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EK-0826

作者: 癸。

 右を見ても、左を見ても、どこもかしこも敵だらけだ。こんな絶望的な状況、いつ以来だっただろうか。


『うわぁ……。こりゃ今度こそダメかもなぁ……』


 俺のパートナーであるチノがぼやく。


「味方の残存数はどれくらいだ」


『あー、ちょい待って……。……ダメだ。電波障害強すぎてなんもわかんねぇわ。見える範囲にゃいるかもしれねぇけど探す気も起こらんな』


 少女の声音に似合わないその口調で、チノがさらに悪い状況を言葉に表す。


「奴らは、……見ての通りだな。数えたくもなくなる」


『お、敵サンの増援出てきた』


 つまり居るかもわからない味方と共に見渡す限りの敵を倒さないといけないわけだ。目の前が暗くなってくるな。


『なぁ、もう帰っちゃおうぜ』


「却下だ。俺たちが今退いたら、それこそ人類の終わりだぞ」


 口では面倒くさがってこそいるものの今まで俺のパートナーとして働いてきたその仕事ぶりは信用に足るものがある。


『ひぇええ……。何度見てもうじゃうじゃ居やがる、きもちわりぃ。一匹見たら何とやらってコレじゃまるでゴキブリだな』


「…………」


 チノの言葉に答えず視界を覆うモニターに表示されている各種パラメータを再度確認する。

 機体に残っているエネルギーはなるべく節約するにしてもせいぜい一時間しか持たない。弾丸の数はもっと心許ない。いずれ機体のエネルギーをビームブレードとして使用することを考えると活動限界は半分ほどになるだろう。


「マインドインタフェースフィードバックシステム起動」


 少しでもエネルギーを効率よく使用するためのキーワードを口にする。


『……いいのかよ?』


 すぐにはシステムを起動せずに、チノが確認を取る。俺が、安全域でマインドインタフェースフィードバックシステムの使用を中断したりしないことを、俺の性質から感じ取ったのだろう。

 これだけの敵の前だ、使ったところで生き残れる可能性がパーミル単位で上がるかどうかだろう。なら使わない理由はない。


「他に方法があるなら見せてもらいたいもんだな」


『まぁ……、ないわなー。しゃあねぇか……。


 マインドインターフェースフィードバックシステム、スタンバイ。……起動』

 チノの言葉に続いて視界を覆うモニターの一ヵ所に「MIF」の文字が浮かぶと、俺の意識はチノの思考と混ざり合っていった。






『あ? んだお前?』


「…………」


「え? あ、すみません! その性格はまだ調整が……」


 それがチノとの出会いだった。人型兵器であるL.E.(LinkExterior)のパイロットの養成所を卒業した俺はパートナーとなる人工知能、通称パルをもらうために研究所を訪れていた。慌てているのは俺を案内してくれた研究所員だ。仮にも階級が上の俺を前に普通に考えれば失礼な言動を取った自分の開発したものに、どう対応すればいいのかわからなくなっているようだ。

 通常はパートナーを決める前に面談なんかをして細かい性格をすり合わし、そうしてやっと大まかな基準となる型番を決めるらしいのだが、そんな七面倒なこと俺はやっていられない。目の前に操作モニターがあったので適当な型番を入れたのだ。


『ははっ、イイ感じに目が死んでやがんのな。気に入ったぜ! オレがオマエのパートナーになってやるよ!』


「……わかった」


「へっ、えっ、あの……」


 慌てる所員を横目に、出てきた設定欄を埋めていく。


『って、おいコラ! 全部ランダムデフォじゃねぇか!』


「……知ったことか」


 最後にランダムで決めることができなかった名前の欄に「チノ」と入れて確定する。


『オマエ絶対「人工知能」とか安直なトコからコノ名前取ったろ。しかもいい感じに外見設定がロリになってやがるし。運がイイのか悪いのか……。

 まあいいや。オマエのパルになるっつった以上は付き合ってやるよ』


「そうか、よろしく」


『うっわ……、社交辞令感パねぇえー』


 続いて画面に表示された、すでに養成所で何度も読んだ注意事項が書かれた文章を流し読みし自分のIDを登録する。


「それじゃあ、ブレインドライブに入れておいてくれ。ホロミナルはあとで部屋に送ってもらえたらそれでいい」


「へぁっ!? ハイっ!」


 勝手に話を進めて勝手に作業を終わらせた俺の言葉に所員の声が裏返っていた。普段は優秀らしいが俺の前では始終オロオロしてるだけだったな。


『最後までそっけないヤツだな、オマエ』


「道具は黙って使われていればいい」


 こうして、チノは俺のパートナーとなった。運命だとかの言葉は信じていないが、この時ばかりは神様の気まぐれが働いていたのかもしれない。




『なぁ、なんか話そうぜ』


「必要性を感じない」


 研修も終わり、いくつかの戦闘を経験した後のことである。しばらく休みを与えられた、というより押し付けられたとき、チノがこう切り出した。自室で机に向かって本を読んでいる最中だった。本から顔の向きを変えずにチノに返事をしていた。普段からつけている、周囲を三百六十度見渡せるようになっているヘッドマウントディスプレイのおかげで、目線を少し変えるだけで周りの状況は簡単に分かる。


