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(2)虚心

目が覚めると私は光り輝く部屋の中にいた。



私の前には人らしきものがいる。うまく認識ができない。モヤモヤした霧のようなものが私の認識を阻害している。




「やあ」




やぁと返そうとしたが上手くできなかった。高校時代って私はどうやって友達を作ったのかな?声がかすれた。




「はぁ」




やあと言おうとしたらため息に変換されていた。コミュニケーション能力を取り返したい。




「いきなりため息で挨拶を返すなんて失礼な女だね。だから男には道具のように扱われ、女友達にも捨てられるんだろう?」




そのとおりだ。言い返せない。




「言いかえせるくらいの気合が君には欲しいね」




あれ、この人今私の心を読んだ???




「もちろん、君みたいな矮小な少女の気持ちを読むなんて神には造作もないことだよ。」




少女って…私もう三十も見える年なんですけど…神ってのは地球の神なんですか?




「違う。私は虚神(うつろがみ)だ。」




うつろがみ………………ショボそうな神様、神様がなんで矮小な少女に話しかけるんですか?




「ショボそうっていったね。まぁいいか。君がさっき襲われたのはオークという魔物で、地球には本来存在しないものなんだ。ちょっとした手違いでね。」




ということは私は神様の手違いで死んだのだ。手首を切って出血多量で死ぬよりも光栄なことだ。有難い。




「だからそんなんだから君は人生失敗したんだろう。」




さっきから私の人生がどうのこうの言ってますがいくら神様でも失礼じゃないですか?神様も私のことを道具としか思ってないんですか?だから人の記憶とか思考とかを平気で読み取れるんですよね。あっ、そーかそーか、神様も所詮は私のことを欲をぶつける人形のようにしか思ってないんだー。そーかー。




「確かに記憶を読んだのは悪かったけどいきなり卑屈になるのはやめようか。なんたって君には手違いのお詫びとしてプレゼントを用意してあるんだから!」




プレゼント……………何それ、そんなこといって私の気持ちを上げて落とすんでしょ?




「……………話が進まないな……………さすがにイライラしてきたよ。」




は・や・く!プレゼント!




「君にはレベルやステータスが存在する異世界でもう一度新しい人生をやり直す権利を与えよう!!」




レベル?ステータス?異世界?




「まぁ、行けばわかるさ。」




あれ、なにそれ、私別にもう魂レベルで消滅してもいいレベルで絶望してたんですけど、何かまた危険な世界にいかせて、なにかさせる気ですか?




「めんどくさいな、君。女じゃなくてオタクっぽい男を選べばよかったよ。」




……………まぁ選んでくださったなら少し挑戦してもいいですよ。悔いもないですし。




「そのいきだよ!何か危険なことがあったりした場合は私が異世界で干渉するから安心していいよ。」




私の意識はその言葉とともに再び消失した。




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




私はてっきり転生というのは再び赤ん坊からやり直すものかと思っていたが、違かったようだ。




私の今世での名前は、アレックス・ビトレイア。




今年で15歳になる。一応15年間の記憶がある。




だが、一番驚くべきことはそこではない。




………私はなんと男に生まれ変わっていた。

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