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運命の日(夏月視点)

2月28日。

ついにボヌールでの仕事が残り1か月となった。

そして、バレンタイン後も2月の限定メニューとして出されていた

『Mon premier amour〜ショコラとフランボワーズのムースとマカロンにあの日の思い出を添えて〜』

なんて名前の、こっ恥ずかしいデセールもひとまず今日で終了。

自分で名付けておきながら実は激しく後悔していた事は内緒にしておこう。

でも、そのネーミングのせいでかなりのご注文をいただいていたもの事実なんだけど。

『夏恋』だなんて言われるのも今日で終了!と思うと、すごく嬉しかった。

実はいまだに、ちょっぴり北上くんには、その件に関して恨めしく思ってたりします。


平日だったので、特に忙しいわけでもなく、かといって暇なわけでもなく、いつもにも増して丁寧に仕事ができた日だった。

こういう日の充実感は格別だ。

しかも明日は定休日なのでお休み。

まだ営業中だが、片付けられるところから片付けて、出来るところは掃除していく。

後は閉店後に、残ったものをまかないで出して、こまかい片付けをして、床を水で流して掃除したら私たちの持ち場は終了で、手が足りないところのお掃除のお手伝いをすればいい。

残っているオーダーは例の『夏恋』と呼ばれる限定メニューが4皿。何でも、開店以来の上得意様だとか。

だったら、余裕もあることだし、いつも以上にきれいに仕上げよう、そう思っていた。


「デセール、特別室1に『夏恋』4皿お願いします。担当者にサーブしてもらいたいそうですのでお願いします。それからお話しもしたいそうです。」

「夏月ちゃん行ってきなよ。」

「え?あたし?」

佐伯さんの提案に思わず間抜けな声が出てしまった。

「だって考案者は夏月ちゃんだし。」

「私、4皿なんて1度に持てないし。オーダーストップ過ぎてるし、最後のオーダーだから持ち場離れても大丈夫でしょ?片付けもほぼ終わってるしさ、一緒に2皿ずつ持っていこうよ~?お話しもみんなでしようよ~?」

他のお客様は帰られて、まだ店内にいらっしゃるのはこの方達だけらしい。

というわけで、佐伯さんと私と一緒に行くこととなった。






特別室1は出来たら入りたくない。

あの日、あの人と食事をした場所だったから。

接客中に思い出してしまうのが怖い。

佐伯さんと一緒なら、そういうことも察してフォローしてくれるんじゃないか?そんな都合のいい事を考えている自分が嫌だったけれど、上得意様に失礼があってはいけないので、深く考えないようにする。

今までは幸い、お客様に呼ばれてホールへ行くことがあっても、個室へは行くことがなかった。







その部屋に入り、私は衝撃を受けることになる。








「大変お待たせいたしました。

『Mon premier amour〜ショコラとフランボワーズのムースとマカロンにあの日の思い出を添えて〜』

でございます。」

そう言って、上座に座る上品な年配の女性2人にサーブする。

なぜか佐伯さんは入口で立ち尽くしていた。

顔も青い。


「あら、どうして貴女がこんなところにいるの?」

ん?この声知っている。

!??

「おばあ…さま?」

いつもと違って、上品なスーツに身を包んで雰囲気が全然違うから自分の祖母だというのに気付かなかった…いつもは常に和服だもの…。

しかも、祖母の隣に座る女性にも見覚えがあった…。

「夏月ちゃん…これもサーブお願い…」

やたら弱々しく佐伯さんに言われる。

頭が働かない。

どうにか身体を動かして、佐伯さんから残り2皿を受け取り、年配の男性と若そうな男性…後ろ姿しか見えないが…と思う、にもなんとかサーブする。


ああ、思い出した。

こちらの(年配の)男性にも見覚えあるよ!







あの日、私が恋人だと偽ってご挨拶したのはあの人――蘇芳(すおう) 英治ひではるさん――のお祖父様とお祖母様だった。

その2人が此処にいる。

私の祖母と一緒に。


そして…もう一人…若い男性は…彼本人だった。


彼も驚いているのだろう。私を見て微動だにもしなかった。






「夏月、こちらは私の古くからの友人よ。蘇芳 英臣(ひでおみ)さんと春乃はるのさん。お会いしたことがあるでしょう?」

「夏月さん、お久しぶりね。」

穏やかな笑顔を私に向け、春乃さんは言った。

私がこの方々に会わせる顔なんてない。5年半以上前お会いしたときに騙しているのだ。

「ご無沙汰しております。その節は…大変失礼なことをいたしまして、本当に申し訳ありませんでした。」

頭を下げるしかなかった。

「そんな、頭を上げて頂戴。謝らなくてはいけないのは私達の方なのですから。貴女が英治の恋人ではないことは知っていたのよ。英治に頼まれて恋人のフリをしていることをね。」

どういうことなのだろうか?






