12話 偏見
神社の鳥居をくぐる。
かなり眩しい。春にしてはあったかい。
「チース」
「よう。俺様が来てやったぜ」
「神崎先輩、おはようごぞいます」
うわ。なにこれ? こいつらに囲まれて学校に登校すんの? 嫌だ。今すぐ帰りたいわ。そろいもそろっているじゃないか。龍牙も鬼次も巳高も皆、私を守れと言われてるから嫌だけど来てるんでしょうに。
よし。ここはあえて無視しよう。嫌なんだから。これで気づくはず。
「あ、おい! 」
鬼次め。何追いかけてるんだよ。可笑しいだろう? 普通気づくよ。嫌がってるて。それとも、ボクの意志は関係ないという現れですか? どっちにしろ苦痛でしかないわ。
おい、何も道に転がっている空き缶までどけなくていいよ。巳高は端々にまでよく気が付くようだけどいちいちうざい。ボクは守ってほしいなんて一言も言っていない。キミらだってボクのお祖母さんに言われてやってるんだよね。ボクはキミらのことなんか一ミリたりとも信じてないから一緒にいること事態疲れるのに。
「ねえ、守ってくれるのに悪いんだけど、守らなくていいよ。疲れるでしょう? 」
断らなきゃ気づかないなら、断ってやる。そして、気が付いて後悔すればいいんだ。だってそうでしょう? ボクに嫌なことするならそれ相応の覚悟があるんだよね? キミ達。
「は? 俺様が邪魔って言いたいのか? 」
本当に分からないのかな? ちょっとも分からないって言いたいの? 鬼次、ボクははっきり言わなきゃいけないらしいね。
「あのね、すごく目立つし大丈夫だよって」
これでも優しい言い方にしたつもりだ。
桜の花びらが舞った。視界を薄ピンクがうめつくした。
「なんだよ、それ!? こっちだって好きでそんなことしているわけじゃねえよ!! もう知らねえ、消えちまえ! 」
何それ?
ああ、もしかしてそうしたらボクがすがりつくとでも思ったのかな? いやあ実に単純思考でうけるよ。
ボクは長い髪の毛を後ろに払うと歩きだした。驚いている鬼次の顔最高だよ。あははは。
ん? 何で巳高は笑っているんだ? あいつだけは気を付けないと。中三のくせに頭が回って怖い。
あいつは何かをしようとしている。なにかが分からない以上うかつに手は出さないほうがいいと思うけど…。面倒だな。あいつの化けの皮を剥ぐのも結構大変そうだ。
自分から敵を作りすぎなのは分かっている。でも、ボクが正常になることなんてできないんだよ、もう。純粋に育つことをこの村は許してくれなかったんだよ。もし、もしも、ボクが変わることを許してくれるなら、ボクは親と暮らしたい。優しいお祖母さんとお祖父さんをお祖母ちゃん、お祖父ちゃんって呼んでみたい。それから友達に囲まれて…。
バカな話だ。無理なことを願うな。ボクはこのままだ。ずっと変わらない。変われないんじゃ、無い。




