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粉雪   作者: 若葉 美咲
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エピローグ


 空がいなくなってから数年目の冬がやってきた。オレはまだこの村にいる。

 見慣れたはずの神社は急に古くなったように見える。雑草は生え放題で抜く者もいなければ、ほこりが溜まっても掃除する人すらいない。

 オレ達は皆、後悔に苦しめられた。現実と向き合えなかった人も大勢いる。というか、そっちの方が多い。だって、許しを与えてくれなければばらない人はとっくにこの世にいないから。空は許してくれずに死んだから。


 現実はさらにオレ達にのしかかってきた。

 空がどっちにしろ死んでしまう運命だったことをオレらは後々知らされた。そう、空が死んで間もない日に。都会から、空の知り合いだという医者がわざわざ足を運んでくれた。

 何だか理由が分かっていないオレ達に全てを話してくれた。空がどんな症状だったのか。空に本当に必要だった物をこの村は与えることができなかった。いや、空に与えたものは苦しみだけでほかには何もあげられていない。


 一人、また一人と村から人が消えていく。真実に向き合えずに逃げ出した。この村から。真実はあまりに辛くて脳にこびり付いた。

 今更、空の表情を思い出す。あの笑顔が空の心を守るよろいだった。最後の最後で鎧を外してしまった俺は、一時期、立ち直れなかった。


 空の両親はやりきれなくなって仕事ばかりして……この地で眠りについた。永い永い眠りに。

 最近まで雲井 月も、守護三大家も緑間の兄弟も居たんだぜ? でもな、やっぱり家族に連れられてこの村を出て行ったよ。皆、皆、出て行っちまった。この村から、な。

 この村は呪われてんだ。呪われていたんだ。妖狐だけじゃ、抑えきれないほどの呪いがあったんだ。人が作り出してしまった呪いが。

 六華村はもう、存在しない。空が命を懸けて浄化したからな。


 だから、なあ? もういいだろう?

 オレもそっちに逝くよ、空。だいぶ遅くなったけど空が過ごした六華村の最後を見届けた。


 空から雪、つまり六花が舞い落ちてくる。全てを白で覆い尽くす華が。

 鎖を体に巻いていく。この先はずっと一緒だ。もう、一人で寒い想いなんてさせないから。

 空がそこに沈んで浮かび上がれないと言うのならオレがそこまで沈むから。






「愛してるよ、空」




初めましてお久しぶりです。若葉 美咲です。

初めてのパソコン投稿でした。意外にパソコンって使いに難くて苦戦させられました。


今回のお題は『人の心』です。

心ってのは人によって、簡単に傷ついてしまうもの。

簡単に憎しみ、黒くなるもの。

でも、気高く、美しい物だと思います。

今回はそんな雰囲気が出せてることを祈って、後書きさせて頂きます。


最後になりましたが読んでくださってありがとうございます。

精一杯の感謝と幸せを。

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