「お話し中大変申し訳ございません、差し出がましいようですが、よろしければデセールをお召し上がりください。是非、最適な状態で召し上がっていただきたいのです。」

何が起こっているかわからず、頭を下げっぱなしの私を見かねてなのか、私にはわからない何かを悟ったのか、そう言ったのは佐伯さんだった。

「夏月ちゃん…こっちにおいで…。」

佐伯さんに手を引かれた。

こんなところで固まってつっ立っているわけにもいかなかったので助かった。


「それもそうだね。いただこうじゃないか。」

英臣さんがそう言ってピンクのマカロンを手に取った。


「あら、この組み合わせ、懐かしいわね。」

何かを思い出して楽しそうに春乃さんが言った。

「夏月の初恋はマカロンをくれた男の子なのよ、フランボワーズとショコラのマカロンが好きな、ね。」

ニコニコ笑う祖母はさらに続けた。

「あなた、いつかあの男の子にお礼がしたい、自分の作ったマカロンを渡したいって言ってたでしょう?それが今、叶ったのよ。」

どう言うことなのだろうか?

その意味を理解するまでに少し時間がかかった。


理解した途端に涙があふれ出した。

目の前が滲んで何も見えなかった。


しばらくすると急に目の前が暗くなった。






抱きしめられていた。


英治さんは私よりも頭1つ分身長が高い。

暗くなったのは、彼に抱きしめられ顔が彼の胸のあたりに埋まってしまったからだった。

英治さんは、1度腕を緩めると、涙を拭いてくれ、私を見つめた。

そして、ゆっくり口を開いた。


「夏月、結婚して欲しい。」


意味がわからなかった。

混乱する私の頭は、彼がなぜそんなことを言うのか理解出来ずにいた


「あの時、君をあんなに傷付けていたなんて思わなかった。朝になったら本当のことを全て話して、君が望むなら一緒にフランスに連れて行くつもりだった。

ずっと好きだったんだ。高校生の時から。

あの店で君を見つけた時は夢かと思った。夏月の作るアントルメは本当に美味しかったし、大好きだった。

本当はもっと、時間をかけて関係を築いていくつもりだった。なのに、君が店をやめると言うのと、僕のフランス行きが急に決まり焦っていた。

なのに…朝起きると君はいなかった。手紙を残して。携帯電話もその日には解約されて繋がらなくなるし、家にも帰っていなかった。

急に君がいなくなってしまって………でも、此処で今会えた。今すぐに返事をくれとは言わない。

夏月が今も、僕の事を、少しでも思っていてくれるのならば、前向きに考えてみてくれないか…。」







もう何が何だかわからなくて、私はただ涙を流しながら立ち尽くすことしかできなかった。

なぜか、椅子を1脚佐伯さんが持ってきてくれて、英治さんが座らせてくれた。

私だけじゃなくて、なぜか佐伯さんも泣いていた。


「英治さん、貴方も夏月の作ったデセールを食べて頂けるかしら?」

祖母がそういうと、英治さんはようやく座って食べてくれた。

「このマカロンはあなたに幼いころいただいたマカロンを、このムースは貴方のことを思って作ったものだそうよ。それにこの名前。夏月(この子)の中ではもう返事が決まっているのだと思いますよ。」

ただ静かに泣くだけで、何もできない私に代わって、祖母が説明してくれた。


英治さんの瞳からも大粒の涙が零れ落ちる。

そして、『私の初恋』を大切そうに食べてくれた。


「夏月、何も言わないのは失礼ですよ。きちんと、お返事なさい。」


「ずっと…気持ちを押し殺していました…。去年の夏、やっとその気持ちと向き合って、もう諦めようと思いました。でも、無理でした。

今でも、英治さんが大好きです。忘れられません…。

でも…結婚は…すぐには出来そうもありません。しばらく忙しくなるので会えるかもわかりません…。」

どうにか言葉にする。

「それでも構わない。何年でも待つよ。」

その微笑みは、あの夢に出て来た男の子にそっくりだった。






「私は、もうすぐここを退職します。その後は、今度独立する先輩の店で働きます。その先輩は、私の恩人で、その人の期待に応えなくてはいけません…。八ヶ岳へ引っ越します。だから、本当になかなか会えないと思います。それでも、いいですか?」

やっと、落ち着いて、普通に話すことが出来た。

ふぅ、そう息を吐き、顔を上げると、英治さんの顔が再び驚愕していた。



「もしかして、その先輩というのは…涼…はる…春日野、春日野 涼なのか?」

英治さんはハルさんの独立をを知っているのだろうか?

もしかしたら、例のカードを受け取っていたのかもしれない。

私が頷くと、英治さんの顔が急に晴れやかになった。


「夏月、やはり待てない。すぐにでも結婚しよう。」

なぜそうなるのだろうか?

