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私たちには、お金がない。けど、愛はある。

突然ですが、

私たち──お金が、ありません。


※これは「投げ銭を求める投稿」ではありません。

ただの、悲しくもリアルな現実です。


彼は大学院生。

私は、ごく普通の会社員。

年収は……平均ラインをキープするのがやっと、という感じ。


「結婚?いやいや、それは夢物語でしょ」

そんなふうに思ってました。


というか、「生活できるかどうか」がすでにギリギリ選手権です。


……なのに。

ある日、彼が言ったんです。


「Veux-tu m'épouser ?」


(……?)


はい、聞き取れませんでした。フランス語、まだそのレベルじゃないんです。


「え、いまなんて?」と聞き返すと、彼が少し照れくさそうにこう訳してくれました。


「『私と結婚したいですか?』って意味ですよ」


──時、止まる。


つまりそれって、プロポーズ。

プロポーズですよね!?(確認二度目)


頭の中では、すぐさま脳内会議スタート。

「いや無理では?」「生活費どうする?」「ビザってどうやって取るの?」「ていうか職は!?」


次々に浮かぶ不安の玉突き事故。

なのに、口から出たのは。


「Oui!(はい!)」


はい、言ってしまいました。フランス語で言ってみたかっただけ説も濃厚です。


でも、あのときの彼の目を見たら、

未来は不確かでも、この人とだったら一緒に悩めるかもしれない、そう思ったんです。


現在のところ、私はフル出勤で皆勤賞。

彼も大学院卒業、そして就職に向けて真剣にがんばっています。


不安はゼロじゃないけど、

「努力でなんとかなるのかもしれない」説を、私たちで検証中です。


そして最後に──

読者のみなさんが(たぶん)気になっているであろう質問。


「で、指輪は?」


【答え】

プロポーズのあと、彼がフランスに帰国した際に

ジュエリーショップを何軒も回って、私の好きそうなデザインを選んでくれました。


それはもう、彼なりの精一杯の誠意とロマンでできたリング。


だからこそ、私もちゃんと返したいと思うのです。


生活も、未来も、笑顔も。

がんばりますよ、全力で。


これから、どうなるのか。

それはまだ、誰にも分かりません。

……でもそれもまた、ちょっと楽しいと思える今日この頃です。

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