮やかだった…。それから、男の子の顔が見えたの…。」

はっきり見えたはずの顔が、今はもうぼやけてしまっているが、どことなく見覚えのある笑顔。

「貴女はいつか…あの子、いいえ、それじゃ失礼ね、あの方に自分の作ったマカロンをお渡ししたい、そう言ってたわよね。今でもそう思う?」

彼は祖母の友人のお孫さんなのだから、その気になればお渡しすることは可能なのだ…。

「わからない。あんな昔の話、覚えているわけないわ…。急にそんなこと言われても相手の方の迷惑になってしまうもの…。」

「でも、相手の方が覚えていたらお渡ししたいのね?」

「…はい。あのマカロンのお陰で、今私は素敵な人たちに囲まれて、楽しく仕事をすることができるのですもの…。それから…。」

あの人に出逢えたから…その言葉が出てこなかった。

「夏に会った時…もう終わりにするって言っていたけれど…まだ無理なのね。」

祖母は優しかった。

私は頷いた。

「このムースは、あの人の事を考えながら作りました。私が作らなくても、いつかあの人が店を訪れた時、アラカルトに載っていて、召し上がっていただけたら…それでいいんです。」

「夏月…。」

祖母が顔を見つめる顔は少し哀しそうだった。

でも、それでいいんだ。急に諦めようとするから苦しいんだ。少しずつ、気持ちを整理していけばいい。

私には打ち込める仕事もある。支えてくれる人達もいるんだからきっと大丈夫。

「お祖母様、お味は如何かしら?」

「とても美味しいわ。いつか召し上がっていただけるといいわね。」






3日ほど祖母の元で過ごした後、再び私には日常が戻ってきた。

今月《1月》の限定のデセールとして、チーズケーキとソーテルヌのソルベの盛り合わせを出すことになった。ソルベが好評だったのだ。

「『フロマージュ・キュイ〜2種のワインのソースとソーテルヌのソルベを添えて〜』

これはネーミングそのまんまでいいかな。それにしても来月のコースのデセール、攻めたネーミングだねぇ。

『Mon premier amour〜ショコラとフランボワーズのムースとマカロンにあの日の思い出を添えて〜』

俺、こういうの結構好きだよ。お客様の何だろうって好奇心を掻き立てるし、オススメしやすいんだよ。それにサービスしていて会話も弾む。」

料理の写真を撮影する際、支配人にメニュー名を書いた紙を渡す。

ネーミングには分かり易さも大切だが、ミステリアスさも必要だ。興味をそそるようなネーミングだと、お客様から質問されたり、興味を示したりする為オススメしやすいそうだ。

何よりお客様同士の会話にもつながるらしい。

バレンタインやクリスマスには、普段こういう場所に来ないお客様もたくさんいらっしゃるので、そういったお客様の緊張をほぐすのにも役立つのだ。



「おい、夏月…このネーミングとこの内容…。」

今日初めてネーミングを知ったハルさんの顔は引きつっていた。

飲んだくれた日に、あんなこと号泣しながら事細かに話したのだから当然の反応とも言える…。

「いいんですよ、気持ちを成仏させるんです。」

「開き直るな…。成仏って…成就じゃなくてか?」

「もちろん成仏ですっ!成就だなんて…無理ですから…。そんなの願ってたら一生独り身ですよ…まぁそうじゃなくてもそうなりそうなんですが…。まぁ別にそれで良いって決めたんですけど、もうそろそろそこに執着しているのも疲れたんで…そんな気持ちは早く天に昇っていただくんですよ。」

それで忘れられたらどんなにいいだろう。

佐伯さんは私とハルさんの会話を聞いて笑っていた。

久しぶりな気もする、佐伯さんが笑うの。


"私の初恋"という意味の"Mon premier amour"というネーミングは、ホールのスタッフと女性には軒並み好評だったが、その反面厨房の男性陣にはものすごく不評であった…。

