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54話 ぎゃ〜〜! 双子ちゃんだ〜〜!

 

 今回、出てきてくれたのは、青い髪をした小さな女の子だった。

 歳は10歳ぐらい。着ているのは、銀色と青の子供用の可愛らしい服。

 その子の髪は毛先だけ銀色になっていて、テトラの髪と似たような色合いになっていた。


「きゃあああ〜〜。小さい子、かわいい〜〜」


「く、くるしいです〜〜」


 テトラが抱きしめると、女の子が苦しそうな声を上げている。でもその顔は笑っていて、小さい手でテトラを抱きしめ返していた。

 そして俺の方にトテトテと歩いてくると、コテっと首を傾けた。


「ご主人様、です? それとも、パパ?」


「「パパ〜〜!」」


 テトラとコーネリスの声が、やまびこになってこだました。


 ……でも、確かに可愛いと思う。

 俺の服を、くいくいと引いてくる女の子。

 しゃがんで、目線を合わせると、小さい手で俺の腰をぎゅっと抱きしめてくれる。俺が抱っこすると、そのまま俺の胸にぐりぐりと頭をこすりつけ始める。


「パパの腕の中はとっても落ち着くのです〜」


 安心したように、そう呟く彼女。


「それで名前は何て言うのかな?」


「メモリーネっていうのです。だから、メモ!」


「メモ……か」


 可愛らしい名前だ。


「はい! ごしゅじんさまの腕輪の中にいた時から、ごしゅじんさまが無意識のうちにつけてくれたお名前なの」


 確かコーネリスの時もそうだったもんな。


「でも、もし自分が名乗りたい名前があるのなら、そっちでもいいんだよ」


「ううん、ごしゅじんさまが心の中でつけてくれたおなまえだから、こっちがいいの!」


「きゃ〜〜〜! いい子だ〜〜〜!」


 テトラがはしゃいだように、メモリーネの頭を優しく撫で続けていた。


「……なんだか私が出てきた時よりも、喜ばれていると思うんですけどぉ……」


 と、つまらなそうに、赤い髪の先を指でいじっているのはコーネリスだ。

 くるくると玩びながら、髪をつまんだりして、唇を尖らせている。


『コーネリスちゃんは、新しい子にやきもちを焼いて、いじけてるのね』


「べ、別に、そんなんじゃないんですけどぉ……。やきもちなんて焼いてないんですけどぉ……」


 頬を赤く染めているコーネリス。

 その姿を月光龍が可笑しそうに見守っていて、俺はそんなコーネリスの頭をそっと撫でた。


 とにかく、これでスキルは成功だ。

 無事に二人目の眷属が出てきてくれた。大人しそうで、無邪気そうな子。見ていると、柔らかい気持ちになってくる。



 そして、その時だった。



「あ、テオ! また腕輪が反応してるよ!?」


「それじゃあ、2連続!?」


 降臨の腕輪が、光を帯びていた。

 これが光っているということ。それすなわち、また眷属を増やせるということでーー。


「眷属の召喚は出来る時にやった方がいいんだよ!」


「そうね。眷属が出てくるのには、何かしら理由があるんだと思うわ」


「だったら、呼び出してみよう」


「「賛成!」」



 そしてーー



「わたしを降臨させたのは……あなたたちです……?」



「きゃ〜〜! また小さい女の子だ〜〜! メモちゃんとの、双子ちゃんだぁ〜〜!」


「「く、くるしいです〜〜」」


 出てきてくれたのは、黄色い髪をした小さな女の子だった。

 テトラははしゃいだ様子で、メモリーネとその子のことを抱っこするのだった。


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