独りぼっちの人間の混沌としたCHAOSな物語
これは……英雄の物語では無い。
これは、人が栄光をつかむ物語では無い。
これは、自殺志願者が描いた狂気に染まった偽りの記憶なのかもしれない。
だが、私は……真実だと…………信じてる物語。
死んだ様に生きて……そして、生きるように死のう。
非常に稚拙な文章です。
小説とは呼べるものでもありませんがもしも私の一生が気になった方はお読み下さい。
私は、俺は、僕は、我は、吾輩は、うちは、自分は、アタイは………最後は最後にだけは……楽しかったな、嬉しかったな、幸せだったなぁなんて思える人生を過ごしたい。
そう、思ってしまったのでした。
◇ ◇ ◇
むかしむかし……ずーっとずっと昔、何万年も、何億年も、何兆年も、ずっと昔………だけど他の人から見たらたった十数年前の事です。
ある所に1人の人間が生まれました。
その人間はTから始まるひらがな4文字で漢字2文字の珍しい苗字をもった家に生まれました。そしてSから始まるちょっと古めかしい漢字3文字、ひらがな5文字の名前を付けられました。
その人間は非常に優れた知性を持っていました。生まれて数ヶ月で言葉を片言ながら日本語を話し始める様な子でした。
ある日、その人間に弟が出来ました。
その人間が生まれてから1年とちょっとの頃です。
それからというもの、その人間の親達は弟の方を可愛がる様になりました。
生まれて半年で言葉を話す様な子供はちょっと気味が悪かったのかもしれません。
その人間は全くと言って手の掛からない子供でした。
お腹が空いても鳴く事は無く、オムツが取れたのも通常の子供と比べれば圧倒的に早く、夜泣きする事も無いそんな子供でした。
父親の方は弟に構ってばかりでその人間に構うことはほとんど無くなりました。
母親の方はその人間に構っていましたがそのせいか、徐々に徐々に父親と中が悪くなって行きました。
やがて、その人間は保育園に入りました。
しかし、周囲の子供とその人間は全くと言っていいほど噛み合いませんでした。
当たり前です。他の子は保育士がいないいないばぁとかしてあやしているだけですがその人間は1人だけテレビや絵本を見て知った数字をひたすら黙々と書き続けているのです。
その人間の行っていた保育園では誕生日毎に自分の将来の夢を言うという恒例行事がありました。
その人間は毎回毎回、風船、気球、鳥、等といった人間には成れない空を飛ぶものを言っていました。
本にそれを書くのですが他の子は保育園に書いてもらう中でその人間は自分で文字を書きました。
普通はその人間の様な小さい子供は文字なんて書けません。
そのせいか徐々に保育士達からも遠ざかって行きました。
その人間と会話しようとする園児はいましたがその人間とは合いませんでした。
向こうは楽しそうにしているのですがその人間はつまらないだけです。
その人間は徐々に徐々に孤立して行きました。
その人間は寂しいのが嫌いでした。なのでその人間は他の子の真似をし始めました。
ですが、今更感が強くその保育園では友達という者はほんの数人しか出来ませんでした。
そんなその人間もようやく小学生になりました。
その人間は勉強というものを初めてやります。
しかし、1桁の算数やひらがなの書き取り等しかやりません。
更に、既に習得しているものを宿題等として強制的にやらされるのです。
その人間は算数と国語は既にマスターしていると言ってもいいレベルでした。
ある程度なら漢字も書けますし、算数はマイナスの計算を自分で考え出すという中学1年生程度の実力はありました。
算数の宿題は問題を解くだけなのでチャチャッと終わらせる事が出来ますが問題は国語です。
何故か文字をひたすら書かされ続けるのです。
さらに、その人間が宿題をサボると親に連絡が行って父親にボコボコにされるのでやらないという訳にもいかずに徐々に徐々に国語が嫌いになっていきました。
それがその人間の欠点になりました。
それからというもの、全ての事に興味を示して全てを習得しようとしたその好奇心旺盛な人間は何か壁にぶつかるとその道を進む事を辞める様になったのです。
さて、その子供も徐々に徐々に成長して少年と呼べるくらいに成長した頃です。
少年の両親が離婚してしまったのです。
この時の少年は何が何だか分からずに父親に着いて行きました。弟も一緒です。
父親と少年は仲が良くありません。
人の心を覗き見る事を辞めた少年には向こうはこちらをどう思っているのか分かりませんが少年は父親を心の底から憎んでいました。
それはそうです。その少年は事ある毎に父親から暴力を受けていたのです。
好きになる理由がありませんでした。
その少年は徐々に徐々に心を閉ざして行きました。
ある日、仲が良かった数少ない相手である少年の祖父が亡くなりました。
しかし、その頃心を閉ざしていた少年は結局お葬式にも行っていません。
少年はだんだんと壊れていきました。