「『夏月の初恋』の方がいいんじゃないっすか?」

北上くんにはこう言われる始末だ…。

なぜかそれが皆にウケ、厨房ではバレンタインのコースのデセールが略され『夏恋』と呼ばれる様になり、それがなぜかギャルソンやセルヴールにまで浸透してしてしまっていた。

「酷いよ…北上くん…マカロンの話バラすなんて…しかもムースは苦い思い出が元になってるとかさぁ…」

彼にしては珍しくオブラートに包んでぼやかして話していたらしいが…恥ずかしすぎる。

彼の軽さはムードメーカーとして皆を和ませるという長所でもあるが、彼に何か話すと拡散されるという、とんでもないリスクも発生する。


「あの時の話した私が馬鹿だった…。」

そう落ち込む私を慰めてくてたのは篠山姐さんと佐伯さんだった。

「ごめんなぁ、私が話振ったばっかりに…こらぁ!北上ぃ!」

北上くんには姐さんから、それはそれはきつーいお灸が据えられた。

それを見たみんなが、北上くんに詳細を聞こうとするのをやめたのでありがたかった。

「ちょっと恥ずかしいだけなんだよ、みんな自分のことも思い出しちゃってるんじゃない?

夏月ちゃん…少しでも吹っ切れて楽になれるといいね…。成仏ってそういうことでしょ?…何か手伝える事あったら言って。飲みたい時とかさ、付き合うから。」

佐伯さんがギャルソン時代、お客様にサービスをご指名されることも多かったと聞いたけれど、きっとこういう気遣いがお客様も嬉しかったんだと思う。

「ありがとう!佐伯さんの優しさが心に沁みる…。飲みたい時…あ、ハルさん辞める前に、また飲みに行かない?」

「そうだね…涼さん、あと2週間無いんだもんね…。」

そういう佐伯さんは哀しそうだった。

佐伯さん、ハルさんの事すごく尊敬していたもんなぁ…さみしいよね。


ハルさんと一緒に仕事できる日も1日、また1日と減っていった。

みんな、ハルさんが辞めちゃうのを残念がっていた。

でも、独立するんだから引き留めたらいけないよね、そう言って定休日はボヌールと違う日にしろとか、クビになったら雇ってくれだとか、時々お客としてボヌールに来いだとか、結婚式には呼べだとか皆がそれぞれ親愛の気持ちをハルさんにぶつけていた。

その中には、時々私の名前も出てきた。

そんなやり取りを見ていると私も2ヶ月後には辞めるのだよな…とちょっぴりさみしくなった。


ハルさんの仕事は最後まで完璧だった。

最終日はいつも以上に丁寧な仕事をして、営業後、デセール専用の部屋を隅から隅まで掃除して――もちろん私と佐伯さんも手伝って――ピカピカに仕上げた。

ハルさんの退店を残念がるお客様も多かった。

そんなお客様へお礼を一言書いた名刺サイズのカードまで用意していた。



その日仕事が終わるとハルさんと佐伯さんと3人で朝まで飲んで熱く語った。

送別会は3月に3人まとめてすることになっていた。けれど今日がハルさんの勤務最終日ということで参加希望者はたくさんいたが、個別に日程を調整するからとハルさんが言って断ったらしい。

桃子さんも、たまにはデセールの3人で行ったら?と辞退したそうだ。

その代わり、私と桃子さんの2人で今度飲もう!とのお誘いがあった。


「どんな感じの店なんですか?」

話題の中心はハルさんのお店の事だった。

「コンセプトは日常のような非日常の空間。明るく開放的なんだけど、落ち着いている。言葉にするとちょっとわかりにくいけど…。普通っぽいけど、普通じゃ無いみたいな?店の内装は担当者が桃子の意向をくみつつ…って感じで任せてるよ。多分夏月も好きな感じだって言ってたぞ。シンプルだけど、重厚感のある空間。レストランと、ある程度テイストを合わせている。

