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見切り発車シリーズ

ハローワーク、貴方に職業お貸しします〜なんか違うけどみんな喜んでるしまぁいいか〜

 天職(ギフトジョブ)、それは人が成人すると同時に天から授かるもの。その人物の一生を左右する大事なもの。人はその天職に適した一生を送る。

 それとは別に職業(ジョブ)というのもある。これはその人の生きてきた履歴とも言える。経験したことから与えられる称号のようなもの。しかしその効果は確かで、例えば剣士の職業を持つものと持たざるもので勝負をすると基本的には職業を持つものが勝利する。

 しかし何事にも例外はある。それは天職だ。兵士の天職で剣士の職業を持つものと将軍の天職で槍術士の職業を持つもので剣術の勝負をしたらもちろん勝つのは後者だ。更に天職はどの職業を身に着けられるかを決める。

 それほどまでに天職とは大事なものだ。

 そんな世界でハローワークと言う訳のわからない天職を授かった俺、セインは人生積んだも同じだ。流石に教会のボケかけのジジイすら驚いて天に召されかけてたぐらいには聞いたことのない天職だ。

 天職はその授けられた本人にだけその詳細が分かる。そのため前例がない天職はその詳細を教会に全て報告する義務がある。

 そのため詳細を読んでいるのだが余計に意味がわからない、



  〜ハローワーク〜

·この天職を持つものは全ての職業を身につけることができる。

·他者の天職の詳細、身につけられる職業を知る事ができる。

·天職又は職業をを預かることができ、預かった転職は自身のものとして定着する。天職を預けたものは天職が無職となる。

·自身または預かった天職を天職が無職の者へと契約の元に貸すことができる。このとき貸した天職は一定の経験を積むとそのものへ定着する。貸した天職は任意で回収が可能。定着後もこの天職を所持するものから貸与した天職が消えることはない。

·自身または預かった職業を他者へと契約の元に貸すことができる。このとき貸した職業は一定の経験を積むとそのものへ定着する。貸した職業は任意で回収が可能。定着後もこの天職を所持するものから貸与した職業が消えることはない。

·天職の所持限界を無くす。



 ·····こんなの意味がわからなすぎるだろ。神からの授かりものである天職を扱う天職なんて下手したら教会に軟禁だぞ。

 どうする?適当に誤魔化してやり過ごすか?しかしな〜···


   コンコン


「あ、はい」

「失礼します、貴方が前例のない天職を授かったセイン様ですか?」


 そう言って入ってきたのは成人した俺より1つか2つほど上の16か17の少女であった。腰にまで届きそうな輝かんばかりの金髪をなびかせその蒼い双眼で俺を見ていた。この特徴を持つのは教会内にはただ一人しかいない、


「····まさか聖女様本人が来られるとは。驚きですね。」

「ふふ、あまり知られてはいませんが前例のない天職は聖女の天職を持つものが見極めるのが習わしなのです」


 聖女の天職を授かったマリア·デレ·セレンティア。神の遣いの名を持つ少女。しかし彼女か相手だと下手に嘘をつくのも得策ではないようだ。なぜなら、



 マリア·デレ·セレンティア

 天職:聖女

 適正職:回復術師、法術師、支援術師etc

 獲得職:回復術師、算術士、参謀、真偽鑑定管

 能力:真偽鑑定、回復魔法効果上昇(極大)、聖属性適正etc

 


 流石に真偽鑑定を持つもの相手に嘘は馬鹿すぎるからな。


「それでは貴方の天職について教えていただけますか。」 




 俺は自分の天職についてしっかりと詳細を話した。最初は半信半疑だったマリア様だったが、証明のために彼女の身につけた職業と能力を当て、契約の元に算術士の職業を預かったところ、ようやく信じてくれた。

 それからはマリア様が奮闘してくれたおかげで、教会内でそれなりに自由に天職や職業を預かったり授けたり充実した生活を送った。

 いまでは世界中に影響力を持つ教会の教皇にまでなり、聖女であったマリアを伴侶とし3人の子10人の孫にも恵まれかなり幸せに暮らせていると思う。

 そして今日は一番下の孫ユダが成人を迎え転職を授かる日。今までの子や孫たちには俺の天職、ハローワークを相続出来るほどの天職は無かった。この子でもだめなら他の者に受け継ぐことも考えなければならない。

 

 そんな心境で迎えたユダの天職は、


 ユダ·デレ·セティレディア

 天職:簒奪者

 適正職:全職

 能力:全適性開放、強奪、暗黒属性適正etc

 獲得職:なし



 〜簒奪者〜

·他者の天職を己のものとする。奪われたものは無職となる。この能力は生涯に一度しか使えない。

·他社の能力及び職業を己のものにする。

etc


 これはまた本人の思考次第な天職だなぁしかし一番ハローワークに適正がある天職でもある、どうするか・・・・ッ


「ユダ・・まさかお前が真っ先に能力を使った相手が俺とはな、優しい子に育ってくれたと思っていたがどうやら俺のことを少なからず疎ましく思っていたようだな、嘆かわしい」 

「・・・・っは、当たり前だろ、ただ天職が優れていたから今の地位を得たくせに偉そうに、天職だけが全てじゃないなんて、嫌味かよって話だろ?それにこれでお前も無職者、劣等人生だなぁ、これが知られたら大変だよなぁ」


 そうやってこちらに笑みを向かける孫を見て自分のあまりにも不甲斐ないことに憤りを隠せない。

 まぁその前に歪んだ孫を正せねばならない。


「気持ちよくなっているとこ申し訳ないが、俺の天職であるハローワークは天職を扱うだけあって他者からの干渉を一切受け付けないんだ。だからお前は一生に一度のアドバンテージを失ったわけだ」

「は?なんだよそれ負け惜しみなら早く撤回しろよその言葉、なんで俺の天職かまだ簒奪者のまんまなんだよ、ハローワークになってるはずだろ、おかしいだろ!!!???」

「まぁ安心しろよ、ユダ、その使いみちのない天職俺が預かってやるよ」

「はぁ?哀れみのつもりかやめろよそんなの早く処刑でも何でもしろよ」 

「まぁお前の行動は褒められたものではないが元々ハローワークはお前に相続するつもりだったんだ、それはかわんねぇよ」 

「は?ハローワークの相続?なんだよそれ聞いたことねぇぞ」 

「そりゃマリアにしか言ったことないからな。全職に適正を持つものにだけハローワークを貸し与えることができ、俺が死んだときに今までに俺が預かった天職も職業も全てその貸した相手に相続される。それが俺の天職、ハローワークの特異性でもある。生涯に一度しか使えないから出来れば身内に受け継いでほしかったからな、最後の最後でお前に受け継がせられそうで良かったよ」

「なんだよそれ、それじゃ俺が馬鹿みたいじゃないか」

「いいんだよ、まだまだ子供なんだから馬鹿で、お前がどんな天職でも俺がハローワークでどうにでもできたんだ、最初から気負はなくてよかったんだよ、まぁとにかく



お前に天職を貸してやるどうする受けるか?」

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