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BLUE HAWKS  作者: 駄犬
1/3

Chapter0〜その人生は敗北の連続①

「明日から来ないでくれ」


「…はい。」


人事部の部長が、告げた。


これで、通算6回目の解雇、か。



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##

####





俺の人生は、敗北の連続だった。


小中高と、なんの呵責なく問題なく虐められ、両親には放置され、高卒で就職した。目指すものなど何もなかった。両親も教師も、何1つ教えてはくれなかった。


就職しても、これは社会の為だ、みんなの為だと努力しようも、結局自分はどうなんだ?と身が入らず。向上せず。次第に周囲は冷たくなり、肩身が狭くなって辞めた。


それがついぞ今回で6回目になった。もはや絶望感すら湧かない。


「…あぁ。」


硬いせんべい布団の中にくるまりながら、成人男性の一人暮らしとは思えないものの少なさの部屋に一人、男はこぼす。



「もう、いいだろ。」



俺は、いったいどこで間違えたんだろうか。


「〜♪」


相棒の白い軽自動車に乗り、法定速度の60キロ増しで、オーディオの音楽を爆音にして走行する。時間は深夜2時。完全に不審者で、それでも気にならなかった。


だって、今日は「特別な日」だ。


全てのマナーとモラルを投げ捨て、解放される素晴らしい最後の日だ。


カーブに差し掛かるが、速度を落とさずに全力で曲がる。後輪が浮いたが、持ち直してしまう。つまらない。次はもっと速度を出そうか。


そんな中、反対側から10トントラックが走ってくる。ご苦労なことだ。焦った顔をしてこちらを見ている。安心してくれ。逆走しているのは君じゃないさ。


反対車線を走っているのは、俺だ。


「あはははははは!!ひぃははははは!!」


あぁ、月が綺麗だ。


死ぬには、いい日か。

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