俺を誘ってくれたやつはセンスがいいし、好みが近いから安心していいぞ。それにイメージデザイン見たらすごく良かったよ。」

建物の完成が4月中旬予定。

すごく楽しみだ。


「メニューはどうなんですか?」

「シンプルだけれど複雑な美味しさ。素材の組み合わせの面白さ、マリアージュだ。特にワインとのマリアージュに力を入れる。俺誘ってくれたやつはソムリエだからな。地元の食材を積極的に使って、新鮮な美味しさを大切にしたい。夏月の3つは採用予定。

カフェの併設は無し。うちのケーキを食べたい場合、レストランのバーというかカフェエリアでゆったり食べていただく。

まだ決定では無いんだが…もしかしたら夏月にはしばらくレストランのデセールも担当してもらうかもしれない。向こうでもいい人…誘いたい人がいるらしいんだが、連絡がつかないそうだ。俺が出来れば一番良いんだけどそういうわけにはいかないしな。」

デセール担当か…ハルさんのファンだっていうオーナーだもの、私の腕が問われる上、ハルさんの代理ってことだし、責任重大だ。

因みにマリアージュとは、フランス語で結婚。

美味しい食べ合わせを結婚に例えて、"Bon mariage"というのだ。

異なる素材を合わせた時、1+1=2ではなく、3にも4にも、10にだってなってしまう絶妙な組み合わせ。

結婚式場にもなるレストランにピッタリ。

「マリアージュと言えば…入籍されていたんですね。おめでとうございます。式は店が軌道に乗ってから…っていつ頃が目安なんですか?」

今日、皆に2人が入籍していた事が報告された。各種手続きの関係で知っていた人はごく一部だった。

知らなかった大半は驚きを隠せなかったようだ。

そろそろだとは思ったが、まさかもう既に!?という具合だった。

「1年後には出来たらしたい。無理でも3年以内が限度…だな。子どもも欲しいし…その前には式挙げときたいだろ?」

結婚、妊娠、出産。そして仕事。

私だって難しい年頃の真っ只中なんだよな…。

はぁ…無意識にため息が漏れる。

「おい、夏月どうした?」

「いや、今、自分自身もそういう難しい年頃だという事に気付いて…。」

「凹んでたの?」

「佐伯さん、凹んで無いから…。ちょっと考えてしまっただけ。」

素直に凹んでいたとは言えない私。30過ぎても乙女心(って言っていいのか?)は複雑です。

「…もし、アラフォー…いや、35過ぎても結婚したいのに相手がいなかったら声かけて。お互い相手がいなかったら余り物同士それも有りじゃない?」

語尾に(笑)付きで佐伯さんがそう言ってくれた。

いやいや、佐伯さんに限って結婚してないとか無いでしょう?

そんな約束したら余計一生独身コースな気がする。まぁ、仕事が楽しければそれも有りっちゃ有りだけど…。

ギャルソン時代は佐伯さん目当てのお客様もいたそうだし、パティスリーの時も硬派なイケメンだと店の販売員(ヴァンドゥーズ)の子達がよく話してたもん。

「流石にそれは申し訳ないって。無理そうなら潔く結婚はあきらめるよ。でもその前に佐伯さんに限って結婚してないとか有り得ないでしょ?優しいし、顔も良いし、佐伯さんなら引く手数多だって。」

2人が苦笑いをしていた。

「(佐伯)ドンマイ…お前、もう少し周り見ろよ…はぁ…。」

ハルさんが大きなため息をつく。

周りか…そういえば、祖母は自由にして良いって言ったけど、お見合いがどうとか言ってたし、結婚して欲しいんだろうな。

「そうですね…祖母の事を考えると結婚するべきなんだろうなとは思います。お見合いの話もあったみたいですし…断りましたけど。私もハルさんところで落ち着いたら考えてみようかな…。婚活?した方が良いんですかね…。」

「ここまで鈍感だと逆に清々しいな…。」

笑いながらハルさんがそう言った。

ハルさん、以前祖母と会った時、何か言われたんでしょうか?

