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エデン・マキナ ~我らは機械仕掛けの楽園にて謳う~  作者: モッコム
第1章 楽園開場
35/62

起死回生

最近は調子がいいですね。

と言う訳でまた更新!

「うわぁ……」


空に美しい樹木が咲き誇る、その光景に感嘆の声を漏らす。

樹木のように広がった糸はやがて遠く伸びて行き、その枝を根下ろすが如く森へと落ちた……んだと思う。

いや、だって俺は地面に臥して動けないから全部は見えない、だから見えてる部分で予測するしかないんだよ。


「……それにしても。何しようとしてるんだ、イセットは……」


非常に綺麗でいい景色ではあるんだが、あんな大量に糸を使って何を……?

俺が心の中で疑問符を浮かべていた時に、制限なく伸びていた糸の樹木が突如として止まる。


イセットの腕が今度は内側に振るわれ交差する。

瞬間に迫り来る無数の敵意を『索敵』スキルで捉え激しく警鐘を鳴らす。


「な、何事!?」


反応に辿り空を見上げるとイセットの手の糸が高速で振り戻されている最中だった。

やがてそれも終わり糸の樹木の最先端にイセットの目前へ到達し……衝突した(・・・・)。

しかも辺り小規模の地震が起きたかと錯覚する程の、だ

それもそのはず、なんだって糸の樹木に引き摺って来たのは角兎、ゴブリン、けむくじゃら化物、鹿、亀、小さな昆虫……等な森の住民達で構成されし塊であったからだ。


「……すっご」


ここまでも驚き過ぎてそれしか言えなかったが、事態はそれで終わりではなかった。

衝突し粘着糸で一塊になった森の住民達を地に降ろしながら、イセットはちゃっかり糸で集めた葉っぱや果物バクバクと食っていた。

まぁ、あんだけ糸を出したからね、相当お腹が減ったのだろう。

俺を運び終えた後の食事も、木が一本丸禿になるじゃんないかと思うと程食ってたし……


十分ぐらいで体積の数倍はあった食料を食って満足したのか、いい笑顔で準備運動っぽいのを始める。

お腹が膨れてる様子もない……一体食べたものどこへ消えてるのだろうか?

新たな謎に唸っている間にイセットはまた指の甲殻内から糸を生成するが、今回は無造作に数を伸ばすのではなく、両手の指ごとに一本ずつ総10の糸を垂らす。

その糸に遠くからもわかる程膨大な量の『風魔法』を纏わせて、巨大な爪を振り下ろすように振り抜かれ……

音なく森の住民達をバラバラに切断した。

赤い肉塊の山と化し、森の住民達から血飛沫がパラパラと肉が転がり落ちる、屍山血河。


「ひぇ……」


流石にこれにはちょっと顔筋が引き摺って変な悲鳴が出たが俺は悪くないと思う。

そしてやり切った充足感に満ちた顔で俺の元に降りてくる返り血まみれのイセット。


「……はい、はいこっちおいで。今洗ったあげるから」

「……~♪」


『水魔法』の出現口を調節し、その水で気持ちよさそうにしてるイセットを見ながら思う。

……まぁ、こんな物騒でおっかないイセットでも、どこか可愛いと思ってしまう俺もかなり重症なのかもしれない。


水浴びで血を流し終えると暫くどこか虚空を見つめて何かを探して……いや、読んでいる素振りを見せる。

もしやメニュー画面を見てるのか? 普通にイセットも見れるんだな、今までスキルとか一人で取ってたから当たり前かもだけど。 

ってか、メニュー画面を見てる時に傍から見るとこう映るんだな……何をしてるか分からないと、ちょっと気味が悪いかもしれない。


「なにかスキルでも取るのか?」

(ッ!、ゴロゴロ~!)