『あのなぁ……。もうちょっと自分のパルと仲良くなろうとかは思わないのかよ?』


「仲良くなってメリットはあるのか?」


『戦闘中にお互いの思考が……、ってまぁオマエの場合はそうだったな』


 授業で何度もしつこく言われていたことだな。パートナーとの信頼関係が深ければ戦闘中にお互いが考えていることを理解しあい、それがL.E.の操作性の向上につながるのだとか。確かに単純な人体以上の機構を有する兵器ではあるが、それをわざわざ二つの頭脳を使って操作する意味が分からない。脳波リンクというシステムがもっと安定すればパートナーなど不要になるであろうというのが俺の考えだ。とはいえ、一人で操作することができないのだから二人の間に齟齬があっては支障をきたすため、戦闘中は思考を全て口に出すようにしている。


『暇なんだよー。構えよー』


 いきなり間延びした声でホログラムをだらけさせるチノ。ただ、暇を持て余しているのは俺も同じだ。こんな休みはさっさと終わってほしい。いい加減構えとうるさくて仕方ないが、緊急の連絡も全てこのホロミナルに送られてくるのだから、電源を切るわけにもいかないのが最近の悩みの種になりつつある。


『こんな鬱屈なトコにいないで外にでも遊びに行こうぜー』


「外が気になるならネットでも行けばいいだろ」


『そうじゃないんだってー』


 チノがごねている間に読んでいた本が終わってしまう。


『お!? どっか行くのか!?』


 パタンと音を立てて本を閉じたのを見てがばりとホログラムを起こすチノ。生身でもないのに忙しい限りだ。


「いや、暇つぶしの本もなくなったし、少し早いがもう寝る」


『そんならオレの話に付き合えよ。どうせ大して眠くもないんだろ?』


「……いいだろう。寝るまでなら付き合ってやる」


 寝られるときに寝ておくべきだと俺は思うがこの時はなんとなく魔が差したのだろう。俺はチノの会話に乗ることにした。


『…………。……あー。いざ話そうってなると話題がないもんだな……』


「寝るぞ」


『あっ! 待った待った! えっと、そうだ。オマエ夢ってあるか?』


「夢? レム睡眠時に海馬の記憶整理に伴って映像として記憶野に保存されるとされる夢のことか?」


 それなら以前は割とよく見た方だ。以前見ていた夢は悪夢でしかないが。思えば最近はあまり夢を見ていないな。


『そっちじゃねぇよ! 普通夢が「ある」っつったら未来のこととかそっちの話だろ!』


「そもそも人工知能って夢とか見るのか?」

 素朴な疑問をぶつける。


「……どうした?」


 返事がないのでチノのほうを見ると意外そうな、少し驚いた顔をしていた。


『いや、オマエが話を広げるとは思わなくてさ』


「話さないなら別に構わない」


『話す! 言うから! その自己完結する癖直した方がいいと思うぞ』


 大きな世話だ。俺がどうあろうと俺の勝手だろう。


『人工知能って言ったって一昔前の、結局プログラムに縛られてるようなAIなんかとは違って、オレらは人間の脳とほとんど変わらないからな。少なくともオレは普通に見るぞ』


「そんなものか」


『で、夢はあるのか?』


「ない、な。奴らを根絶やしにできればそれでいい」


 俺から家族を、妹を奪った奴らを。


『まぁ、オマエはそうだろうなぁ』


「そういうお前はどうなんだ」


 よくぞ聞いてくれたとでも言いたげにチノは顔を綻ばせた。……今からでも無視して寝ようか。


『オレはな、歌手になりたいんだ』


「お前音痴だろ」


『うっ……、うるさいな!』


 以前戦闘中に口ずさんでいた、俺でも聞いたことのある曲は盛大に音を外していた。実害は特になかったので放っておいたのだが。気にしていたのか。


「で、歌手になれるのか?」


『オマエ次第だな。オマエが少佐にまで上り詰めてくれたらオレも夢を追えるぞ?』


 そういう意味じゃない。パイロットが少佐の階級になればそのパートナーにも今まで以上の我儘が許されるというのは俺も知っている。

 その音感で歌手が務まるのかという意味で訊いたつもりだったが、わざわざ再度尋ねるのも面倒だ。


「そうか、せいぜい頑張れ」


『オマエ、口数は少ないのに余計な一言は多いよなぁ』


 なら話しかけなければいい。

 夢を語ることが目的だったのだろうか、どことなく満足げな顔を見せたチノが黙ったため、俺は今度こそ睡眠をとることにした。俺が会話を切り上げて眠る体勢に入ったのだと察したチノは、


