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チョコレート戦争事件

「あぁ!待って!ストップ!ウェイト!」

「おぉ!魔王様もやる気満々ではないか!自分が導くということか!」

この鱗の人話聞かないんだけど。


「いやそうじゃなくて戦争は止めてって言ったの!私そんなこと望んでない!」

「なに!?そうなのか?しかしゴブリン突撃隊がすでに出発をしたぞ」

ご…え?なに?

「人族の村を滅ぼすとすぐに転移を」


ダメだ!絶対これダメな奴だ!どうしよう、人殺しなんて…。

っていうかなんで私こんなこと…夢なら早く覚めてほしい。


「お願い!ゴブリンたちを止められない?」

私の一言のせいで人が死ぬなんてこと絶対あっちゃいけない!

「わたくしがいくつかの集落を知っております」

そう言ってフードの男が顔をあげる。

「知ってるの!?お願い!ってうわあぁ!骸骨だ!!」

怖!骸骨!骸骨がしゃべってる。

こいつ絶対悪役だ!

「あの…」

「うぇ!?来ないで!」

「わたくし、怖いでしょうか…」

骸骨の人がうつむく。

あれ?普通に傷ついてる?いい人か?


いや、じゃなくて!

「とにかく!お願い!今すぐ止めて!!」


その瞬間、腕についてあった腕輪が急に光りだす。

「え、なに?光っ」

「うぐ!」

「ぐあぁ!」

私を除いたその場にいる全員が苦しみだし悶えている。

「う…その腕輪は覇王の腕輪。我々の王である…証です。お気に触れたなら謝りましょう。申し訳ありません」

「えっこれどうすれば!」

「感情を…静めていただければ。…ぐっ!」

植物を巻きつけている人がこちらに向かって言う。

相当苦しいようだ。

わからないけどとりあえず激高したからこうなったっぽい。

「し、深呼吸、だ!すぅー、はぁー、すぅー、はぁ!」


そしてゆっくりと腕輪の光が失っていき。

それと同時に苦しみがなくなったようで安堵する。


この腕輪怖すぎ。二度と使わないようにしよう。



その時

「魔王様!ゴブリン突撃隊!人族の集落の殲滅が完了しました!」

急に羽の生えたハーピィみたいな男が部屋に入ってくる。


「…えっ」


「次のご命令をと息巻いております!」

せん…めつ?

「魔王様?」

これ、人間一人残らず…?

「あの…全員を…?」

「はい!」

「こ、殺したって…こと?」

「はい!皆迅速かつ完璧に遂行をして褒美をもらえるのではと言っております!」


わ、私のせいで…どうしよう!私のせいで!

膝から力が抜ける。


「魔王様!?具合でも悪いのでは!?」

そう言ってこちらに駆け寄って手を差し伸べてくるが

「触らないで!あなた…いや私も…なんてことを…」


「どうされたんでしょう?魔王様は」

「うむ、我も勝手に住み着いた人間を排除したいのとばかり…」

植物をまとった人と鱗の人が何かを言っている。

ここにいたらやばい、倫理観が違いすぎる…。


その時ハーピィの男が言った。

「それで、人間の復活はどちらにいたしましょう?」

やばい、ほんとやばい、逃げ…うん?

「なんて?」

「ですから、人間の復活はどちらにいたしましょうかと」

「…は?殺したんだよね?」

「はい!」

「なんで復活させるの?」

「なぜ復活させないのですか?魔王様、それはさすがに…」

周りを見ると誰もかれも目を見開いてドン引きみたいな表情を向けてくる。

え、これ私が悪いの?

「し、襲撃前の状態で…お願いできる…?」

「記憶も同様の状態でよろしいですか?」

「は、はい」


そして30分後、完璧に元の状態になった報告を聞く。


よ、よかった…本当に…。

でも、もう我慢できない…。涙も出て…。


「うわああぁぁぁぁぁ!!!」


緊張の糸が切れたのか感情が爆発して当たり散らす。

と、同時に腕輪が光った。


「ぐあぁぁぁ!!」

「な、なぜえぇぇ!」

「ひいぃぃ!!」

「た、たすけ…!」

「あぁ!やば!ごめん!」


この事件は後に「チョコレート戦争事件」と名付けられることになる。

魔族たちは腕輪にトラウマを抱えることになった。

ほんとごめん、みんな。

テンパっていたんだ…。

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