「ところで、八ヶ岳で住むところなんですけど…。」

「ああ、それならスポンサーのとこが社員寮まで作ってくれてるらしいぞ。単身者向けと家族向けの。しばらくは俺らもそこだな…そのうち絶対家建てるけどな。」

それから話題は再び仕事やハルさんの店の事になり、閉店時間まですっかり居座ってしまったのだった。


まだ暗い真冬の午前5時。

途中まで帰る方向が同じなので3人で歩きながら話していると突然、ハルさんが頼みたい事がある、そう言った。


「試食会、ですか?」

「そうだ。土日休めない人向けに、平日の夕方からやってるのがあるんだよ。ウェディング説明会。模擬挙式と、料理の試食、引き出物の展示とかもあるらしい。俺と桃子でも色々行ってはいるだけど、まわりきれなくて。料理と引き菓子とケーキの写真撮ってきて欲しいんだよ。2人で式場探してるふりして。出来たら感想とか情報も欲しい。頼めるか?」

それ、すごく勉強になりそう!

ドレスの試着とかあるのか?あわよくば…着てみたい!一生独身だったらそんな機会無いもんね!

「そういう勉強の仕方もあるんですね!

是非やらせて下さい!!

この仕事してると、土日休みにくくて、結婚式もあまり出たこと無いんでそういうのがどんな感じか気になってたんですよね。」

佐伯さんがすごく乗り気だったのは少し意外だったが、勉強熱心な彼なので納得できる。

動機が不純な私とは大違いだ…。

「面白そうなんで私も行きたいです。報告書頑張って作りますね。」

私たちが二つ返事で引き受けると、ハルさんは式場のHPの申し込みフォームのURLを佐伯さんに送り、私たちはその場で申し込みをした。

バレンタイン明けの定休日に行くこととなった。


「さすがに勤務先は本当のこと書けないですよね。」

「そこ、俺の実家書いとけ。自営だから。ちょっと貸してみろ。」

ハルさんは佐伯さんのスマホのメモアプリに実家の住所と社名と電話番号を打ち込んでくれた。

「へぇ、和菓子屋さんなんですね。」

「夏月は…家事手伝いでいいな。」

え…家事手伝いって、女性だけが使うことを許される、ニートの体裁の良い呼び方ですよね?

まぁ、その方がいろいろ面倒がなくていいんですが、仕事に打ち込んでいる身としてはなんだかもやもやする部分があるのは気のせいでしょうか。

「特に夏月、気を付けろよ。偵察だってばれないようにな。」





2月に入り、ハルさんのいないボヌール。

佐伯さんと私でなんとかデセールをまわしていた。

来月になると、ギャルソンの山田君がデセールにやって来るそうだ。

そして、4月からパティスリーのシェフの関さんもデセールの担当になるらしい。あくまで、次期パティスリーのシェフが退職するまでの期限付きでだ。

「夏月、見たぞ。お前のまとめたファイル。すげぇなぁ。パティスリーの時にも作ってくれたらよかったのに。」

関さんは最近やたらウキウキしている。レストラン(こちら)の厨房にに戻れるのが嬉しいらしい。関さんはパティスリーがオープンする前までデセールの担当で、あの時私の食べたデセールは関さんの作ったものと思われる。

ちなみに、次期パティスリーのシェフは、当時はパンを焼いていたとかいないとか。あんな奴どうでもいいけど。


「デセール、夏恋2つとクレームブリュレ、8番テーブルお願いします。」

案の定コースのデセールは『夏恋』と省略されていた。

意外なことにあの恥ずかしいネーミングもお客様に好評で、アラカルトを頼むつもりだったというお客様が、デセールが気になるからとコースを注文してくださるケースも結構あって、厨房の男性陣を見返すことが出来た気がした。

ありがたいことに、味も気に入ってくださる方も多く、定番化を望む声も多く聞かれたそうだ。

そのため、バレンタインのコース限定でお出しする予定が、バレンタイン以降は2月の限定メニューとして出させてもらえることとなった。

そして、バレンタインも無事終わり、定休日がやってきた…。



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