まっすぐ私を見つめる彼の顔は、とても幸せそうだった。

「涼が連れてくると言ったパティシエールは君だったんだね。腕がいいから期待していい、デセールも任せられると言っていたよ。」


「もしかして…。」


「涼を誘ったのは僕だ。僕の初恋も君だった。だから思い入れのある…君に出会った八ヶ岳で自分の店を持つことにしたんだ。高校の時、毎朝駅で見かける、初恋の女の子によく似た君が気になって気付いたら好きになっていた。実際君があの時の女の子だったのは先程知った。

ずっとそばにいられるんだよ。なのに、待てるわけないだろう?だから今すぐにでも結婚してほしい。」

やっと理解することが出来た。


私の視界はまた涙でぼやけてしまったけれど。

今度は、嬉しくて。幸せで。

この人が、英治さんが大好きで。


「はい。」


そして、再び私は彼に抱きしめられた。







「蘇芳様ご無沙汰しております。ご挨拶が遅くなり申し訳ございません。」

「佐伯君、また君に会えて嬉しいよ。君のサービスが大好きだったからね。」

「この度は、ご婚約おめでとうございます。お2人の、思い出のシャンパーニュをプレゼントさせてくださいませんか?」

佐伯さんは目が真っ赤だった。まるで泣き腫らしたように。

そして、支配人が英治さん、英臣さん、春乃さん、私の祖母と、それから私の前へグラスを置いた。

「ぜひ、佐伯君と立花さん(支配人)にも一緒に祝って欲しい。」

英治さんは立ち上がり、ボトルを掴んだ。

そうして、2つのグラスに、ルイ・ロデレールを注ぐと佐伯さんと支配人へ手渡した。


「おふたりの、再会と、変わらぬ愛を祝して…À votre santé(乾杯)!!」


「夏月ちゃん、幸せになって…。」

佐伯さんはとても素敵な笑顔だった。




支配人は、生成りの台紙に収まった1枚の写真を私と英治さんに差し出した。

それは、私と英治さんが、あの日、この部屋で撮ってもらった写真だった。

私も、英治さんも、とても幸せそうな顔をしていた。

「これって……支配人は、ご存じだったんですか?」

「涼がパティスリーから連れて来た日に気付いたよ。あの日、蘇芳様と一緒にいらした女性だと。」

私だと気づいていたのは佐伯さんだけではなかったのだ。

「夏月、本当におめでとう。良かったな。幸せにしてもらえよ。」





あまりに急すぎる展開で状況を把握しきれていない私に、英治さんだけでなく、祖母と英臣さん・春乃さんご夫妻までが分かりやすく説明してくださった。


幼いころ、春乃さんと一緒に八ヶ岳の祖母の旅館へ英治さんが訪れたこと。

両親が離婚し、祖母に預けられたばかりで泣いている私を元気づけようとマカロンをくれたこと。

英治さんのおかげで私はあまり泣かなくなり、それまで笑わなかった私が笑うようになったこと。


高校の時、駅で毎朝見かける私に英治さんは恋をしたこと。八ヶ岳に住んでいる私が都内にいるはずないと思い、他人の空似だと思っていたこと。


その後英治さんは留学されたそうで、帰国して英臣さんの会社へ入社し、仕事に明け暮れていたこと。


そんな時、美味しいと勧められ、立ち寄ったとあるパティスリーで私を見つけたこと。


そして、私を振り向かせようといろいろ頑張っていたこと。

告白を考えだしたころ、急なフランス行きが決まり、偶然会った友人の2次会で私が店をやめることを知り、あのような形ではあるが祖父母に紹介した事。


英臣さんも、春乃さんも、私の名前を聞いてどこのだれかが分かり、結婚を前提にお付き合いすることを許可をしたこと。

私が友人の孫であることはあえて言わなかったそうだ。

私が彼の初恋の相手だと知っていた2人は、気づいた時の反応を楽しみにしていたらしい。


彼は私にきちんと告白…というかプロポーズをするつもりだったそうだが、酔いが覚めてから、そう思っていたらその前に私が姿を決してしまった。


手紙を見つけてとても後悔したこと。


彼なりに私を精一杯探してくれたこと。

失意の中、渡仏し、仕事に明け暮れていたこと。

先程支配人が渡してくれたのと同じ写真と、あの日彼が私にプレゼントしたが私が受け取れないと、手紙と一緒においてきた指輪とネックレスを毎日眺めていたこと。


そんな時、ハルさんと出会い、意気投合して独立の話を持ちかけたこと。



私のことが忘れられない英治さんを見かねて、英臣さんが祖母に私との縁談を何度か申し込んでいたこと。

英臣さんは5年前の話を祖母には話しておらず、私に忘れられない人がいるのを知っていた祖母は、そんな状態では失礼だからとその度に断わっていたこと。


私と彼をどうにか会わせたかった英臣さんと春乃さんは、祖母に英治さんの店の出資の話を持ちかけた。

今日はその顔合わせだったらしい。

出資者と会って欲しいからと、英臣さんは英治さんを無理やり一時帰国させた。

1ヶ月後には帰国するのに…と渋々の帰国だったそうだが、出資者ならば、ハルさんのデセールを食べてもらおうと今日の夕方空港に着くと直ぐボヌールに電話して個室を予約したらしい。


