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超再生

 ――二階の窓から雪上へ着地したセシリア。



 先程投げ出したライフルをストラップごと拾い上げ、肩にぶら下げると踵を返し、再び民家へと舞い戻る。



 急激に天候が悪化したのか、民家に入ると共に外には雷が鳴り響いていた。



 雷など気にもとめず、サブマシンガンのマガジンを速やかに交換し、二階への階段を駆け上がろうとしたその瞬間。



 セシリアが先程飛び降りた二階の一室から大きな破砕音と震動が響き渡る。



 落雷?



 セシリアは瞬時に両手のサブマシンガンを一階のリビング中央へと向ける。



 銃口の先に映るのは血塗れの狼男。



 二階の床が抜け落ち、そのまま一階に落下した狼男は下半身が木材と煉瓦の残骸に埋もれており、周囲には埃が舞い散っていた。



 ウイングの繰り出した左足の蹴りは狼男を床に叩き着けるには十分だった。



 間髪入れず、床に突っ伏した狼男に向かって素早く印を結び始めるウイング。



「怒りの忠神、ラダマンカンよ! 汝の怒りの鉄槌を、我が目前の愚者へ下せ!」



 ウイングがそう叫びながら複雑な印を結び終えると、民家の上空に巨大なルーン文字の魔方陣が発生する。



 空は暗転し、稲光が鳴り響く。



 魔方陣からは巨大な右腕が現れ、その手に更に巨大な鉄槌が握り締められていた。



 ウイングが印を結んでからほんの数秒後、巨大な鉄槌は民家の屋根を破壊しつつ、的確に狼男を叩き潰す。



 一階のリビングの床下まで叩き潰された狼男。セシリアが銃口を向けた時には、既に潰れた肉体は再生を終えようとしていた。



 前例の無い高速再生能力。



 カルマの器を持つウイングの剣撃や、蓬術を喰らっても再生スピードが変化しない。否、寧ろ再生スピードは上がっている。



 ダメージを負う度に再生能力が上昇するヒドゥン。非常に危険な存在だ。



「マスター、結界を!」



 セシリアはサブマシンガンを再びフルオートにして狼男に発射しつつ、インカム越しにウイングに言い放つ。



「もうやっている! ……監獄の忠神、クリミナル・ダイブよ! 汝の鎖にて、かの地を拘束せよ!」



 二階の床に空いた風穴から一階のリビングに飛び降りつつ、印を結ぶウイング。



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