『……おやすみ』


「あぁ、おやすみ」


 少し寂しそうに就寝の挨拶を送るのだった。



 また時間はしばらく進む。

 実歴を重ね、少尉から中尉へと進級した俺は、小隊をまとめる小隊長を任されていた。もっとも、無口な戦闘狂と噂されている俺の元には軍の中でもあぶれた者しか集まって来なかったうえ、ほとんどがすぐに階級を二階上げさせてしまっていたが。

 珍しくうちの小隊からは一人も戦死者が出なかった戦闘が終わった後のロッカーロームでのことだ。俺が着替えをしていると先ほどの戦闘に参加していたメンバーの一部が立ち話をしていたのが耳に入ってきた。


「その話マジっすか!?」


「おう、割と簡単に申請通るもんなんだな!」


 興奮気味に会話をするグループ。着るのは一瞬のくせに脱ぐのにやたら時間を要するパイロットスーツに悪戦苦闘する間、得意げに声を張る大男に注目してみることにした。名前は残念ながら思い出せない。


「せ、先輩、そのカスタムしたっていうパル、見せてくださいよ」


「おうよ、こいつだ!」


『ケインはん、いややわぁ。ウチはそんな他人様にお見せするような立派な体しとりませんえ?』


 ケインと呼ばれた大男が取り出して見せたホロミナルの上で、肉付きがよく、和服に身を包んだパルが身をくねらせる。特に変なところは見受けられないが、ケインのことを先輩と呼んだ眼鏡の青年にはそうでもなかったらしい。鼻息を荒くして目に見えて興奮している。何がそんなにおかしいのだろうか?


「先輩の前のパルって確かBN-1903型でしたよね? それでこの鈍りってことは……、KT-2022型を上書きしたんですか!?」


「いや、その前にUE-6825を乗せてる」


「なるほど! この鋭い目つき、確かにその雰囲気もありますね……!」


『さすがハイルはんやわぁ。よくそれだけぴたりと当てられるもんやねぇ』


 心なしかハイル氏から距離を取っている。横で聞いてるチノでさえドン引きしてるのを見るところ、心なしで済ませるあたり立派といったところか。

 要約するとつまりはある型番のパルに別の性格を持つ型番を上書きすると、全くとはいかないまでも今までにない性格のパルが生まれるということらしい。

 自分に宛がわれたパルとどうしても合わないと感じたとき、申請さえすれば自分に合うパルを再選択できるのだ。そのときに作り替えられたパルが以前の記憶のせいか、同じ型番の物と若干違う性格をしていたというのが彼らの話の大元だ。ラボとしてはこの方法はパルの人格を破壊する可能性があるから控えてほしいそうだが、オリジナルのパルというのは魅力があるのか、性格が合わないわけでもないのに変更申請を繰り返してパルの性格を変えることが流行っているという。なお、これは誰も求めていないのにハイル氏が一気にまくしたてた内容である。


「ってことはボクのレイはDM-6729型だから……、AH-4436型を足せば……」


『あ、あの……、マスター? 若干、その、目が怖いです……』


 気弱そうな、レイと呼ばれたパルが不憫になるくらい怪しく眼鏡を光らせたハイル氏は、ぶつぶつと呟きながら自分の世界に入って行ってしまった。


「そういえば、ケインさん」


 一人で妖しく笑い始めたハイル氏を放置して、話を聞いていた一人がケインに話題を振る。うちの小隊の一人、名前はニーシャといったか。


「型番の一覧とか、人気とかどんな性格かとかが分かるようなものとかってあるんですか?」


「お? お前もカスタマイズに興味があるのか?」


「いえ、うちの隊長が難儀そうな性格のを使ってるんでね、ちょっと気になったんですよ」


俺のことか。余計なことを。


「ふむ、型番一覧なんかはそこの、世界創造してるやつが一番詳しそうだが。聞きたいかは別にして」


「ですね」


 すでに人間として数えたくない領域に達してしまったハイル氏を見て頷くニーシャ。


「性格もこいつに訊けば一発として、人気なんかも調べたらすぐわかるんじゃないか? 別に違反とかじゃないから軍管理の掲示板なんかでトピも立ってるしな。悪いが俺はすぐにはわからん。すまんな」


 それを聞いてニーシャは早速ホロミナルを操作し始めた。掲示板をのぞいたりでもしてるのだろう。

 いい加減着替え終わった俺は自分の荷物をまとめると、話を続ける集団の横を通り過ぎて自室へと足を向ける。通り過ぎる時にニーシャが気づいて気まずそうにしていたが特に何も言わずに廊下へと出た。


