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▽前座『文の想い』〓挿絵有〓
君には少し危うい部分があるって、実は前から思ってた。
どこか闇に惹かれてしまうような、そんな危うさが。
君はいつもどこかで、自分の事を弱いと思ってる。
だけど本当は、そんなことは無いんだと、私は思う。
正義の味方になれだなんて言わない。
けど、君に悪役は似合わない。
だからどうか、忘れないで。
君の勇気には、きっと意味があることを。
君には優しい部分が沢山あるって、初めて会った時から思ってた。
誰かの心を溶かしてあげられるような、そんな優しさが。
君はいつもどこかで、優しさなんて損なだけだと思ってる。
だけど本当は、そんなことは無いんだと、私は思う。
もしかしたら本当は、人生自体に意味なんて、無いのかもしれない。
でも君が迷ったら、私があなたの生きる理由になる。
だからいつまでも、覚えていて。
君の存在には、確かに意味があるということを。
代わりなんて、この世に一人も居ないということを。




