だからこんな寒い日には
心の奥に閉じ込めた
あの子がときおり暴れだす
ぽっかりと胸に空いた穴
ヒュウヒュウと吹く風の寂しさに耐えきれず
目につくものすべてにしがみつき
何もかもを失った
追えば追うほど逃げていく温もり
壊れていく形
ぽっかりと口を開けた暗闇
後のない崖っぷち
生きることと死ぬことは
薄っぺらな背中合わせ
必要な核さえも与えられないまま
そもそもわたしという存在なんて
本当にあったのか
初めからまぼろしだったのか
立ち返り
何もかも取り戻したはずなのに
終わったはずなのに
あのときのわたしはどこかで凝ったまま
今もときおり思い出したように
この胸をかき乱しに来るのだ