『な、なぁ……』


 のんびり着替えながら雑談を続ける人の声が聞こえなくなった頃に、チノが俺の顔を伺うように声を発する。


「なんだ?」


『さっきの話だけどよ、オレの性格、変えようとか思わねぇのか?』


「面倒だ」


 何かと思えばそんなことか。


『面倒って、オマエ……』


「そんなどうでもいいことで俺が動くわけないだろう」


 そのことはチノが一番よく知ってると思っていたが。


『そ、そうだよな……。へへ……』


 変な奴だ。




「MIF?」


 俺の撃墜数が二百を超えた記念式典の折、声を掛けてきた技術主任の話の中から、聞きなれない言葉を耳が拾った。


「そ。マインドインタフェースフィードバックシステム。その頭文字をとってM・I・F」


 ディアンと名乗った妙齢の技術者が言うにはパイロットである人間の脳波とパルである人工知能の思考回路とをリンクさせることで一時的に莫大な処理能力を得ることができる。それにより反応速度や予測能力も格段に上がり、これまでこちらを翻弄してきたタイプの敵にも打って出ることができることが最大の利点だろう。


「ま。もちろん、危険もじゅ~ぶんにあるんだけどねぇ……」


 一つの脳に二つの人格が存在したことはあれど、二つの脳を一つの人格にまとめた例など過去にない。実験でのこととはいえ人工知能同士の結合でさえ、かなり相性が良くなければ十分も経たずに双方ともに発狂してしまったそうだ。


「そんでー、新しい機体に試験的に積み込んでみたのよね」


 危険ではあるが今まで手も足も出なかった相手に一矢報いることができる、という魅力はかなり大きい。聞いた限り軍への標準配備が管理待ち望まれるシステムと言えるだろう。


「それを、なぜ俺に?」


 次に来るであろう言葉を予想しながらも、くたびれた白衣がどうも堂に入った人物が口を開くのを待つ。


「わかってるんでしょ? そのテストパイロットをやってほしいと思ってるのよ」


「俺でよければ、喜んで」


 この提案を、俺は一も二もなく承諾した。少しでも奴らを討てるなら力があるに越したことはない。未来のことはわからないが、この時の選択は少なくとも間違っていないと、俺は確信していた。


「とりあえず辞令が出るまでは、今のまま任務を遂行してもらうことになるわ」


「はい、わかっています」


「じゃ、そういうことで。よろしくね~」



 辞令はそう時間を置かずに俺の下に届けられた。話をしてから二戦したくらいだっただろうか。根回しはすでに終わっていたのだろう。エースパイロットの一人に数えられる俺が前線から引くことに難色を示した人もいたらしいと後から聞いたが、そういった人たちも新たなる力の誘惑には勝てなかったようだ。

 辞令が来てすぐに、俺は軍に入ってからもっとも長い時間お世話になった戦艦、カデンツァの館長に挨拶を済ませて船を降りることにした。お前がいなけりゃ死人が増えるな、と漏らした艦長にもう一度礼をして退室する。

 自分でも、いつの間にかこの船を帰る場所と定義していたらしい。少なくともしばらくは、再び踏み入れることのない船内を見渡すと感慨深いものを感じる。


『じゃあな』


 すでにまとめてある荷物を取りに自室に戻るとチノがぶっきらぼうに声を掛けてきた。今まで幾多の戦場を駆け抜けてきた相棒であるが、機体に備え付けられた電脳である以上そう簡単に別の機体に移せないらしい。それにこれから行う実験は人間の俺にとってもかなり危険なものだ。人格が破壊される可能性があると聞いて、俺がチノを連れて行くことを拒否したのだ。

 心配とかそういった感情ではない。最悪、優秀である兵士を同時に二人も失うことは人類にとって不利益であるとの判断の結果だ。


「ああ」


 短く返してカバン片手に部屋を出る。その間際にチノが泣きそうな顔で唇をかみしめて見せたのを、俺は確かに視界に収めながら、しかし見なかったことにした。



「うっ……、ぐぅう……」


 コクピットから外に飛び出して、俺は未だガンガンと揺れる頭を押さえてその場に丸まる。地上であれば脇目も振らず倒れこんでいたところだ。


『すごい……、こんな長い時間……』


 スピーカーがオンになっていることも忘れて、ディアンが声を漏らす。

 技術研究部に配属となった俺は完成間近となったシステムの最終調整に携わっていた。人工知能とはいえ、他人の脳と一つになるのは思っていた以上に苦痛を伴うらしい。まだ痛む頭を抱え、だんだんと落ち着いてきた思考で主任の次の言葉を待つ。


