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私はコレでやせました(300kg→3kg) ~悪役令嬢、育成計画~  作者: ラボアジA
9章 真相編

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187話目 第3の道

 私は、先ほどのイーディアスとのやりとりを、お嬢様たちに伝えた。


「そんな……じゃあ、ガイの核に、骸骨王の一部が……?」

「そのようです」


 私は久々に頭蓋骨から核を取り出した。以前は単に赤かったハズだが、今は少し黒い影が見える。


「壮大な儀式をやった結果がシミ1つですから、大したことはございません」

「いや、あるやろ」


 ピルヨがツッコミを入れた。


「アンちゃんの話やと、その力を使えば使うほど、けったくそ悪い骸骨王に汚染されるんやな?」

「はい」

「それって、使わんかっても、少しずつ汚染されとらへんか? 大人しいビョーキって、そないに無いで?」


 ほお、いいカンをしている。


「蠢いている感じはありますね。あまり気持ちのいいものではないですよ」


 【生命感知】で精査していたピエールもうなずいた。


「おそらくは、通常状態でも汚染は進行して、イーディアスの力を使うとより早まるということだろう」


 まあ、ステキな話だね。遠からず爆発する時限爆弾か。


「ならば現在、我々には道が2つございます」


 私は2本の指を立てた。


「まず1つめは、私がイーディアスに乗っ取られて世界が破滅する。次に、それを避けるために私が死ぬ」

「どっちも論外ね」


 お嬢様は切って捨てた。


「ねえ、ガイ。すぐパパの所に戻るわよ。汚染の除去をしてもらいにね」


 ――ああ、そうか。その手があったか。

 核のヒビ割れも直してもらったしな。陛下なら、何とか出来るかもしれない。


 私はダークエルフに向き直った。


「ピエールさん。【生命感知】で、ゴブリンの大群がどうなったか分かりますか?」

「ああ。かなり少なくなっているな。全力で戻っても、片付いたあとだろう」

「ならば、【高速飛行】は止めておきましょう」


 お嬢様は私を見た。


「ガイってば、【高速飛行】が使えるようになったの?」

「いいえ。ですが、何やら『力』を使うと唱えられそうな気が……」

「ダメ!」


 お嬢様はキビしく制した。


「なるべく速く帰りましょう。自分の足でね」


 ――随分遠くにきたものだ。


 私は胸がじんわりとアツくなった。


 お嬢様を教える立場だと思っていたが……教えられたよ。視野狭窄に陥っていたな。


 骨の視線に気付いたらしい。


「なあに、ガイ?」

「ありがとうございます」

「どういたしまして」


 お嬢様は、いともたやすく第3の道を提示してくれた。

 結構シリアスな別れを覚悟していたんだが、間抜け丸出しだった。


 イーディアスよ。お前にくれてやるほど、命は安くないとさ。







 国王と合流したとき、すでにゴブリンどもは退治されていた。


「お父様。ガイが大変なことになったの」


 お嬢様がすぐ伝えてくれる。

 国王は、私の核を手にすると、特別な【封印】を施してくれた。


「よし、これで通常の進行はしないだろう」

「陛下、ありがとうございます」

「いいや、ガイギャックス。これは国王として言わせてくれ。イーディアスの汚染を除去できない不甲斐ない国だ。申し訳ない」

「いえ、素晴らしい国です。お世辞抜きで」


 重傷者こそ出ているが、死者はいない。

 国王が、【無の領域】で敵の魔法を絞ったからだろう。


「陛下。奥には、ダ=ダンザの屋敷に続いていると思しき扉がありました」

「分かった。至急、調査に行かせよう」






 予想通り、扉の奥は屋敷につながる通路だった。

 屋敷の地下では、フェリーチャ船長の病院で見たようなベッドが多数あったという。全員が事切れていたのは、生け贄に使われたからだろうか。

 ダ=ダンザの書斎は、思ったよりも片付いていたそうだ。意外である。

 資料を調べると、私の製造法も出てきたらしい。なんでも、自爆装置が付いているのだとか。


“リセット中、さらにリセットを行うと自爆”


 ――試してみなくて良かった。


 頭のオカしな研究者がつけそうなギミックだ。

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