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エデン・マキナ ~我らは機械仕掛けの楽園にて謳う~  作者: モッコム
第1章 楽園開場
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キャラメイク

ダイブした空間は昔映像で見たプラネタリウムような星々が煌めく宇宙空間を再現したところのようで、俺はその虚空に漂っていた。


《ようこそワールドコネクションオンラインへ。まずあなたの名前と種族をお決めください》


暫くその景色に声も忘れ感嘆していると、抑揚のない機械の合成音声がダイブした俺を出迎えるように響く。

今時に返って珍しい……最近は本物の声帯と変わらない音声を作るなんて簡単だろうに。

これを手抜きと見るか何かの拘りと見るか意見が分かれそうだ。

まあ、そんなことよりやっとキャラメイクだ。

色々な書類作成と体に必要な処置……そして両親の葬式を終えるのに2週間も掛かってしまった。

でもこれでやっと……やっと俺は生まれ変われる。

そして……もう後戻りは出来ない。


さぁて、気分を切り替えて行こうか!いつまでしんみりしてもしょうがないしな。

まずは名前だったか? ふーむ、これは何にするべきか他のプレイヤーと違ってキャラの再作成は出来ない決まりだからな……慎重に決めないと。

確か今からダイブするゲームサーバーの名が『エデン・マキナ』だったよな…………安直かもしれないけどアダムにしてみるか?正直名前は分かりやすくってなんぼだと思うし。


《重複する名前が存在します。他の名前を入力してください》


あちゃ~既に取られたかぁ……まあ、有名な名前だしそりゃそうか。

むむ、どうするべきか……あ、そうだアダムとイブの息子の名前を前にチラッと見た覚えが……何だったかなぁ。

あ、あべ……アベル?……そうだ確かアベルって名前だったはずだ!

もう一人あった気もするけどそっちは何か嫌な記述が混ざってた気がするからアベルにしよう。

種族の方は亜人種とか魔物や動物など心惹かれるものが無数に並べてあったが選択するのは『人間族』だ。

人生の殆どを病院に居て実際の人の肉体すらもまともに体験出来てないのに異種族になるのは何だかなぁ……ってことで『人間族ヒューマン』にした。

それにここなら病院みたいな制限はないので本物の肉体を使うのと近い感覚を得ることが出来るというので、それだけでもかなり楽しみだ。


《種族『人間族』名前『アベル』を選択しました。本当によろしいですか?》


よし今度は重複なし、勿論イエスだ!


《それでは次にスキルをお決めください。初期スキルは5つまで選択可能です》


次はスキルか確か、魔法スキルかそれに類似する操作をするスキルは必ず一つ以上取れってのも契約条件に入ってたよな。

逆にそれ以外は自由に選んでいいと言われてたけど……スキルめちゃ多いな。

スクロールが真下に振り切る行くまで10秒は掛かったぞ。

一応検索機能はあるみたいだけどそれでもはっきりとした方針がないと相当時間掛かりそうだ。

まぁ、俺は欲しいスキルの方向性は既に考えてあるけどな。

接続までの待機時間が結構長かったので時間はたっぷりとあった、その間に色々とスキル構成を考えるのはいい暇つぶしになったものだ。


えーと検索で歩行を入力っと。

どれどれ……お、丁度いいのがあった!それじゃ『走行』スキル選択して。

『走行』を選んだ理由は久し振りにただ思いっ切り走りたい、それだけ。

いや、病院の仮想空間でも運動はしてたけどペースと運動量が決められていたから、そこからの開放感を直に感じたいのだ。

次は必須となってる魔法を検索して……あれ?何か灰色に染まったのがあってそれは選択出来ないみたい何だけどこれは?

……ま、別にいいか選ぶ魔法も既に決まっているし今更変える気もない。

そんじゃサクサクと『風魔法』『水魔法』『光魔法』選択!


