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▽前座『麻夜の想い』〓挿絵有〓
私には、正しいということが、本当は分かりません。
でもあなた達を見て、それが分かり始めた気がします。
あなた達のそれが、きっと正しいということなのだと。
それを教えてくれたあなた達に、私は尽くします。
あなた達に降り注ぐ火の粉の盾になりましょう。
私が傷つくことより、あなた達を失うことの方が、ずっと辛いから。
もう、未来を失いたくないから。
過去に執着することはもうやめました。
私はあなた達から、未来を貰った。
だから私も、あなた達の未来のために奮闘いたしましょう。
どうかこの地獄が終わる日まで、共に時を過ごしましょう。
私はそのために生まれたようなものなのだから。
私の存在価値はそこにしかないから。
だけど、あなた達の出す答えは違う気がします。
あなた達は今まで通り接してくれるのでしょうね。
そんな日が来たら、私に明日を教えてください。
そんな日がきっと来ます──私はあなた達の起こす奇跡を、ただ見守りましょう。




