貴方の帰りを待ちます
小鳥の鳴き声で目が覚めた。
エイミーはくるりと寝返りを打った。
すぐ近くにルドルフの顔が見え恥ずかしくなり目を閉じる。
すると鮮明に、昨日の事が蘇った。
私はルドルフにプロポーズされた。
つまり私彼の…
視線を感じ、目を開ける。
「フフっ。おはよう。考え事?」
「おはようルドルフ。昨日のこと考えてたの。」
「ねぇ?ルドルフじゃなくてルドって呼んで」
「ふぇ?!」
愛称で呼んでほしいと言われ、焦って不思議な声がでたエイミーを撫でると、
「ほら、呼んでみて?」
「ル…ルド」
ゆでダコみたいに真っ赤に頬を染めて「ルド」と呼ぶ。
ルドルフは嬉しそうにエイミーを抱きしめる。
「さてと。可愛い奥さんと離れるのは寂しいけど、シュトラール帝国と戦う準備をするか。」
「奥さんって…」
「だって本当のことだろ?照れてる所も可愛い」
昼頃にカイダに帰ってきていた軍人達がシュトラール帝国と戦う最前線に帰る用意が出来たとカランコエまで伝えに来たルチアに言われた。
「わざわざ来てもらってごめんね。」
申し訳なさそうにいうエイミーにルチアは
「気にしなくていいのよ?だって、ここから1歩も外に出てはダメだと言ったのは王なんだから!」
「ありがとう…」
ルドルフはエイミーの頬にキスをすると
「行ってくる。指輪は肌身離さず持ってて。」
と真剣な顔で言った。
「分かってる。早く帰って来てね?待ってるから。」
ルチアはカランコエから、最前線に赴くルチアとルドルフを見送った。
少しだけ、カランコエから出ては行けないと言った王の事を恨めしく思った。