『十七分四十七秒。すごい記録だけど、少し無理し過ぎよ。今日はもういいわ、しっかり休んでなさい』


 痛みが大分引くのを待って、それでもまだ痛む頭を押さえて実験場から出て自室へと戻る。

 この場面だけを見た人間には誤解されそうだが、実験と言っても非人道的な実験の類は何一つ行われていない。今日の実験は俺の人格が壊されずに保っていられる安全域を算出するという実験だったのだ。AI同士の最初の実験では一分ともたず人格が壊れたと聞いたが、今ではどんな人間とパルの組み合わせでのリンクでも十分は安全だと言い切れると主任は語っていた。それでも、安全を最優先し、MIFシステムが使用できるのは二十四時間に五分だけに設定するそうだ。

 そんな日々がしばらく続いたある日、ディアンがこんなことを言ってきた。


「そろそろデータも十分になってきたし、あなたには実戦に出てもらってさらにデータを取りたんだけどいいかしら?」


「もちろん」


 願ってもいない申し出だ。この数ヵ月間、どれほどがまんしてきたことか。


「それで機体に積むパートナーAIだけど……、何か希望はあるかしら?」


「そうですね……」


 ふと、二年来の相棒の顔が浮かんだ。波長の合う人間がおらずにアーカイブで眠っているとのうわさを聞いている。


「その機体に、チノを乗せることってできますか?」


「同じ型番が好みならすぐに用意するわよ」


「いえ、前の俺の機体に乗っていたものです」


 一体何に固執しているのか、俺は俺の口をついて出た言葉に戸惑いながら、それでも主張し続けた。


「そうね……、ちょっとだけ時間がかかるけど可能よ」


「では、それでお願いします」


「おっけー。明日までに載せとくわ」


 そうして俺は新たな力をもった機体、プレスティとともにかつての相棒を手に入れたのだった。


 新しく渡されたホロミナルを起動すると同時に、見慣れた少女がホログラムで現れる。寝起きのような表情のチノは、徐々に覚醒すると俺の顔をその視界に収めた。


『オマエ……、どうして』


「…………」


 俺は何も応えない。応える必要も特にないだろう。


『実験はどうしたんだよ。MIF……、だっけか』


「ああ。滞りなく進んでいる。次から実戦でのテストだそうだ」


『で、なんだ? どれほど出世したかってのを見せびらかしにでも来たのか?』


 どことなく言葉にとげがあるのは俺の気のせいだろうか。


「違う。新しい機体のパルにお前を選んだ。それだけだ」


『……っ! そっか』


 一瞬面食らいながら、それでもすぐににやにやと不気味な笑みを顔に張り付けてチノが言う。


『アレだな、オレ以外じゃオマエのその無口さに耐えきれなかったとかそんなトコだろ』


 茶化すチノを気にせずに連絡事項を伝える。口に出すまでもないかもしれないことだが、一応伝えておかなければいけない。


「操作系統が前のラルガメンテとは変わっているところが多いらしい。ディアンはすぐに理解できると言っていたが出撃するまでには一度触っておけ」


『了解』


 伝えるべきことを伝え終えると俺は新しい本を取り出して読み始める。そんな俺をチノは不思議そうな顔で眺めていた。


『……なんつうか、オマエ変わったよな』


「そうか?」


 視線を本から外さずに応える。こんな対応も慣れたものだとばかりに、特に気にした様子もなくチノは続ける。


『ドコがどうとかじゃないんだけどな。そっけなさは相変わらずだし』


「…………」


 それは変わったと言えるのだろうか。黙ったチノの代わりに、パラリとページをめくる音がしばらく部屋に響く。どれだけそうしていただろうか、生暖かい目で俺を見ていたチノが不意に声を発する。


『……ま、いいや。新しい機体……、プレスティだったか? さっそく見に行ってくるぜ』


「ん」


 ちらっとだけ視線を送ると、チノはホログラムを消してしまった。それから、新型の機体が気に入ったのか、はたまたどこか別の場所に遊びに行っているのか、新型機体の試験起動実験を行うということで召集がかかるまでチノは戻らず、その間俺はひたすら静かに本を読み進めた。


 実験場に行くと、すでに新型機は準備万端といった感じでコクピットを開けて俺を待っていた。


『オイ、早く乗れよ。ボーっとしてんな』


 チノに急かされるまでもなく見慣れぬL.E.に乗り込む。

 人型兵器であるL.E.は通常、人体で言うところの頭部にパルの電脳が積まれ、心臓部に生身である人間が乗り込む形となる。コクピットも旧世代の、椅子に座って操縦桿を握るようなものではなく、自分の体を動かすのと各部の挙動をリンクさせるようなものとなる。ここがL.E.が外装と呼ばれる所以だ。従来の戦闘機であればいざ知れず、人型ともなればその複雑で細かい動きをたった数個のボタンに集約できるはずもないのだ。

