若者と男の話 - ④
若者「ねえ、おじさん」
男「どうしたんだい。」
若者「学校行事ってなんであんなに面倒くさいんだろう。」
男「そういう場所でもあるからね。」
若者「予行練習ってことなのかな。」
男「そういうことになるな。」
若者「仕事が勉強だとして、」
男「学校行事は生きるってことだ。」
若者「やっぱり面倒くさいよ。」
男「でも面白いじゃないか。」
若者「そうなんだけどね。面白くする必要ないじゃん。」
男「そんなの耐えられないんだよ。学校行事がつまらないなんて。」
若者「いつも通りでいいのに。」
男「いつも通りが明日なのでもあるよ。」
若者「やっぱり必要なんだね。」
男「だから楽しんでおいでよ。」
若者「そのつもりだよ。」
男「うん、それでいい。」
若者「働くって大変なことみたい。」
男「ある意味ではそうだ。自分が生きるためにお金を稼ぐってことはいつだって大変なものだ。」
若者「大変なことだけしか教えてくれないんだもん。今から億劫だよ。」
男「そうだなあ。そこにいる先生も現に大変に働いている人だからなあ。」
若者「「だから」友達は大事って、そんなの私は嫌だな。」
男「君は学校がつまらないかい?」
若者「そんなことないよ。毎日大変だけど、つまらなかったら学校なんて行ってない。」
男「そうだろう。それでいいんだ。わざわざつまらない学校なんかに行く必要はない。つまらない学校で友達なんかつくったってしょうがない。だから学校行事があるし、働くことの大変さをうるさく言われるんじゃないかな。」
若者「「だから」私は友達を大事にするよ。だって大変だもん。」
男「うん、君は分かってる。君は素敵な友達を持ったね。」
若者「やっぱりちゃんと先生は教えてくれてたんだね。」
男「そうだね。それに気付けた君は立派だよ。」
若者「なんだか楽しみになってきた。」
男「うん。明日からもうんと楽しんでおいで。」