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第3話 どうやって、強大な攻撃魔法を身につけたのか?

 ヘルミーネは魔法訓練所を卒業後、引き続き訓練生として在籍した。圧倒的な魔力を見せつけ、初心者レベルではないとの判定で初心者講座を半ば強制的に卒業させられている。彼女は大金を払って、練習場を一つ貸切った。ドラゴン討伐で高額な報酬を得ていたから余裕がある。攻撃魔法習得の練習を積む。


 ヘルミーネは未だに、安定した技術としての攻撃魔法を何一つ習得していない。

 私の不注意で杖の魔力が暴走するのはまずいし、自分の意思で狙いを定めてモンスターを倒せる程度に杖の魔力をコントロールしないとな。いつでも再現できる攻撃魔法をいくつか覚えないと!


 彼女は講師を付けて、不完全な荒技を放つ度に分析を依頼していた。ついでに技のネーミングも頼んだ。丁寧な助言で徐々にヘルミーネなりに魔法の形が安定してくる。講師は解説した。

「初心者のうちから闇属性の魔法が使えるのは珍しいね。魔族が使う類の魔法だから、普通、いきなりそんな領域には入らないよ。しかも、無詠唱で自分の意思だけで魔法を発動させてる。素晴らしいセンスだね。それとも魔族の加護でもあるのかな?」

「魔族の加護……どうでしょう? もらった杖に頼っているだけです」

「初心者講座の時はヘルミーネさんの素質を見くびっていた。杖に込められた魔力は異常なレベルだ。でも、魔力のコントロールは自分で身につけるものだよ。あなたは頑張った。冒険者としてもっと上を目指しなよ。」


 講師は魔王の杖のことを勘違いしていた。

「ヘルミーネさん。あなたの杖は先祖代々大切に受け継がれてきたものだね? 見れば分かるよ。それだけ大切にしているんだから」

「そうですね……まあそんなところですよ……」

「もう、私からはヘルミーネさんに教えることはない。今日で訓練終了にしよう」

「先生、分かりました。では、最後に、覚えた中で一番得意な攻撃魔法を全力で放ってみます。評価してください」

「まだ、全力出してなかったの? いいよ、思い切りやってみな!」

 

 ヘルミーネは身につけた中で一番得意な攻撃魔法を発動する。その名も、

「ダークフレアバースト」

黒紫の炎が渦を巻いて発射され、広範囲に渡って相手を焼き尽くすのが特徴だ。


 ヘルミーネは杖を振りかざし、的に向かって振り下ろす!

 ドゴォォン!! バァァァン!! ゴォォォッ!


 すさまじい熱風が吹き荒れ、前方が見渡す限り吹っ飛んだ!

「あなた、またやりましたね!!」

 ヘルミーネは訓練所施設の修繕代として、多額の賠償金を請求される。ドラゴン討伐で稼いだ大金が一瞬で消えたという……

 

 

 

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