表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/15

殺意のペン~第2話~

事件の知らせを受け、新人刑事の西蔵修造は佐久間の別荘にいた。

あたりは家具が荒らされ、死体付近は血で埋め尽くされていた。


西蔵(ひどい現場だな)


そう思いながらも現場検証を続けていた。すると、警視庁捜査一課長の緒形大が入ってきた。


西蔵「あぁ、捜査一課長!」


西蔵は敬礼をし


西蔵「なんでいらっしゃるんですか」


緒形「ちょっとな、会いたい人物がいてな、ここに来れば必ず来るからな」


一体誰なんだ?、そう思いつつも、現場検証を再開していると、部屋になんとも可愛らしい女性が入ってきた。見た目は30代、スーツを着て、とてもかっこいい感じの人だった。まるで宝塚のトップスターのような感じだった。


緒形「おい、高田君」


高田「あっこれは警視」


緒形「課長と呼びたまえ、あっそれでな、昨日の連続通り魔事件の取り調べの報告書出来たのか?」


高田「はい、警視の机の上に置きましたよ」


緒形「ならいいんだ、それでな、前回の殺人事件の犯人への暴行の始末書早く出しておけ」


高田「はーい」


西蔵は全く、その場の状況が鵜呑みにはできなかった。一体この女性は誰なんだ?、捜査一課長が言っていたのは高田君、つまりこの女性が高田刑事なのは明らかだ。でも全くその人の事が分らなかったため、隣にいる男性の鑑識の人に話しかけた。


西蔵「あの、あの女性は一体誰なんですか?」


鑑識「あぁ、あの人は高田警部、検挙率100%の凄腕刑事だよ、今まで彼女に目を付けられた人は犯人の可能性は100%」


西蔵「もしかして冤罪率は」


鑑識「当然0%、あの人に目を付けられた犯人はもう堪忍しなきゃ終わりだな」


鑑識は笑いながら部屋を出て行った。あたりを見渡すともうそこには捜査一課長の姿はなかった。居たのは高田警部だけだった。西蔵は恐る恐る現場検証している高田に話しかけた。


西蔵「あのぅ」


高田が振り向いた。


高田「あら見ない顔だね」


西蔵「はい、私、今日付けで警視庁に配属されました、西蔵修造と申します」


高田「高田です。よろしく」


目線は高田に変わる。高田は辺りを見渡した。一見普通の押し込み強盗殺人事件だと思う。だが、一応話は聞こうと思い


高田「被害者は?」


西蔵「はい、被害者は大川武雄、大物推理作家です。凶器はそこにあるトロフィーです。死亡推定時刻は今日の午前9時から10時の間です。第一発見者は近所の女性です。犬を散歩していたら犬が庭に来てしまい、死体を発見したそうです」


高田「なるほど、それより大川?、聞いたことないわね」


西蔵「結構有名ですよ、「極寒の舟」は直木賞を受賞してますし、主にトラベルミステリを書いています」


高田「トラベルミステリ?、何それ」


西蔵「あぁ、主に鉄道や旅の中での事件を描くことです。西村京太郎が有名ですよ」


高田「その人なら読んだことある。へぇ、西蔵君、本読むんだ」


西蔵「えぇ、まぁ」


高田は幼いころから、本は大の苦手だ。想像して推理することは楽しいが、すぐに分ってしまうため面白みが失せてしまう。その為この数年は読んでいない。それは置いといて、結構大きなリビングなため、


高田「流石大物小説家ね、結構大きな家に住んでるじゃん」


西蔵「ですが、少し気になる点が」


高田「なに?」


西蔵「実はこの家、別荘なんですが、所有者は大川さんではなく、小説家の佐久間雄一なんです」


高田は聞いたことあった。実は彼女の中で唯一最後まで犯人が分からなかった本があった。それは「殺人の列車」である。結局犯人は乗客全員という。アガサクリスティの「オリエント急行殺人事件」とほとんど同じの結末だったが、犯人が誰とは一切分らなくて、高田を苦しめた本であるが、ある意味ファンになってしまった。だが、最近本が売れていないのを高田は気にしており、何度も励ましの手紙を送っていたのだ。


高田「知ってるわよ、その人」


西蔵「え?、ご存じなんですか?」


高田「前に少し読んだことある」


高田は気になった。なぜ佐久間の別荘で同じ小説家の男性が殺されたのか


高田「佐久間先生とは連絡取ったの?」


西蔵「えぇ、これから向かうと言ってました」


高田「そう、なら待たせてもらおう」


すると、高田は何かに気づいた。それは数多いトロフィーだった。直木賞から様々な賞のトロフィーまで、数多い功績を残してるんだと改めで実感したが、問題がある。そう思い、西蔵に


高田「ねぇ、西蔵君」


西蔵「はい」


高田「確か、凶器ってトロフィーだよね」


西蔵「はい、これです」


西蔵はトロフィーを持ち、高田に渡した。そこには直木賞受賞トロフィーと書いてあった。


高田「直木賞のトロフィー」


西蔵「僕も最初は驚きました。どんなものを凶器に使ってるんだってね」


高田「それにこれ見て」


高田は西蔵に数多いトロフィーの棚を見せた。


西蔵「なんですか?」


高田「分らない?、これの元々置いてあった場所」


西蔵がよく見ると、確かに一つだけ間が空いていた。恐らくそこにトロフィーがあったんだろう。


高田「なんで、犯人はわざわざこんな場所から、トロフィーを取って殴り殺したんだろう」


西蔵「確かに、気になりますね」


高田「もしかしたら、小説家の犯行もあり得るかもね」


西蔵は目を大きく見開いた。


高田「まぁ、西蔵君、勉強のためだから、検死立ち会ってきな」


西蔵「分りました」


西蔵はそのまま、検死解剖で一人警視庁に戻っていった。


1時間後

警官に連れられ一人の男が入ってきた。それこそが佐久間だった。


高田「佐久間先生ですか?」


佐久間「はい、佐久間雄一です」


高田「あの、実はファンなんです」


佐久間「はい?」


高田「私いつも高田という名前で手紙を」


佐久間「あぁ、いつも励ましの手紙をくれる方ですか、刑事さんだったんですか」


高田「はい、警視庁捜査一課の高田です」


佐久間は思った。まさかこんな身近な人が警察だったなんて、これは油断も隙もないな、そう思っていた。


佐久間「でも、いつも手紙ありがとうございます」


高田は微笑みながら


高田「いえいえです。先生の「殺人の列車」は最高の本です。最後まで本当に犯人が分からなくて面白かったです」


佐久間「いや、犯人を最後まで明かさない、犯人を途中で見破れないようにする。それが一流の小説家です」


高田「勉強になります」


佐久間「それで聞きました。大川先生が僕の別荘で殺されたって」


高田「えぇ、それで気になったんですが、どうして佐久間先生の別荘で、大川さんが居たんですか?」


聞かれるだろうと思ったその質問は、やっぱりマニュアル通りだなと心の中で微笑んでいた佐久間であったが


佐久間「実は、大川先生は私の父親の親友でして」


高田「お父さんのですか?」


佐久間「そうです。父は私と同じ小説家で、大川先生とは大の親友で、この別荘も父のなんです、で、大川先生は父親から合鍵を渡されたらしく、父の死後はたまに遊びに来るほどですよ」


高田「そうですか」


佐久間「それで、どうやら押し込み強盗だと聞きました」


高田「そうです。頭を強く打ち死亡してました」


佐久間「あれは固いですから」


高田「そうですね」


佐久間はソファに腰を掛けて、のんびりとしていた。高田はそれを見て、何かを感じていた。




第2話終わり


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