俺がそう聞くとぴょんぴょんと2回飛び跳ねて宙でゴロゴロと回転する。

もう頷くだけでいいんだけどなぁ……ま、いっか本人も何処と無く楽しそうだし。

やっぱり回っていてこそイセットだ。


「どれどれステータスを……ってついの間に種族レベル13に……。あ、だからあんなに集めたのか」



_____________________


  名前『イセット』 性別『メス』 種族『虫精フェアリインセット


  種族レベル『13』 属性『無』 特性『甲殻、旋回、魔力体』


 《スキル》


『縦横無尽LV4』『剛柔兼備LV2』『風魔法LV8』『糸生成LV9』

『鎧術LV5』『増力LV5』『防御LV5』『操糸LV2』『忠心LV2』

『手当LV1』


《称号》


名有化物ネームドモンスター』『付き従う者』『唯一化物ユニークモンスター


_____________________


・『手当』


外傷等の体で正常ではない部分の具合が何となく分かる


また凄いのが出たな……SPが10掛かるのも無理ない。

どうやら、このスキルを取るSPを稼ぐため、あんな強引な方法で獲物(経験値)を引っ掻かき集めてたようだ。

確かにこれならイセットの指摘した場所を精査すれば、今の状態を抜け出せるかもしれない。

だが、そこで俺はイセットのステータスから1つ異常な点を見付けた。


「MPが……あんまり減っていない?」


嘘だろ、あんな大規模な魔法と『操糸』を同時行使したのに半分も減ってないぞ……。

俺のMPだとあんな規模、魔法だけですっからかんだ。


「うぐ……どういう事か、気にはなるけど。体を治す方が先決か……」


突然走った痛みに早く治さないと嫌なものを感じ、急ぎイセットの『手当』で容態を診てもらう。

俺の周辺を飛び回りながらあっちこっちを診る事を暫く続けていたかと思うと、下腹部に降りてそのあたりをペチペチと叩く。


「痛てて……。うぅ、こことここか……え、もっと奥の方? じゃあ内蔵か?」


……なるほど、通りで普通にやっても治り切らない訳だ。

魔法での回復って見えないところはどうして治り悪くなるんだよな、治すイメージがしずらいから。

この間までは口の中とかも切ると治すのに苦労してたし。

でも、今は違う『光魔法』を深くまで浸透させると一応内蔵の状態も確認出来るのだ……さっきまでグロいから意識して見ないようにしてるけど、それが悪かった訳だ。

今度はその辺りの内蔵をはっきり意識して傷口を探る……いた、これを治せばいいのか。

なんか自分が超音波診断機になった気分になりながらも治療を試みるが……。


「ぐぐぅ……。さ、さっきよりマシだけど……まだ、治りが悪い……」


何で、位置はあってるし治るイメージも出来るのに……あ、もしかして外部から魔法だから『抗魔』が影響してるとか? そうじゃくても外からだと単に効率が悪い可能性はある。

じゃあ『水魔法』で血液を介して内から……!


「ぐぁぁァー!? む、無茶苦茶、いてー……」


これは、内蔵の傷口を血液で干渉してるからか……ぐぅ。

痛みに耐えながらも内蔵を治していく。

が、最初こそ上手く治っていたが後になって程また治り遅くなって元の治療と戻る。


「これは……『光魔法』で見ながら『水魔法』で治せと……?」


また難儀なことを……『水魔法』と『風魔法』を同じ方向に同時発動するのと訳が違うってのに。

例えるなら両腕を同じ動作上げ万歳するのと、左手で手紙書いて右手でタイピングするくらい違う

それをあのお腹の中を洗濯されるような痛みの最中にやれと申すか?


「……」

「あ……」


降って湧いた難題に内心タラタラと愚痴を漏らしているとイセットの心配そうな顔が目に入る。

そうだ、イセットは俺のためにあんな無茶して貴重なSPまで使ってくれたじゃないか。

しっかりしろ俺! お前が今やるべきはぶーたら文句言うのではなく、ささっと起きてイセットに「大丈夫」って言うのこと、だけだ!


「ああ、もう! やってやるよ、そんぐらい!」


『光魔法』で傷口を探り、それを維持したまま『水魔法』で治療を開始。


「ぐあぁぁぁァ~~ッ!?」


血が沸騰してるのではと感じる痛みを腹の底から沸き起こり、魔力が乱れる。

頭ン中と腹底がぐちゃぐちゃだ……今に意識が飛び、そう……。


―― HP、60%


「……!」

「ッなめん、なーッッ!!」


視界をぼやける寸前もう泣面になっているイセットが一瞬だけ映り、血が出るほど歯を食いしばり喝を入れ直す。

治してるってのに逆に臓腑が弾け飛びそうなっても、脳神経を焼き尽くす覚悟でフル回転させて死ぬ気で魔法を維持する。


―― HP、70%


仮想の脳神経がショートし、意識の繋ぎ止めるのがさらに困難なるが、まだ維持する。


―― HP、80%


また意識がぼやける……後もう少し、気張れ……。


―― HP、90%


もう、残ったのは一絞りの……意地の気力で、それでも治す。


―― HP、95……6……7……8……9!

















――HP100%


「やって……やったぞ、クソタレが……」


《称号『起死回生リヴァイバー』を獲得しましまた》


……そのインフォメーションを最後に俺の意識は途絶えた。


・『名有化物ネームドモンスター

獲得条件:魔物、魔獣種が名前を得る

称号効果:一部の進化先に影響。

『付き従う者』

獲得条件:一定以上『親密度』があるモノと仲間もしくは仲魔状態で主従関係を結び配下となる。

称号効果:主のモノと共にいる際に経験値を共有。

唯一化物ユニークモンスター

獲得条件:全サーバーで一致する種族がない。

称号効果:獲得経験値が微量増加。

起死回生リヴァイバー

獲得条件:行動不能レベルの致死の傷か病を自力で治す。

称号効果:回復系スキルの効果に補正・極小。


職業系の称号の効果は職業適性スキルが補正・極小で全部同一。


(称号効果をあまり書いてないと思い出して慌てて後書きに書くだめ作者の図)

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