おばさんが男を買おうとしたら逆に購入された。
懲りずにおばあさんを苛めるシリーズです。誰得か分からないので取り合えずお試しです。
私、西条 時子 は現在40代後半…四捨五入すると50のおばさんである。
20数年前に結婚してすぐに男女一人ずつもうけ、それなりに幸せに暮らしてきたが子供たちは自立し、夫には先立たれてしまったので一人暮らしを余儀なくされている。
「はぁ…寂しい」
息子は未だにママッ子だけど、その嫁は私の事が大嫌いらしく同居はあり得ないだろうし私だって嫁と息子の仲を悪くするつもりはない。
娘も私の事が大好きだが遠い所に嫁に行ってしまって距離的に滅多に実家に帰っては来ない。
遺産と年金があるし子供二人は幸せそうで孫もいるが…それでも寂しさというのは出てしまう。
「何かないかしら…」
そう思いながら最近買い換えたスマホをいじって色々と検索をする。
するとふと、一つのワードに目がいった。
《女はもちろん男も買える町!!》
「男も買える…町?」
タップして詳しく観てみると、それはいわゆる色町というところで、そこでは女性は勿論男性も買えるらしい。
やりかたは適当に声をかけて値段をいう等様々であるらしい。
「…ムム」
男を買うか…確かに人寂しいし、もう旦那がいないし添い寝でも金を払えばいいというのもあるし…。
「ふむ…行ってみよう」
私では男を買えることすら無理かもしれんが、見てみるだけでもいってみよう。
何か新しい世界が広がるかもしれないと思って私は精一杯のおしゃれをしれから家を出た。
誰か私をぶん殴ってください。
本当にごめんなさい。寂しさから頭が可笑しくなっていたんです。
なんて思っていてももう遅い。目の前の光景は変わらないのだ。
「おばさーん3万でどうっすか?」
「ねぇねぇ、4万でどう?ねえ!」
「5万5万でどうだ!」
目の前にはおばさんだと思って足元を見て、高く自分を売ろうとする青年たちがいる。
色町に出てきたのはいいが青年たちに追いかけ回され、逃げているうちに隅に追いやられたせいで逃げることが出来なくなったのだ。
「すみません…どいて下さい」
そういって隙間を通り抜けようとしたら腕を捕まれて壁に押し付けられた。
「いやいや~ここに来といてそれはないでしょ~?俺、結構イケメンだと思うんすけど」
「俺、結構おばさん好きなんだよね~ね?3万でどう?ん?」
おばさんだと思って足元を見て…!けど、こんなおばさんなら確かに3万も払わなければこういう若い子には会えないのかもしれない。
うぅーん…でも…。
「私…その、年金生活で…結構生活費がカツカツで…」
3万はキツいな~…なんて目で訴えてみると青年は…。
「じゃあ5万!!」
値上げしやがった!!
あぁ、無情…コレがおばさんへの対応か。そんなに払わないとダメなのか…
「ちょ、ちょっと待ってね」
もつれそうになりながらも鞄を開いて財布を取り出そうとしたとき…。
「こんな所で商売をするな」
「グワッ!」
青年を蹴り飛ばす男が現れた。
先程まで金額を提示していた青年は見事に吹っ飛ばされ、それをみていた他の青年たちも顔を真っ青にした。
「やっべ、タイガだ…」
「ごめんね、おばさん…じゃあね」
蜘蛛の子を散らすように彼等は立ち去り、後に残ったのは私と男性だ。
タイガと呼ばれた男性は20代後半ぐらいの息子と同い年程度に見え、金の短髪で唇と耳にピアスを開けて首にタトゥーのある…『その筋』っぽい系の人だった。
タイガくん(勝手に命名)はチラリと私を見てチッ…と舌打ちをした。
「ババアが…キモいんだよ」
そういって、彼は苛立たしげに何処かへといくのを私が勢いで止めた。
「ねえ!!5万でどう!?」
「はあ!?」
思いっきり引かれた。そりゃそうである。
勢いとヤケクソで言ってみたはいいが、冷静に考えれば50間近のババアになんぞ体は売りたくないだろう。
「あ…その、ダメよね…ごめんなさい」
すぐに前言を撤回して立ち去ろうとしたとき、肩を捕まれた。
「待てババア」
怖い表情をしたタイガくんがこの世の終わりを告げるような声でいった。
「いいぞ、5万だな」
今日、私の命日だったりするのだろうか。
翌日の朝
「うぅ…痛い…体が痛い…」
ギシギシと身体中変な音が鳴り響いている。
こんな筈じゃ無かったんだ。
私はただ添い寝がしたかっただけなのに、いつのまにか『そういうこと』になり、必死でもがいてベッドの外へと出ようとしたら《何今さらカトママぶってんだ》って引き摺り込まれ…。
やめよう。これ以上喋ったらR15に行ってしまう。
取り合えずは起き上がろうと痛む腰をどうにか庇って起き上がろうとした。
「ウゼェ…」
ガシッ!
