初めて進化した日
餓鬼の大半は少年を囲んではいるが、少年に殴られて飛ばされてきたガキの中には気絶しているだけの奴や怪我をしていても死にそうにないやつもいる
俺はそういった生き残っている個体を片っ端から殺して回っている
一応栄養のありそうな脳と心臓は全部食べているから恨まないで欲しい
そうして回っているうちに俺の体はどんどんでかくなっていく、今なら少年の膝ぐらいだろう
だがまだ足りない、まだまだ食べ続けて大きくなる必要がある、あの人間を食べるために
餓鬼はもう20匹ほどしかいない
これは感だが、もうメスも残っていないからこの洞窟で餓鬼が増えることもないだろう
それでいい、そうすれば全力であの少年と戦えるから
俺は一度落ち着いて、少年の周りの個体以外に餓鬼が生き残っていないのを確認して少年の後ろからゆっくりと近づいていく
気づかれてあの棒でたたかれれば俺は一撃で死ぬだろう
だから俺は、ヒットアンドアウェイで一撃も喰らわないようにし続けないといけない
俺は少年の後ろに十分に近づくと、少年めがけて駆け出しその左の膝裏に噛みついた
少年はびっくりした顔で俺に気づくと棒で叩こうとしてきた
叩かれたらそこで死ぬだろう。俺はすぐに口を話して逃げようとしたが、血がおいしすぎた。とっさに口が離れず、左の腕をたたかれて吹き飛んでしまった
周りの餓鬼を殺しておいてよかった
左腕は使い物にならなくなっているが、どうせこんな腕で叩いても大したダメージにはならないだろうし、痛覚麻痺で痛くもないから無視だ
それよりも問題なのがあの人間はおいしすぎた
噛みついて離れてまた噛みつくというヒットアンドアウェイが使えない
気力で頑張れよと言うやつもいるかもしれないが、あれは仕方がないんだあの空腹感にはあらがえなかった
作戦を練り直すために少年のほうを見るが、どうやら作戦も必要がないようだ
膝裏に噛みついたところを棒で殴り飛ばしたせいで膝裏が抉れてしまっている
少年は倒れこんでも頑張ってはいるが、もう時間の問題だろう
それよりも自分の前に転がっている少年の膝裏の肉がとても美味しそうだ
俺は我慢ができずにそれに食らいついた。想像以上の味だった。
今まで食べていた餓鬼が灰だったんじゃないのだろうかと思うぐらい美味しかった
少年は餓鬼達に噛みつかれて今にも死にそうだ
俺は我慢ができず、吸食と空腹感を発動させてしまったところで自意識がなくなった
【ワタスンは規定レベルに達しました
ワタスンは鬼族小鬼・亜種~ゴブリン・レア~に進化しました
これによりワタスンのレベルは1になりました】