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繁栄の代償  作者: 橘花穏
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3年も経ちました

王が隣国の領地を奪いたいと願ってから3年が経ち、多くの事が変わった。

王は願いを叶えるべく、隣国を侵攻していた。

しかし何を血迷ったのか分からないが、隣国の中で1番強いシュトラール帝国を侵攻していた。

シュトラール帝国は、資源がとても豊かく、多くの種族が住む国だ。

その上、強ければ種族は問わないという「実力主義」な国なので、軍事力が高い。

それなのに、シュトラール帝国に侵攻したのは、南にある獣人の国「ケルコス」の調査に殆どの戦力が駆り出されていて国の護りが手薄だかららしい。

カイダの民の中には、国外からの他種族の移民によって仕事を奪われた者も多かったため、国民達は他種族の多く住むシュトラール帝国への侵攻を支持した。

2年前までは、カイダが優勢だった。

しかし1年前、シュトラール帝国最強の部隊「戦闘狂(ストラーフ)」が帰還したことにより状況は一変した。


戦争が始まった頃は指揮を取るものの王宮にいたルドルフは、今は最前線で戦いながら指揮取っている。

絶対零度の人形(アイスドール)の名前の通り、淡々と敵を滅し、絶対的な強さを誇っているらしい。

しかし、戦況は思わしくない。


エイミーは、王との謁見が終わったその日から王宮に住んでいる。

王宮といっても、本殿ではなく、カランコエという離宮に住んでいる。

不思議な力を持っている事で狙われると危ないということで、使用人兼護衛を1人のを付けて貰った。

しかし、護衛がいても危ないから外に出ては行けないとの事だった。


この3年で1番変わったのは、エイミーとルドルフの関係だった。

ルドルフは自他共に認める絶対零度の人形(アイスドール)だ。

それは戦いだけに関わらず普段も、能面のように無表情だということと、躊躇いなく敵を滅するところからついた名前だ。

しかしエイミーは、一瞬にしてルドルフの能面を崩した。

エイミーがカランコエに住み始めてから、ルドルフは毎日エイミーに会いに来た。

ルドルフは、カランコエに来るとエイミーに色々な話をしてくれた。

また、エイミーの護衛兼使用人のルチア

と手合わせをしていた。

ルチアは、ライトグリーンの瞳にブリュネットの髪色をした少女で、エイミーより2つ年上だと言っていた。

ルドルフの部下で国で3位の実力を誇る精鋭らしい。


2人の関係が大きく変わったのは一年前、つまりルドルフが最前線に行く前夜だった。

普段は会いに来るルドルフが来ないので、窓で頬杖を付いてため息を付いていると、ルチアが

「エイミーは将軍の事が好きでしょ?」

唐突に言われた言葉にエイミーは困惑した。

「えっ?!そ、そんなこと…」

戸惑うエイミーの頬に指をぷにっと押し付けると、

「戸惑ってて可愛い♡フフッ。つい意地悪したくなっちゃった。」

と言った。

ルチアはエイミーの頭を撫でると、

「 今夜は送迎パーティーをしてるから来るのが遅れてるだけだと思うわよ。」

と楽しそうに言うと何処かへ出掛けていった。

「早く来ないかな…」

呟きは、満天の星空に吸い込まれて消えた。


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