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19話 そしてさらに神様がいなくなった

 翌朝、由佳(ゆか)一条神社(いちじょうじんじゃ)に朝の挨拶に来ると、珍しく狗巻(いぬまき)が先に神社に来ていた。


「おはよう、狗巻(いぬまき)。今朝は早いのね」


 狗巻の周りには鬼や式神(しきがみ)が集まっていて、足や腕にたくさんがみついていた。

 両肩や頭の上にも、こぼれ落ちそうなくらい乗っていて、もし狗巻が鬼や式神を《視る》ことができていたら、今はとても鬱陶しいだろうなと由佳は思った。


「由佳、様子が変だ」


 このセリフはまさか昨日の続き?と、由佳は一瞬思ったが、狗巻の真剣な表情に、ただならぬ何かをすぐに感じた。


「どうしたの? 何が変?」


 自分の体を(おお)わんばかりに鬼や式神がまとわりついているので、彼らの姿が《視え》なくとも、何かを感じているのだろうか?

 由佳がそう考えてしまう程に、狗巻には鬼や式神がたくさんしがみついていた。


 その時、由佳は気付いた。

 よく見ると鬼や式神たち全員がとても怖がっていて、震えていた。

 表情も不安気で、今にも泣き出しそうな表情だった。

 実際、べそをかいている鬼も数匹いた。

 彼らの様子は明らかにおかしかった。

 いつも無邪気(むじゃき)境内(けいだい)で遊んでいる彼らとはまったく違っていた。


 彼らは由佳と目が合うと、全員が一斉に御社(おやしろ)の方を指さした。

 その手は可哀そうなほど震えていた。


 由佳は御社(おやしろ)を確認したが、別段、変わったところはなかった。

 壊れたり、壁や柱に落書きをされたりといったこともなかった。


 しかし、確かにいつもと違う違和感があった。


「なんだろう、狗巻。確かに何かがいつもと違う。様子が変ね」


 狗巻は黙って頷いた。


 そして由佳は、すぐにその違和感の正体に気付いた。


「…あっ…!!」


 由佳は声をあげて絶句した。

 それは昨日に引き続き、驚くべき事態だった。


「神様がいない……」

私の小説を読んでいただきまして、本当にありがとうございます。

皆さまに「面白い!」と思っていただけるよう頑張ります୧(˃◡˂)୨


狗巻の身体にまとわりついている鬼や式神の大きさは10cmくらいと考えています。

350ml缶くらいをイメージしてるんですが、意外と大きいですかね?それとも小さいかな?

ウ~( ˘•ω•˘ )~ン

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― 新着の感想 ―
[良い点] 何か悪いことがあったとして、対処せずによくなるわけもないですよね。やはりアグレッシブに行動あるのみです。神様がいないなら見つけ出すしありませんね。今回もとても面白かったです。
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