表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぼく  作者: クルトン
2/12

街でぼくの張り紙を見つけた

ぼくは人質らしい


街でぼくの顔の張り紙を見つけた


この顔を見たら通報してくださいと書いてある


通報するのはいいけど、どこに通報するのかを書いてないところがなんとも言えない気がする。


その紙をじっと見ていたら、「誘拐犯」が来ていたらしい


その雰囲気からして絶対にやにやしている


だらしない顔してるとモテないと言ったら殴られた


この間の通りすがりの主婦の受け売りは不評だったようだ。


「誘拐犯」とぼくはいつも一緒にいる


ぼくは「誘拐犯」の顔を知らない


実は性別も知らない


声も男だか女だかわからない


わからないのはぼくの経験不足かもしれないが、とにかくわからない


じつのところ、ぼくには「誘拐犯」の顔も性別もどうでもいいのだった


ということを「誘拐犯」に言ったら、わざわざ指さされて変人と言われた


誘拐犯と変人か。


その組み合わせもなかなか面白い気がする。


ぼくと「誘拐犯」は色んな家に住んだり、宿に泊まったり、旅をしたり、暮らし方には枚挙に暇がない


ぼくは「誘拐犯」がまともに働いているところをあまり見たことがないけど、あの仮面をしたまま働けるところがあんまりないかららしい


外せばいいのに、と言ったら、誘拐犯としての常識がなんとかかんとか続きそうだったのでセクハラをして黙らせた


宿の女将さんが話してた方法だけど、きっかり5秒停止してから鶏が締め上げられるような悲痛な声を上げて部屋から飛び出していったから、効果は絶大らしい


仮面越しに口付けただけなのに。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