火や土を選ばなかったのはまだトラウマが残っているから……未だに地震により起きた山崩れに飲まれる人の姿と突如起きた爆炎に包まれた記憶がちらつく。

これで至近距離で土や火の暴力を目にしたら最悪パニック状態になる恐れがある。

『光魔法』は火を使えないので明かりを灯す手段確保のため。

因みに『闇魔法』はここでは光があると選択出来ない仕様らしく黒かったも文字が今は灰色になっている。

『闇魔法』を取得するためにはレベルを上げてSP溜めてから交換しないといけない。


それじゃ最後に武器を検索してみる……があんまりぐっとくるものがない。

1つも物理攻撃手段がないのは不味いかと武器系統をってのは決めてたけど、明確に何を使うかがなかなか選べないんだよな~。

武術なんて映像越しにしか見たことないし暴力的なこととは無縁だったからどれも一緒と言えばそうなんだけど、これだけ種類があるとやっぱり悩む。

やっぱりオーソドックスに剣かな?いやでも剣って結構扱い難しいって聞くしな……。

初心者にも……いや下手するとそれすら下回る俺にも扱えるもの……ん?『素手』ってのがあるけどこれも武器なのか?

確か詳細確認も出来たはずだから思考操作で表示をっと。

ふむふむ、手で与えるダメージ増幅と腕の操作補正とな?まともな武器なんて使ったことはないが手と腕くらいなら病院の仮想空間でも使えた。

よく知りもせず直接見たこともない道具をよりはましかもしれない。

よし、武器系統は『素手』で決まり!これ以上他ので悩んでも時間の無駄にしかならなそうだしな。


《初期スキル『走行』『風魔法』『水魔法』『光魔法』『素手』を選択しました。本当によろしいですか?》


勿論イエスで。


《最後にあなたが降り立つ星をお選びください》


やっとここか。

この星っていうのはワールドコネクションオンライン……略してWCOでのサーバーを指す言葉だ。

で、何故他のゲームでならキャラメイク前にやるはずのサーバー選択を今するのか?

それはWCOというゲーム最大の特徴である数多な惑星を繋いで形成された世界って舞台設定に起因する。

WCOは星という名の100個以上のサーバーが存在しそれをあるゲーム内オブジェクトを通してその他の星と交流しながら攻略していくファンタジーとSF要素がまじったゲームだそうだ。

魔法を主体にしてるとこもあれば銃火器ぽいのを主に使用するサーバーもあるとか。

実はファンタジーもSFも良く分かってなかったりするので今からちょっと不安でもあり、楽しみでもある。


まぁ、俺達被験者がいく星は決められている上に当分は実験の都合上で一部機能がロックされていると聞いたから今はあまり関係ないけど……。

前置きが長くなったがいい加減終わらせたいしさっさと選びますか!


《楽星『エデン・マキナ』を選びました。本当によろしいですか?》


イエス!


《キャラメイクが完了しました。それではあなたに遍く星々の加護があらんことを》


そのインフォと共に視界が歪み景色が変わって行く。

ちょっと酔いそうなエフェクトだな~、と思いながらはっきりと変わった景色を見渡すとそこは木々が鬱蒼の生え茂った森の中なのがわかった。


「おお、凄いリアル……何だよな?現実世界にいたのがもう10年以上も前だから五感システム制限が緩くなった以外の差が分からん」


自分のアバターも見てみたが病院よりは少し精密になったか程度でそこまで変化が感じられない。

因みに俺の今の姿は病院で使っていた元の体を成長シミュレートさせた18歳くらいのありふれた日本人顔の男子のままだ。

かなりリアリティー重視のゲームで五感システムも法律違反ぎりぎり、そのせいでR18判定食らた程だったとの話だからきっと凄くリアルなのだろう……多分。


「でも……すぅーっ、はぁ~。空気が爽やかだ! 病院の微弱な五感システムでは味わえないこの感覚、悪くない。……そうだ」


ちょっとそこの芝生に寝転がって……おお、柔らかい土と少しちくっとした草の感触が何とも……これはなかなか新鮮な気持ちだ。

ここにもリミッターがあるから本当の体と同じ感覚という訳じゃないけどそれでも”何かを”少しだけ取り戻せたって気がする。

そのまま10分程の転がったり、花の香を嗅いだり、ぼーと空を見上げていたその時。


「ブヒイィィィィィ――――!!」


いったいどこから現れたのか真っ黒な巨大猪が咆哮を嘶かせながら突進してきた。

マジでデカイ!縦幅だけでも俺の身長の倍はあるだろあれ!?って逃げなきゃ、走って……あ、転んだ。


「んなッ!?ちょっと、ま――」


グシャッ!


懇願虚しく巨大猪に頭蓋骨を砕かれ俺はこのゲームで初の死を体験することとなった。

作者の力になるよう酷評でもいいので評価ポイントを押していたたければと!


ボタンこの下だから忘れないでね? ↓

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