ボヌールで祖母を紹介された英治さんは、水縹という祖母の名を聞いて、私の祖母だとすぐに気付いたそうだ。

祖母は彼の口から5年前のいきさつを聞き、私の忘れられない人が英治さんだと気づく。

それで、私を彼に会わせる約束をしたらしい。

英治さんは、祖母に共同経営者であるハルさんを紹介するため、サービスにデセール担当者を呼んでほしいとお願いした。

「パティシエールがすぐにお持ちします。」そう言われ、ハルさんの名前を出して尋ねたところ、ハルさんは退店したと言われる。


そんな時、デセールを持って現れたのが私だった。


祖母も私がここで働いていることを知らなかったし、英臣さんも春乃さんも、英治さんも予想だにしない展開に驚きを隠せず、私は私で脳が思考停止してしまった。

そして今に至る。





ようやく状況が飲み込めた今、再び涙があふれてしまった。

本当に、本当に幸せだった。


私が落ち着きを取り戻した頃には閉店時間を随分過ぎてしまっていた。

支配人に、英治さんと一緒に帰るように言われる。

まだ仕事が…と言うと、もうほぼ終わってるから、顔を出せば良いと…。

英臣さん、春乃さん、祖母は既に帰っている。

英治さんも、お世話になったスタッフに会いたいからと、私と一緒に厨房へ行くことになった。

支配人に先導され、私は英治さんに支えられ厨房へ向かった。


「「「「「「「「「「「「ご婚約おめでとうございます!!」」」」」」」」」」」

「夏月ちゃん、おめでとう!!」

「うわぁ、ほんまやったんかいな!夏月ちゃん、今まで辛い思いした分、幸せになるんやで!!」

「夏月、良かったな、寿退社じゃないか!」

「デセールの名前の件でいろいろしゃべってすいません。でもまさか夏月さんの例の話のお相手が伝説の『商談王子』だったとは…幸せになってください!」

「北上、お前あほか?この後に及んでまで失言が…。」

「夏月さん、おめでとうございます。明日からお世話になります、1か月よろしくお願いします。」

「夏月、明後日ちゃんと仕事に来いよ?」

「いいなぁ、玉の輿。おめでとうございます。私にも幸せ分けてくださいね。」

「あと1か月、よろしくな、結婚式には呼んでくれよ?」

「夏月がいなくなったデセールは俺と佐伯に任せとけ!」

「関さん、あの、僕は…?」

「あ、山田もか…悪りぃ、忘れてた。」

「夏月さんがまさか幻のお姫様だったなんて!おめでとうございます。」


「蘇芳様…夏月ちゃんを絶対幸せにしてください。あなたのせいで彼女は何度も泣いていたんですから。約束ですよ?」


皆にお祝いの言葉をかけてもらって自分が本当にプロポーズされたんだと改めて実感した。

英治さんはボヌールのスタッフにこっそり『商談王子』なんてあだ名をつけられていたらしい。ついでに私は幻のお姫様と半ばツチノコのような扱いだったそうだ。


私が帰り支度している間、英治さんは厨房でみんなとお話ししていた。


私が戻ると、みんなに囲まれてすごく楽しそうだった。


皆に、お礼とご挨拶をして、先に上がらせてもらう。






「よし、これから佐伯の失恋祝いだ~!!皆で盛大に慰めようぜ~!!」


私には聞こえていなかったが、英治さんには何か聞こえていたらしい。

「なんか申し訳ないことしちゃったな…。」

「英治さん?何かおっしゃいました?」

「何でもない、独り言。それより、今から明後日の朝までずっと一緒にいてよ?明後日またフランス(向こう)に戻らないといけないから。4月には全部引き払ってちゃんと夏月のとこに戻って来るから。もう、黙っていなくならないでくれる?」

私は英治さんを見つめて微笑み、頷く。

「帰ったら、まずは家探そう。2人で住む家。」

再度頷く。

「一番最初に式挙げちゃおうか?僕の店で披露宴もしてさ。」

少し驚く。いくらなんでも急じゃない?

「とりあえず、親しい友人と、祖父母とボヌールのみんな呼んでさ。こじんまりと。ちゃんとしたのは結構な規模になるから来年か再来年かな?」

私は笑顔で頷いた。

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