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私はコレでやせました(300kg→3kg) ~悪役令嬢、育成計画~  作者: ラボアジA
1章 出会い編

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15話目 ループの打開

 力はありそうなゴブリンのボスだったが、さすがにデカい棍棒が重すぎたのだろう。革鎧が体にあってないせいもあり、動きは遅い。


 私は、赤ゴブリンの後ろに左手の骨をバラまいた。また、白ゴブリンの後ろにも右手をブン回して飛ばす。


 ゴブリンどもよ、奇襲に失敗したのが運の尽きだったな。


「リセット」


 高速で指が戻るさい、ドゴドゴと肉を削った。赤と白はピクリともせず、ついでにボスにもダメージが入る。


 よし、上出来だ。赤が炎を飛ばしてきた以上、白は神聖呪文を使う可能性が高かったからな。回復もありそうだし、ツブせて良かった。


 残り2匹。散開していなければ、一度に倒せていたな。惜しい。


「ギギャーーー!」


 ボスがひときわ凄まじい雄叫びを上げて襲いかかってくる。


 ――ありがたい。お嬢様に向かわれる方が厄介だった。

 これなら、さっきと同様の技で倒せる。


 そう思っていたら、銀ゴブリンがボスに魔法を飛ばした。


「ギェ~!」


 その途端、ボスがいきなり


「なに!?」


 ぼぐっしゃあ!!


 左肩甲骨と鎖骨をブチ折られた。


 ――しまった!


 なおも振りかぶってくる。


「うおおっ!」


 なんとか頭蓋骨を銀ゴブリンの後ろに投げた。残りの骨はバラバラにして回避する。

 放物線を描く私を、銀が目で追った。


「――ちっ」


 一瞬、銀の腹の膨らみが目に入った。


「リセット」


 子持ちの銀の体を、猛烈な勢いで骨の嵐が通過した。今までで一番ヒドい肉片と化す。


 許せとは言わん。

 安らかに眠れ。


「む」


 魔力の不具合か、それとも殴られたせいか。

 左の鎖骨と肩甲骨から先が、戻っていなかった。

 感覚はある。しかし、殴られて粉々になったせいか、リセットには多大なパワーがいりそうだ。


「アブない!」


 お嬢様の声で敵に集中する。ボスの棍棒を食らう寸前、今度こそ先にバラバラになった。


 しかし、予想以上にボスは素早くて狡猾だった。リセットをかなり警戒しており、いずれの仕掛けも不発に終わる。


 砕かれた左肩から先の骨は、依然として戻ってこない。仮に戻したとしても、事態の打開は不可能だろう。


「あなた、マズいわよ!? 魔力が……!」

「いえ、いいんです」

「何がいいのよ! 倒せないのよ!?」

「そうですね」


 ――そう。そしてそれは、


 どうだ、ボス。無限ループに見える状況は。

 こっちは、魔力が消えるとマズいが、お前は知らないよな。なら、私が延々と回避できるように思ってしまうハズだ。

 いつまでもかわし続ける私に焦れたお前は、どうする?


「ギェ、ギェギェー!!!」


 私の相手をやめたボスは、お嬢様に向かった。

 倒すのに骨が折れる私よりも、くみしやすいと踏んだのだろう。あるいは、再び人質という手段も可能である。


 ――ああ、別に卑怯とは言わんよ。むしろ、こう言わせてくれ。


「ありがとう」


 ボスを十分に引きつけたお嬢様が、体内から私の骨を出した。砕かれた、左肩から先の骨を。


「リセット・フルパワー!!」


 次の瞬間。

 無数の骨が、散弾銃のごとくボスに降り注いだ。

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