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第5話 魔王の加護とは?

 闘技場での失格から数日後、ヘルミーネは再び魔族の支配地域の森にいた。

 またこんなリスクを犯したのには理由がある。狼のモンスターを召喚して、聞きたいことがあったからだ。魔王の加護についてどうしても知りたい。いかにも邪悪な狼のモンスターなど人目につくところでは呼び出せない。


 正確な召喚方法は分からないけれど、過去呼び出した3回とも“なんか出てきて“という叫びに応じてくれた。

「なんか出てきて!!」

 狼のモンスターが召喚された!

「ご主人様、何でしょう?」

「魔王の加護とやらについて教えてもらいたいんだけどいいかな?」

「承知しました。ご主人様が魔王様に魔族支配の杖を返した時に、魔王様が与えた特性のことです。戦闘開始時に短時間発動します。時間は短いが人間の冒険者が使うには高級過ぎる加護を与えたよ。と聞かされました」


 ヘルミーネが気になるのはどんな効果があるのかだ。

「加護にはどんな効果があるの?」

「はい、基本的には状態異常無効、魔法反射、物理攻撃反射でしょう。後はご主人様の戦闘能力の成長次第で加護の内容も変わっていくはずです。しかし、魔王様は過保護だ!」

 

「なぜ、私がそんな特性をもらったのかな?返した杖は最初はゴミだと思ってたけど、魔王さんに会ったとき、大事な物なんだろうとは思ったよ!」

「ゴミだなんてとんでもない! 魔族を統率するための杖です。魔族の支配を司る大切な物ですよ!」

「じゃあ、私はもっと大切にしなきゃいけなかったね! 人間にゴミ扱いされるなんておかしくない?」


 狼のモンスターによると、ヘルミーネは魔王を助けたのだという。

「魔族支配の杖は、魔王の地位を維持する上で必要です。無くなると魔族の秩序が乱れてしまう。だから、ご主人様は魔王様の恩人なんですよ。」

「私はギルドのゴミ箱でその杖を拾ったよ。冒険者が森でモンスターと一緒に回収したって話だけどね。何も知らずに結構適当に使っちゃったけど、悪かった? 無事に返せて良かった!」


「魔王様が人間の生活圏を観察しに行こうとしたとき、うっかりこの森で、いたずら好きな邪竜に杖を奪われてしまいました。邪竜は餌に食ったモンスターの残骸と一緒に離れた森に杖を捨てたんでしょう。後でモンスターごと冒険者が回収したということになりますね。魔王様はこの魔族の森で杖を探していたから、見つからないわけですよ」

「そんなに大事な物だったんだね。魔族の秩序が保てたなら、私が拾って良かったのかな」

「そうです!魔王様は、杖を探し出してくれた人間の娘に手厚く礼をした。この辺のモンスターを狩るくらいなら十分なアイテムと能力を与えたと仰っていましたよ」

「いやあ、そんなすごいものをもらった自覚なかったなあ!」

「はい。これからは自信を持って下さい。あの日、ご主人様が魔族の森に来られたのは運命的でした。私もいたずら邪竜の前に召喚されるとは思っていませんでした」

 

ヘルミーネは、魔王にとって大事な時期に適切な場所で魔王に出会っていた。 

「魔王の加護もご主人様が今持っている杖も最大限のお礼ということです!」

 

 

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