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鬼神への歩み  作者: dai
2章~ゴブリンも大変だ~
8/8

拾い物をした日

あれからどれだけたったのだろう

目標としていた住処つくりもだいぶ進み、今は自分が大の字で寝られるだけの広さの洞窟が完成した。

入口から2m程は自分の通れる最低限の大きさにして、その奥に広間を掘っていった。


もちろんここまで掘り進めるのに1週間やそこらでできるわけがない。なにせたまに拾ってくる木の枝と拳や蹴りだけで崖を掘り進めたんだ。いったいどこの格闘家の修行だと言ってやりたいね。



最近ではアーマーラビットも素手で倒せるし、気が付かれても追いつけるほどになっている。そろそろ生活域を増やすべきだろうかと考えている。


今の俺のステータスは

●●●●●●●●●●

Lv.32

名前・ワタスン

種族・鬼族ノ小鬼・亜種~ゴブリン・レア~

称号・暴食の鬼


特性・『鬼ノ威厳』『夜目』『精力微上昇』


スキル・『吸食C+』『空腹感B』『痛覚麻痺C-』『言語習得~人間族・帝国民~C』『剣術C+』『観察眼C』『投擲D-』『危険察知F+』『毛皮硬化F』『体術B』

●●●●●●●●●●

となっている。


レベルの上がり具合からもどれだけの時間がたっているのかもわかってもらえると思うが、そろそろ自分の世界を広げていくべきだと思っている。




さて、今日俺は変なものを拾ってしまった。

昨日の夜に草原のほうで何かが光った。それがなんだったのかを確認しにいったのだが・・・


「あ・・あの~

言葉通じてるよね?」


傷だらけの男の子だった。

前までの俺なら戸惑うことなく襲いかかって食べてしまうところなのだが、俺には前世っぽいものの記憶がある。それがこの少年に襲いかかると返り討ちに合う王道パターンだと警告してくるのだ。


放置しておいてもよかったのだが、俺は優しいんだ。使えそうな少年を自分の住処の中に運び、これからどうしようか考えているところだ


「どうしてこんなことに・・・」

少年を無視して考え事をしていると、少年が泣きそうな顔をして落ち込んでいる。


「泣くな!

男のくせにメソメソするんじゃねぇよ」

少年は話すことができるようだ。まぁ人間の子供だから想像はついていたことだが


「モ・・モンスターがしゃべった・・・・・」

必死に涙を止めようとはしているようだが、俺の醜悪な見た目のせいだろうか。涙がにじみ出ている。


「お前名前はなんて言うんだ?

どうしていきなりここに来た?」

とりあえず名前を知らないことにはまともに呼ぶこともできないので、基本的な質問をしながら少年の緊張を少しずつ解いていくことにした。


「ぼ・・僕は、ガスティ。ガスティ・R・ロックティムっていいます

あっ、で・・でも捨てられちゃったから今はただのガスティです。


お父さんに捨てられちゃって・・・

遠くに強制転移の陣で飛ばされちゃって・・・・

ここに来るのは偶然で・・・

だ、だから食べないで」

そう言うと、まだ怖いのか「食べないで」とずっと繰り返している。


「いいから黙れ、ガスティ。

俺はうるさいのは嫌いなんだ。元気なのはいいが耳障りなうるさいのは大っ嫌いだ」


まぁ、暴走しないというなら食べてみたいものだ。「食べないで」というところはあえてスルーしておこう。

俺はできない約束はしたくなんでね。


それよりも今はこの少年からできる限りの知識を引きずり出すことから始めないといけない

「ところでR・ロックティムと苗字が付くのなら、お前は元貴族か?」


「は・・はい

Rは土の貴族につけられるもので、ロックティムというのが家の名前です」


Rは土の貴族とやらに付けられるようだ

「Rが土なのはなぜだ?

後他にもそういったのがあるのか?」


「Rはロック、土魔法の上位魔法である岩魔法の頭文字からきています。

他には、炎のF、氷のI、嵐のS、雷のT、光のL、闇のDそして、帝王の家系を指すMがあります」


うむ、思いっきり英語なのはこの際スルーしておこう

アルファベットが使われているからここは英語圏なのか?

それともあっちのように英語が標準語なのだろうか。だが、ガスティは転がっていた石ころで下に文字を書きながら説明してくれた、そこには各ローマ字とその上に漢字で書かれている。標準語がなんなのかわからなくなってきてしまった。


「お前の家はどのくらい偉かったんだ?」


「い・・一応、最上位貴族の、7大貴族でした。」

質問に答えてからは何か思うところがあったのだろう、うつむいてしまった。



しかし、これではっきりした。俺はこいつに襲いかからなくて正解だったようだ。どうせ襲いかかったら魔力の暴走で消し飛ぶとかそんな終わり方をしていたに違いない



「少し相談があるんだがいいか?」

少年はまだ立ち直っていないようだが、そんなものは俺には関係ない


「はい・・なんでしょう?」

少年は律儀にもちゃんと返事は返してくれる


「お前に居るべきところをやる

お前に食うものをやる

お前に帰るべき場所をやる



だから・・・お前の力を俺によこせ」

それは死ぬかもしれない、だけど力が眠っているであろうこいつから力を手に入れるには必要な言葉だった。


今回は何もおきなかったのでステータスは変わっていません。

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