3.あいつの好きな人
優弥と颯真が学校につき、1年の廊下を歩いていると数人優弥のことをじっと見ている人がいた
「なんか優弥見られてない?」
視線に気づいた颯真が問いかける
「気のせいじゃない?」
あまり重く考えていない優弥が軽く返事をする
二人が教室に入ると数人が駆け寄ってきた
駆け寄ってきたのは鈴木魁人たちだった
「なぁ優弥、お前白川のこと好きってほんと?」
急な鈴木の問いかけに優弥は固まってしまった
それを見た颯真は少し焦りながらもなんとかカバーしようと優弥の前に立ち言う
「な、何だよそれデマだろ、親友の俺ですら聞いてないんだから、なぁ?」
優弥の方を向き顎で"話を合わせろ"と合図をする
「あ、そんなわけ無いじゃん...」
目を泳がせながら言う優弥を見て不思議に思った鈴木は聞いた
「でも二人共おんなじ中学なんで...
"キーンコーンカーンコーン"
話を遮るようにチャイムが鳴り全員席に戻っていく
「危なかったな、でもなんでばれてんだ?」
「...わからない」
小声で話している二人を一人の生徒が笑いながら見ていた
優弥たちを見ていた白川が不思議そうな顔をしながら後ろの生徒に話しかけた
「ねぇ、優弥の噂って何かわかる?」
後ろの生徒は少し気まずそうに言った
「あぁ、それは....」
それ聞いた白川は驚いて「えぇ!?うそだぁ」と言い少しだけ話しを続けていた
朝学活が終わり、二人が授業の準備をしていると鈴木たちがやってきた
「なぁさっきの話なんだけど」
鈴木が聞こうとすると一人の女子がやってきた
「ねぇ、優弥くん困ってるしこっちにも話聞こえてくるんだけど!愛衣も嫌がってるしやめて」
鈴木たちが驚いて「あぁ...わかったよ、ごめんな」と言って自席に戻っていった
「ありがとう清水さん」
助けてくれたのは清水愛華という白川と中の良い女子だった
「いや、愛衣も困ってたから」
優弥が愛衣の方を見ると、こっちを見ながら少し困った顔で笑っていた
「なんでこんな噂広まったかわかる?」
颯真が少し怒った顔で清水に聞いた
「わからない...けどほとんどの人は松本から聞いたって言ってた」
松本紫苑、クラスの中では静かな方の生徒だった
三人が松本を見るとこっちを見て気味悪く笑っていた
清水が松本の前に行き怒った顔で聞いた
「二人のことでなんか噂ながした?」
「二人?なんのこと?」
はぐらかす松本を見て清水は机に手を置き少し怒鳴りながら言った
「だからぁ!優弥くんと愛衣のことだよ!」
松本が頭にはてなマークと浮かばせていると一人の生徒が清水に向かって言った
「あぁ、それ流したの俺だよ」