脱出が見えた日
あれからどれだけ日付が立ったかもう覚えてない
出来るだけ目立ちたくなくて食べる量も必要最低限にしてたが、それも限界なようで今の俺は生まれて1日たった餓鬼が標準サイズとするならその5倍の大きさになってしまった
目立って仕方がない、最近は隅に隠れていても襲ってくるやつが多くて困ってしまう
痛くなくても噛まれれば肉は裂けるんだ食べられないようにするものもう限界かもしれないと最近はあきらめかけている
そんなことを考えてたある日、珍しいのが落ちてきた
俺はそれを知っていた。人の子供だ。
落ちてきたのは見た目からして10歳ほどの男の子だろう、ぼろぼろの服を着ていて木の棒を持っている
俺はその子を見ながらぼんやりと考え事をしていた。
ここにも人がいたんだなっていうのと、餓鬼っていうのは思っていたより小さくてこの洞窟も思っていたより小さいみたいだということだ
普通の餓鬼の5倍はある俺でさえその子供の脛までしかないと言えばどれだけ小さいかわかるだろうか?しかもこの洞窟はその子供が3人もいたら身動きが取れなくなってしまうほどしかなかった
こんなのんきに観察をしているが子供は泣きわめきながら棒を振り回して暴れている
餓鬼は子供を食べようとして襲いかかっているが大半は棒に殴り飛ばされ、足に踏みつぶされている。子供にたどり着いたやつも小さいやつだと靴に歯が通らないようで蹴り飛ばされてしまっている
こうしてみていると少年には負ける要素がないように見えるが、残念ながら多勢に無勢
もう泣き疲れたのか少年がフラフラしていて、もうすぐ倒れて食われるのも時間の問題だろう
餓鬼のほうも被害はものすごく、少年が元いた餓鬼の半分は殺してしまった
今も少しずつ餓鬼が減っているのを眺めながら俺は以前計画したこの穴からの脱出に動き出した
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Lv.4
名前・ワタスン
種族・鬼族ノ雑鬼~餓鬼~
称号・長命の餓鬼
特性・『空腹感』『痛覚麻痺』
スキル・『吸食』『空腹感』『痛覚麻痺』
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