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粉雪   作者: 若葉 美咲
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19話 友達と体力と

投稿するところを間違えました。すいません。

 学校へ行く。なのも変わらない毎日。

 いつもと同じように下駄箱を開け、いつもと同じように上履きを綺麗にするところから始まる、学校生活。イジメられるのにも慣れてきた。無視も暴力も全然気にならない。蚊みたいな虫がボクの上で鳴いているみたいだ。本当にそんくらいにしか感じられなくなってきた。それが当たり前で、他が考えられないくらいに体が慣れてきた。

 気持ちの方は不安定になっているけど。


 一番早く教室につく。机を綺麗にする。今日は先生からのコメントまである。添え恐ろしい。学校がイジメを許してるじゃないか。わー、スゴイスゴイ。ヨク、デキマシター。

 退屈。いつもの繰り返し。決められたように動いているかのようにキミ達が仕掛けてくるのはいつも同じ。よく飽きないもんだ。ボクが先に飽きちゃったよ。

 いつもと同じように綺麗にし終わった机で本を広げる。本だけが変わる。でも、本は何であろうと変化をもたらしてはくれない。変わるのはボクの心情だけ。周りはそんなこと気にもしない。ボクなんかには興味がないから。興味があるのはイジメだけ。

 

 それでもボクは自分を保つために本を読む。

 自分の感情を無理にでも働かせるために。このままボクが何も感じなくなるのは簡単だ。でも、感情を閉ざすということは心を殺すことをさす。つまり、ボクはボクではなくただの抜け殻になってしまうということだ。抜け殻ではだめなんだ。大事なことを見落とすから。


 肩をつつかれた。

 たまに二人きりになると雲井くもい つきはボクをかまってくれる。別に構ってくれと言った訳ではないが助かっている。おかげで村でのボクの評価が見えてくるからだ。彼女はボクに情報をもたらしてくれる。いわばボクにとってはアンテナのような友人だ。


 月はボクに興味があるらしいけど。月は医者の娘だ。彼女はボクと同じように都会からやって来た。どうしてボクが大切にされていたのか、どうしてボクがいまイジメられているのかなど、とにかくボクに興味があるらしい。徹底的にボクを調べている。

 他人に流されず自分で判断しようとする子は好きだ。ボクが友達を作るなら間違いなく月みたいな人を選ぶ。信頼できる仲間とはこういう物だと思う。根拠もないのに周りの意見に流されるようなやつを友達に迎えたくない。ちゃんと理由や真実を知ろうとする人は安心できる。

 だからと言って、ボクはまだ月を信じ切れていない。悲しいことに。

 ただ、ボクはこのところ学校生活の大半を月と過ごしている。


 ボクはこれからどうしよう?

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