 L.E.がただ人型であるだけなら搭乗者は一人で済んだのだろうが、実際にはエネルギーの管理やブースターを使用したりと体一つで機体一つを制御するのは難しい。人型という複雑な機構をしているならなおさらだ。パルはそのためにL.E.に搭載されており、パイロットの手が回らない電子的な機能操作を担当している。

 操作センサーが俺の体を包んだのを待っていたかのように背後からコードが伸び、俺の付けていたヘッドマウントディスプレイに接続される。先ほどまでコクピット内部の様子が表示されていた画面が一瞬暗転し、次に点いたときには実験場内部が映し出される。軽く手を動かす。俺の体が動くのに連動してL.E.のフレームが動いた。何度もやっているから慣れたものだが、まるで自分が巨人になったかのような感覚だ。


『さすが新型機だけあるな。ラルガメンテと比べて一段も二段も性能が上だ』


 軽く動作を確認しながらチノが呟く。確かにこれで中に存在する意思が一つになれば、かなりの戦力増強が見込めるだろう。

 もう少しだけ動作を確認したのち、起動試験を行うべくディアンの指示を待つことにした。


『それじゃ、準備はいいかしら?』


 通信越しにディアンが問いかける。


「問題ありません」


『いつでもイイぜー』


 応えた俺たちの声を受けてか、万全を期すために隔壁が下ろされた。


『おっけー。タイミングはそっちに任せるわ。好きなタイミングで初めてちょうだい』


「了解。マインドインタフェースフィードバックシステム、起動」


『マインドインタフェースフィードバックシステム、スタンバイ。……起動』


 俺としては慣れた感覚。頭の中に別の人間が入ってきて、それが溶けていくような感じだ。初めのころは結構な異物感があったものだが、すでに何十回と繰り返したことだ。抵抗することもなく、チノを受け入れていく。


【ひっ……、あ……】


 MIFが完全に動作を始めたころ、恐怖を感じた。いや、これは俺の感覚じゃない。チノが生み出した感情だ。


(怯えるな。どうせすぐ終わる)


 自分に言い聞かせるように頭の中だけで思考する。声を出そうとすると、下手をすれば二人の声で同時にしゃべってしまうため混乱してしまいそうになる。


(起動テスト、開始する)


 一度そう念じてから俺は体を動かす。機械周りのことも自分の思うように動かせることに少しばかり驚いてから、ゆっくりと動きを止めた。


『あぐぅうう……』


 異動の前の試験起動。MIFを切った直後、チノは頭を押さえてうずくまって見せた。この研究所に配属となった当初の俺にも記憶がある。今ではだいぶ慣れたものだが、さしずめMIFシステムを体になじませる通過儀礼といったところだろう。

 機体から起動キーであるホロミナルを取り出してから降り、モニタールームへと足を運ぶ。慣れとは怖いものだ。初めのうちは俺もチノと同じような苦しみ方をして動くこともままならないほどだったというのに。


「うん、これなら適合率もばっちりね。型番見たときは相性が合うかどうか不安になったものだけど、問題がなくてよかったわ」


 試験起動の結果を見てディアンが満足そうにうなずく。


『オマエ、よくこんな実験してられるな……。痛みとか吐き気とかってこんな感じか? こんな感覚初めてだぜ……』


 モニターを見たまま操作をし続けるディアンを尻目にチノが絞り出すようにうめく。味わったことのない感覚にずいぶんと参ってるようだが、この程度ならすぐに乗り越えられるだろう。


「慣れろ」


『あーあ、こんなことなら復帰しなけりゃよかったな……。さっきまで浮かれてたのがバカみたいだ……』


 と言っても人工知能であるチノにパイロットの希望を拒否するという選択権は現状では与えられていない。俺の階級があと二級上がらなければそんな要望も無駄だろう。


『相手がオマエなだけまだマシと思うしかないのかねー。それともむしろ更なる不運か?』


 言っても詮無いことだが言うだけは自由だ。なおも不平を漏らすチノはとりあえずおいておき、操作を終えたのかこちらに向き直ったディアンに意識を向ける。


「それじゃ、二人はこれから技研として特殊部隊に配属されることになると思うわ。これからMIFを搭載した機体を増産して、あなたの部隊はより強化されていく予定よ。忙しくなるわね」


 望むところだ。再び赴くことになる戦地を思いながら、俺はゆっくりと頷いた。




『緊急任務だとよ、呼び出しかかってるぜー』


 個室に備え付けられたシャワールームから出るとチノのそんな声が出迎えた。


「わかった」


 返事をして身支度を整え、適当な範囲で髪を乾かしてホロミナルを手に部屋を出る。

 ブリーフィングルームにはすでにほとんどのメンバーが集まっていた。俺が到着してほどなくして全員が集合し、今回の作戦の概要についての説明がなされる。すでに人生で最も長い期間を過ごしたこの戦艦、カデンツァは改修を重ね、俺の所属する特殊部隊の旗艦として戦功を重ねていた。