「グェッ…!」
筋肉質な腕にガッツリホールドされてしまった。
ギチギチと容赦ない筋肉が初老の体を苛める。
「ろ、老人は労りなさい」
「うっせぇよ色ボケババア」
そういって彼はまた私をベッドの中に引きずり込もうとして…。
「待って」
私は引きずろうとするタイガくんの顔を無理矢理こちらに向けさせた。
タイガくんは驚いた顔でこっちを見る。
「な…んだよ」
「クマが酷いわ…ちゃんと寝てる?」
思わず心配してしまった。
まだ20代の若い人なのに目の下のクマがあまりにも酷くて心配になった。
「…少なくとも昨日は酷く眠れた。それより、今から…」
「ちょっとまっててね。確かバッグに…」
素っ裸でバッグを置いた場所に行って中をガサゴソと漁ると、何とか目当ての物は見つかった。
またタイガくんのベッドへと戻る。
「はい、こんなのしか無いけど黒飴よ」
「は?へ?」
「はい、あーん」
「あ?あー…んぐ…」
素直にモグモグと飴を舐めるタイガくん。
あー…本当に息子や娘を思い出すな。あの子たちが疲れていたら、よく黒飴を食べさせたわ…。
「美味しい?」
「う…ん」
飴をコロコロ食べながらコクコクと頷く姿があまりにも可愛くて、よしよしと頭を撫でてしまう。
「そうそう、私は仕事はないけど…タイガくんはどうなの?」
「…11時から」
現在、10時40分
「そう、じゃあもう出ないとね」
そういってテキパキとタイガくんに服を着させる。
思いの外に大人しくされるがままにされてくれるのですんなりと服を着せさせられた。
「はい!出来た」
「あ…うん」
呆然と服を着せられたままに彼はポーっとしていた。
しかし直ぐにハッと思い出したように財布を取り出して中から万札を何枚か取り出した。
「そうだ!!金…5万でいいか?」
そういって彼が私にグイグイと渡してくるので思わず条件反射で受け取ってしま……いやいやいや!
「いや、その…」
私が君を買おうとしていたんだけど…。
と、言う前に彼がズイッと顔を近づけ、私の両手を熊みたいなデカイ両手で握って真剣にいった。
「どんな事情があるのかはしらないが、その年齢でもう誰かに体を売ろうとするな!俺だけにしておけ…ちゃんと金は出す」
いや、買おうとしたんですよ?
ってか、その年齢と言いますけど50間近の私を抱き潰してたのは君です。見てください、股から白…いえや止めとこう。
「はぁ…はい」
曖昧に返事をすれば、彼は満足げに笑って私の頭を撫でたのだった。
ちなみに一週間後に私の体は使い物にならなくなるぐらい抱き壊されるのだが…それはまた別の話である。
最近、年増というジャンルに嵌まってます。18禁書くと本気で誰も見てくれなさそうなのでここに書きます。