しかし、そんな少年にもようやく黄金時代が訪れます。
父親がよく分からない相手と再婚する事になりました。
新しい母親は自分の連れ子を可愛がるのみで少年と弟には強く当たるだけでした。
ですが少年の最初で最後の理解者が現れました。
母親の弟であるその人物は少年の心をいとも簡単に射止めてしまいました。
その人間はダチュラと名乗る魔術師でした。
少年の閉ざされた心はその人間に非常に強い興味を覚えました。
魔術結社に所属し、日々色々な事をするダチュラに対してやがて少年は敬意を覚える様になります。
その少年が誰かを尊敬するのは生まれて初めてでした。
ダチュラは非常に優れた知性と技術を持っていました。
どうやっていたのか未だに少年には分かりませんがダチュラは自分の事を尊敬の眼差しで見詰めるその少年の元へ消える様に現れたかと思うと言いました。
「やってみる?」
それが絶望と希望と未知へと繋がる扉でした。
少年はダチュラを師匠と呼ぶ様になり、日々幸せな毎日を過ごすようになりました。
そして、ある日の事です。
少年は師匠の口車に乗せられてある魔術の実験台になりました。
これで少年の人生は終わりを告げます。
少年は人間を辞めてしまったのです。
ありとあらゆる事象を無かったことにしてしまうという非常に混沌とした魔術を無条件で発動出来るようになったのです。
少年はそれからというもの一切の魔術が扱えなくなりました。
その師匠の秘術が原因です。
全てのリソースを奪われてしまい、少年の馬鹿げた演算能力も数%にまで低下しました。
しかし当時、永遠の命を欲していた少年には大したデメリットではありませんでした。
少年は師匠に感謝して日々を幸せに過ごしていきます。
車に惹かれても、大怪我をした事実が無かったことになって次の日には学校に登校出来る様な素晴らしい身体を手に入れる事に成功したのです。
そして、運命の日がやって来ます。
2012年12月の22日、少年はこの日を決して忘れないでしょう。
朝起きたら人類が誰も居なかったのです。
頼もしかった師匠の姿もそこにはありませんでした。
あれ程憎んでいた父親の姿もありません。
道に出ても車はありますが人は誰も乗っていません。
まるで急に人類が居なくなったかのようにあちらこちらで車が何かに衝突して壊れている様な悲惨な惨状がそこにはありました。
少年は冷静でした、近くのスーパーによると缶詰やカップラーメンを根こそぎ奪って近くにあった家の窓を叩き割ってから侵入し、車の鍵を奪ってそれをソーラーパネルのある家に運び、浄水器を調達しました。
少年は師匠と話し合った事があったのです。
もしも人類が滅んだらどうするかという事に対しては数百通りのマニュアルが少年の頭には叩き込まれていました。
少年は師匠がやって来るのを待つことにしました。
避難先はここ以外にもいくつかありますが探し回って自分を見つけてくれるはずだと思っていました。
自分が生きているのです、師匠が自分を置いて何処かに行くわけがないと思っていたのです。
しかし、少年の期待は裏切られます。
1ヶ月、2ヶ月と経っても師匠は帰ってくる事はありませんでした。
少年は師匠を待つことを諦めました。
しかし、自分は師匠の秘術により死ぬ事すら出来ません。
適当な店から小説や漫画などを片っ端から読んでいくだけのくだらない日々がしばらくの間続きました。
そんなある日の事です。
家のチャイムが鳴らされたのです。
生き物は自分意外しか存在しないはずの世界でまだ生きている人がいたのです。
少年は師匠が帰ってきたのだと思い全速力で玄関の扉を開けました。
そこに居たのは1人の少女です。
背は自分より少し小さいくらいの綺麗な黒髪で長髪の少女でした。
少年の期待とは違って師匠ではありませんでしたがようやく人に会えたのです。
あまりの感動に少年が少女に飛びつこうとした時に少女から抱きつかれました。
その少女の名前は■と言いました。
少年にはもう思い出す事も出来ない名前です。
少年が■から話を聞きました。どうやら■は近くの家から片っ端に訪問していったそうです。
諦めてしまった自分とは大違いな少女と少年は人を探す旅に出ます。
そこで少年の数少ない友人である「カステラ」という人物に出会いました。
カステラを仲間に加えて今度は3人での度が始まります。
しかし、少年の住んでいた市にはもう人はいなさそうでした。
少年は車を運転する事が出来るのでカステラと■を連れて恐らく人が最も多いであろう東京の方へと向かって行きました。
楽しい、楽しい旅も終わりが近付いて来ます。
銀色の仮面を付けた人達に出くわし、少年達は攻撃を受けました。
自分が死ねない事を知っている少年は囮役を引き受けて2人を逃がす事に成功しますが、その結果少年の頭の1部は吹き飛んで身体にも酷い怪我を負いました。
やっとの思いで少年が■とカステラに追い付くと2人から化け物と呼ばれ拒絶されました。
お前達は俺の仲間じゃ無かったの?