「ついにやつらが本気を出したって情報が入ってきた。いわゆる総力戦ってやつだな」


 定年で退役した前任者に代わって館長となったバーナード大佐が口火を切る。一見して優男と見られても不思議でない風貌をしているバーナードだが、その判断力は精鋭をまとめるだけあってさすがの一言である。


「ロンドロック宇宙基地の虎の子、ヴィヴァーチェを撃ったと聞いたが連中の半分も減らせなかったそうだ。んで、緊急任務としてうち他いくつかの部隊に、次弾が撃てるようになるまでの時間稼ぎが依頼されたわけだな。

 いつもなら細かい作戦を伝えるところだけど、今回はそんな悠長なことは言っていられない。すでにこの艦は攻撃を受けているロンドロック基地に向けて進路をとっている。出てって奴らを殲滅しろ、味方を撃つな。俺から言える指示はこれだけだ」


 ロンドロックと言えば宇宙基地でも最大級のものだ。正直、そこを落とされれば人類の未来はないと言っても過言ではない。そこを、奴らが今までにない数で攻めているのだ。


「ロンドロックまでの時間は走って今から一時間くらいだ。正直これ以上何をどう説明すればいいか迷うところもあるんだが、何か質問は?」


 何人かが確認程度の質問をしたあと、バーナードはブリーフィングを締めくくる。


「まあ、そんなところだ。あとは各々の持ち場で待機していてくれ。ある程度ならオープンチャンネルでも質問を受けよう」


 言い終えると大佐は部屋を後にし、ブリッジ方面へ移動していった。俺も早く格納庫へと行くとしよう。





 やっと時系列は現在に追いつく。

 マインドインタフェースフィードバックシステムを起動した俺たちは一つの思念体となり、襲いくる奴らを片っ端からぶっ殺していた。


【……なぁ、一つ聞いてイイか?】


 唐突にチノが思念を送ってくる。


(なんだ?)


 度重なるMIFの使用により、俺たちは意志を共有すると同時に明確な自分たちの自我を分けることを学んでいた。思考だけで会話することも慣れたものだ。

 普段であれば作戦行動中だと咎めるところだが、今日はなんだかチノの会話に乗る気になった。この程度、プレスティの操縦に支障はきたさない。


【なんでオレだったんだ?】


(どういう意味だ?)


 素直に、わからない。呆れたチノが補足する。


【オレを選んだ理由だよ。オマエに合いそうな型番なんざ、ソレこそオレ以外にいっぱいあったろ?】


(そんなことか)


 簡単なことだ。


(俺のイニシャルと誕生日をつなげて入れたらお前の型番だった)


 それだけのことだ。割とどうでもいいと思っていたことだが以外にもしっかり覚えていたらしい。


【そ、そっか】


 チノの嬉しいという感情が流れ込んでくる。


【なんか、運命みたいだな】


(俺はそんなもの信じてはいないがな)


【つれねぇなー、……っと】


 弾切れか。退こうにも奴らに後ろに回り込まれている。そもそもカデンツァが無事かもわからない状況だしな。


【ヴィヴァーチェのエネルギー充填までどんくらいだっけ?】


(予定じゃあと十分だな)


【んじゃ、ソレまでビームブレードで凌ぐしか生き残る道はない、かぁー……】


 すでにMIFを起動してから十五分は過ぎている。俺の安全域は十七分、何秒だったか。こうなってくるとアラートが耳障りでしかない。


(行くぞ)


【当然】


 短い言葉を交わし、飛んでくる敵を睨む。すれ違いざまにビームブレードで斬り伏せ、直後に反転。回転に乗せて右と後ろから来ていた敵を両断し。頭を屈めて砲撃をやり過ごす。


【ホンっト……、キリがないな……】


(弱音はいてる暇はないぞ)


 しばらく無心に敵を撃退していると、俺は不意に昔のことを思い出していた。養成所を卒業して軍に入った時にチノをパートナーと選んだこと。半ば強引に夢を語られた。思えばあれがほとんど最初の、まともな会話だったな。

 型番の上書きで性格を変えられると知っても、俺は面倒だからと変わらずチノを使ったっけ。新しいシステムの実験のために一度はチノと別れたけど、それでもこのプレスティに乗ると決まった時、再びチノを呼び戻したんだった。思えば、隣にいるのはいつもチノだった。

 その思い出を懐かしいと――。


 ――いや、これは俺の感情じゃない。確かに代えがたい記憶ではあるが、この感情の主は、


(……チノ、お前)


