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1話

登場人物

田河祐司(たがわゆうじ)

・主人公。

・男

・高一

・168センチ


大崎先輩

大崎正樹(おおさきまさき)

・男

・高二

・189センチ


謎の人

・謎

十二月三十日 早朝


 僕は部活の先輩が見つけた神社に一人で来ていた。パンパンに膨れた大きな鞄を背負って、である。 


「ここの修理しろってか。まったく、大崎先輩無理言いやがるよ・・・・・・これ、一人じゃできねぇだろ」


 後ろを見れば色が剥げている鳥居、右を見れば屋根が崩れ落ちた手水舎、左には何かよくわからない建物の残骸、前には半壊しているが見える。


「絶望ってこんなことを言うのかな?」


 そんなことを言いつつ僕は鞄の中から小さな鎌を取り出し、参道を覆っている雑草を刈り始める。少しでも進めとかないと明日に長引きそうだし・・・


「第一、このままじゃ神様に失礼だよな? 誰が祀られてるのか知らないけどさ」


 さて、文化部所属の僕の体はどれくらい使えるかな?



─一時間後─


「も、もう無理だぁ! 腰がメキメキ言ってる!」


 僕は比較的損傷が激しくなかった境内にあったベンチに寝転び、休憩をしていた。

 十分ほど前、鳥居から手水舎までの参道の上の雑草を全て刈り取ったところで僕の腰が、限界に到達した。

 幅が二メートルくらいの参道を三メートルくらい刈り取った。残りは十メートルくらいだ。


「単純に考えたらあと三時間と少しで終わるけど草刈りだけの話だし、まず体力がもうヤバイし・・・」


 体力のない僕がこんなことをしているのは部活動のためである。僕の所属している「地域振興協力部」は色んな町の人たちの手伝いをする部活なのだ。

 校外活動がメインで今までに夏祭りの屋台の設営の手伝いや、迷子の飼い犬の捜索、宅配の手伝いなど本当にたくさんのことをやって来た。

 もちろんその中にも清掃活動や、簡単な修理はあったが、ここまで大変なものは今までになかった。


「大崎先輩、よくこんなの見つけてきたな・・・」


 大崎先輩、「地域振興協力部」部長で二年生の男子生徒だ。

 ラグビー部にいても違和感がないくらいの巨漢なのだが運動はあまり出来ないということや、逆に裁縫とか手先の器用なことが得意ということで物凄い変わり者として有名な人である。

 因みに大崎先輩は今、別の神社の清掃活動をしているらしい。


・・・


「日がくれる前には帰りたいし再開するか」


 既に筋肉痛の兆候のある体にムチを打ちながら僕は立ち上がった。

 さあ、やるか・・・



─九時間後─


「お、終わった~!」


 予想以上に時間がかかったものの、なんとか草刈りが終わった。参道の草刈りと、半壊した拝殿の片付けくらいしかしてないんだけどなぁ・・・


「うわ、もう真っ暗じゃん! テント出さないとあかんかな」


 鞄から一人用のテントの部品を取り出して組み立てていき、ものの五分ほどで完成した。

 腕時計を付け忘れたから時間はわからないけど、そんなに遅い時間ではないとは思う。


「でもまあ、眠いし寝よう!」


 テントの中に大崎先輩が、貸してくれた大きめの寝袋を広げてそのなかに入り僕は眠りについた。

 そんなこんなで今日が終わる。明日は全身筋肉痛なんだろうな・・・




────────


 あれからどれくらい経ったのだろうか。少し明るくなってきているところを見るともう朝なのだろう。

 先輩の用意してくれた寝袋のお陰でそこまで寒くはなかった。が、


「痛たた・・・」


 テントの設置場所がよくなかったのか体の隅々が痛む。テントの置ける開けた場所が特になかったから拝殿のとなりの砂利の上に建てたのがやっぱりまずかったのだろう。


「それに、なんか寝袋が窮屈になってるし」


 昨日は大分余裕があったはずなんだけれど──っ?


「え!?」


 寝袋の中を覗くとそこには女の子がいた。顔はよく見えないが、身長的にだいたい同い年くらいだろう。

 朝起きたら隣に女の子がいるということは一般的な男子高校生である僕からしてはとても嬉しいことなのだけれど、ただそれだけでは済まないのが現実である。

 この女の子が僕の知り合いまたは知っている人ならばまだ、状況は良かったかもしれない。だが、今の状況は良くない。この女の子とは全くの初対面なのだから。


・・・こんなときはどうするのが正解なのだろうか。素直に起こして尋ねるか? バレないようにこっそり抜け出して逃げるか? 知らないフリしてこのまま眠り続けるか? それとも─



「ん、んん~~ん」

「!?」


 突然、寝袋の中から声がした。まさか、起きたか?


色々と変なところもあるとは思いますが、ひとまずこんな感じで書いていきたいと思います。

よろしくお願いします。

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