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彼のヘアスタイル、事情つき。

今日は少し視点を変えて、彼のヘアスタイルについてのお話を。


私の持論ですが──

フランスの成人男性の髪型って、「短髪」か「長髪」、きっぱり分かれる印象があります。


日本のようにマッシュヘアのような中間スタイルは、あまり見かけない気がしていて。


彼はというと、長髪派です。

肩につくほどの長さで、毛先は自然なウェーブ。

スタイリングは不要。生え方まで、なぜかおしゃれです。


……ですが、これは「こだわり」ではありません。

理由は、美容院代の節約。


本人曰く、「切るのにお金を払うのは、なんだかもったいない」とのこと。


ちなみに私も、現在節約モード中で、髪は数ヶ月伸ばしっぱなし。

ふたりして、なかなかのボリュームヘアで過ごしています。


ただ彼は男性なので、そろそろ長さに限界がきた様子。


「今月、ようやく切る」と決意を表明してくれました。


……が、思い出すのは、前回の出来事。


美容師さんにこう言われたそうです。


「せっかく綺麗な髪なんだから、あまり切らないほうがいいよ」


結果、ほんの少しだけ整えられて終了。


それって……もはや彼氏ポジションの美容師さんなのでは?


日本でそんな接客スタイル、聞いたことがありません。


でも彼は、自覚のないタイプのイケメン。


いわゆる「無自覚イケメン」というやつです。


日本では、駅でモデルと間違われて声をかけられたことも。


そのときの彼の反応はというと──


肩を震わせながら、笑いを必死でこらえていたのです。


……いや、それ、笑う場面じゃない気がする。


後日、彼は静かに言いました。


「きっと、日本人よりも私の方が背が高いからだよ」


たしかに彼は190cm以上あるけれど……

背の高さだけでモデル扱いされる世界線、私には見えません。


(仮に私が高身長だったとしても、ただの“背の高い人”で終わる未来しか見えません。悲しい。)


そんなふうに、自分の輝きに無頓着な彼。

その天然さも、きっと魅力のひとつなのだと思います。


ちなみに髪はいつも、オレンジ色の輪ゴムで束ねています。

少し太めの、文房具売り場にありそうなもの。


そろそろ、ちゃんとしたヘアゴムをプレゼントしようかな。


そんな静かな使命感を、今日も胸に抱いています。

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