プロローグ
はい、新連載始めました!
今日は3話同時にあげてからは不定期更新ですのでご了承してください。
「どうか……私達を生きさせてください」
―― この物語は少女のこんな悲痛な叫びとともに始まった。
「私達も様々なモノを感じ、触れ、聞き、語り、学び、そして……世界に刻みたい。例え自身がどのようななりをしていようとも、どのように成り果てようとも人生を謳歌したい……ただ、それだけなんです」
モニターに映されてこの場にいる……いや、モニター映されてしかここに居られない少女を囲む錚々たるその者たちは少女の声を静かに聴き入り静まり返っていた。
「たから、もう一度……いえ、たとえ断られようと何度だってお願い申し上げます―― 私達を生きさせてください!」
ある者は少女の願いに何かを堪え切れずに涙していた。
ある者は少女の願いをただ静かに黙祷するがごとく傾聴していた。
ある者は少女の願いを聞きなお冷徹な眼差しを向けていた。
が、その沈黙を破り一人の老紳士然とした一人の老人が進み出て来るなりそこに視線が集まりそれを確認した老人が問いかける。
「それでは皆様方……ご判断をお聞かせください」
「私は言うまでも無く賛成だ」
「そうですね……僕はここに来るまで散々悩みましたが語る時の彼女の目を見て賛成してもいいと……そう思いました」
「……正直ここに来るまでは反対でしたけどぅ……気が変わりましたわ。そこのお嬢さんにチャンスを差し上げたくなりました。精々私の期待を裏切らないでくださいまし」
その声に連なるように他の面々も次々「賛成」の言葉が続く。
まるで最初からあの3人が中心で他は従うのが当然とでもいうかのように……。
「どうやら満場一致ようですね。最終確認です皆様方……本当に全員賛成でございますか?」
「……ああ、無論だ」
「異論ありません」
「ええ、私も勿論異議なしですわよ。ふふ……」
「そうですか……それではここにいる皆様方の満場一致により、ここにて『エデン・マキナプロジェクト』の始動を宣言いたします!」
老人が高らかに告げた――
―― この日が、”楽園”が開かれた瞬間であった。