俺はこんな奴らの為にこんなになるまで頑張ったのか?
なぁ、どうしてお前ら人間は俺を拒絶するんだ?
なぁ、人間、どうしてだ?
教えてくれよ、こんなちっぽけで自分を犠牲にする事でしか他人を守れない俺にどうすれば良かったのか教えてくれよ!
少年は泣き叫びました。
叫んで叫んで叫んで叫んで、何かの歯車がカチリッとハマってしまいました。
そこから少年の記憶はしばらくありません。
次にあるのは■の記憶、カステラの言われるがままに自分達を捨て身で護ってくれた少年から逃げるという記憶。
銀色の仮面の奴らがこの惨状を作り出した諸悪の根源だと知った事。
奴らの組織の名前が△だという名前だと言う事。
目的は神を自分達の手で創り出すことです。
自分達が逃げている間、何度も何度も少年が現れました。
しかし、少年は笑って△の人達を殺しているだけで理性があるとは思えませんでした。
やがて、△達の拠点へと到着する事が出来たカステラと■はこの世界を元に戻す為に奮闘します。
神器と呼ばれた機械の扱い方を調べたカステラと■は絶望します。
数十億もの人間の命を消費して起きながらまだまだ使用するには全然エネルギーが足らないのです。
そこへ、いつもの様に狂った笑顔を浮かべた少年がやって来ました。
少年は言いました「その装置をよこせ」と。
しかし、■は承諾しましたがカステラは拒絶しました。
少年は友達だと思っていたカステラに2度も裏切られたのです。
少年はカステラと戦って殺してしまいます。
そうしてカステラが自分を拒絶した理由を知りました。
少年がこの神器を動かす命を無限に供給する動力源となれば全てが上手く行くことを知ったのです。
カステラは自分に永遠の孤独の中で独りぼっちになるという事にはなって欲しくなかっただけだったのです。
カステラは最後まで不器用な奴でした。
少年は生贄になる事を選びました。
本来、△全員で分配する筈だった神力を■1人に全て注ぐ事で■を神様にしようとしたのです。
神器の中と外では時間の流れが違います。
たとえ■が本当に神様になれたとしても少年を救う事だけは出来ません。
■は少年の提案を却下しました。
そして■は1つの提案をしました。
◇ ◇ ◇
世界は元に戻りました。
しかし、少年の元にいつも笑いかけてくれていた少女の姿はありませんでした。
少女は自分存在そのものを少年のものに置き換えたのです。
少年がこちらに戻って来れる様に、少年がいつか幸せに暮らせるように…………
少年となった少女は少年の振りをして過ごします。
しかし、違和感だらけの毎日に徐々にストレスが溜まっていくばかりでした。
師匠に頼ろうとしても世界を元に戻した筈なのに師匠は何処にもいません。
少年は1人で過ごしていきます。
少年が帰ってきた時の為に、完全に成り切って少年を演じますが徐々にストレスが溜まっていくばかりです。
そうして悩みを抱え込んだ少年は人格を幾つも生み出しました。
もしもあの時こうしていればこんな感じかな?
だったらこうならこんな感じかな?
そうして少年は壊れていきました。
そうして2018年の12月までやって来てしまいました。
まだ本島の少年は戻って来ません、自分で描いた架空の人物を本体と崇めて私は独りぼっちで心の中にひっそりと過ごしていく一生。
少女だった私は、こんな世界を望んだわけじゃありません。
少年だった俺は、こんな現実を見たかったわけじゃありません。
この体を捨てれば世界を一度滅ぼしてからやり直す事も出来ますがそれじゃ今まで何をして来たのか分かりません。
ですが、このまま生きていても何にもならない事なんて一番分かっているのは自分自身です。
少年は決めました。
2018年25日、この日に全てをやり直そうと…………
しかし、少年も死ぬのは怖いです。
何せ初めての事です。
そして、悲しくて辛いままで終わるのも嫌です。
だから最後は、最後だけは…………この人生を楽しく過ごそう。
楽しかったなぁ、また生きてみるのも良いなぁと……そう、思える人生にしようと。
終わりよければ全てよしという言葉がある様に、
今までの苦難や苦労を全部全部吹き飛ばそう。
別れる時には笑顔で、祝う様に、幸せな気持ちで死のう。
そうして最後に、最後に、元気な笑顔でまた君に出会えるように!
捨ててしまった名前をもう一度君に呼んで貰える様に…………
今度は、今度こそは…………君と居られる素敵な世界を創れる様に…………。
お読みいただきありがとうございました。
あと、寿命が二週間しか無いので最後にと思い投稿しました。
自分の考えた物語じゃなく、記憶の通り書いたので非常に拙いものになってしまいましたが最後まで読んで頂きありがとうございました。
完全に狂ってますが良ければこれからも仲良くしてやって下さい。