【へ、へへっ……。そりゃ、まぁ。バレるわなー】


 俺の指摘にチノが照れる。別におかしなことではないと思うが、本人は恥ずかしいのだろう。こっちにまで紅潮してしまいそうだ。


【さっきのこともだけどさ、オレ、嬉しかったんだ】


(…………)


 斜め前を一閃。チノの言葉の続きを待つ。


【最初は、さっきの聞く限り偶然だったんだろうけどさ。でも、結局変えずにオレを選んでくれて。

 オマエが技研に行ったときは、ついに見放された……って思っちまって、そんで不貞腐れてたらアーカイブ送りにされたけど、それでも結局また呼び戻してくれてさ。

 それから、ずっとオレを隣に置いてくれたろ? 性格が合わないなら変更の手続きだってできたのに、それでもずっと置いてくれたんだ】


(……今日はやけに饒舌だな)


 これが戦場でなければ真剣に相手を見つめる場面だろう。しかし残念ながらここは敵陣のど真ん中だ。襲いくる敵のビームブレードを付き差し、すぐに次の危険を探知する。


【たっ、たまにはイイじぇねぇか仕事はちゃんとしてるんだしよ】


(お前「死亡フラグ」って知ってるか?)


【東洋のサブカルチャーで言われてる、口にしたら次の展開で死亡するってジンクスだろ? ネットしてる時間はオレの方が長いんだぜ、そんくらい知ってるさ】


 MIFの稼働時間はすでに二十三分。安全域など当の昔に超過していた。


(自分のセリフにその覚えは?)


【二階級特進じゃねぇか、やったな! 念願の少佐サマだ!】


(死ねと言いたいのか)


 エネルギーも残り少ない。ビームブレードを展開するのも一回が限度だろう。


【だってよ、この状況だぜ? こうなったらもうあとは――】


 右から二体、上から一体、前から三体。俺の命運もここまでか。


(【――自爆しかない】)


 ――DestructSequenceBoot


 自らの命を賭して敵を屠るためのカウントダウンが始まる。見えている敵がこの機体に到達するまでにはシステムは完成するだろう。あとは砲撃をよけるだけだ。

 しかし、その文字と同時にMIFが終了され画面にもう一つのシステムが起動したことを示す文字が現れる。


 ――PilotEscapeFunctionActivate


「は? おい、チノ?」


『…………』


 チノは応えない。ホログラムを表示していないから、その表情を伺うこともできない。


「やめろ! なんのつもり――っ」


『オマエは、さ。こんなトコで死んじゃダメだよ』


 辛い感情が、どうしてもその声には乗っていた。無理をするならこんなことしなければいいものを。


「何言ってんだよ!」


 気づくと声を荒げていた。自分でも不思議だ。こんな感情、すでになくしたと思っていた。


「そうだ、人工知能って言ってもデータだろ!? ならお前を転送すれば――」


『ドコに転送するつもりだよ』


 苦笑気味の声で俺の言葉を遮る。何かを諦めた感じさえするその声は決して震えてはいなかった。


『それに、容量が容量だ。そんな時間オレには残されちゃいないのさ』


「じゃあ、どうすればいいんだよ!!」


 脱出機構は着々と進んでいるのか、すでにディスプレイとプレスティとの接続は切断されている。

 操作センサーも体の端から離れていき、俺は成すすべもなくプレスティから切り離された。


『お前がそんなに言ってくれるなんてな。正直嬉しいぜ』


 ホロミナルを設置する箇所が開いて、いつもはチノを映していた、掌大の機械が吐き出される。慌てて手を伸ばし、思わず力を込めて、つぶれるほどに握りしめる。


『ワガママになるけど、ソレ持って行ってくれよ。よければ大切にしてくれ。』


「夢があるんじゃないのかよ!? 歌手になるんだろ? 希望なんてない俺よりお前が生き残るべきだろうが!! こんなことで諦めるのか!?」


『……覚えていてくれたのか。ホント、最後の最後に泣かせてくれるよな。


 でも、生き残るのは人間のオマエだ。人工知能でしかないオレが一人で残っても、何もできないんだよ』


 ――PilotEscapeFunctionComplete

 ――DestructSequenceStandby


 俺の訴えもむなしく、コクピット内に表示された文字は悲痛にも別れの時間を告げた。


『じゃあな、サヨナラだ。オマエと過ごした時間、楽しかったぜ』


 ゴウン、という振動がしたかと思うと体を揺さぶる衝撃が襲う。コクピットの空間が変形した、パイロット離脱用のカプセルらしい。一部が強化ガラスでできたその内部からは俺の機体、プレスティが――爆発するのが見えた。


「チノぉぉぉぉおおおおおおおお!!!!」


 叫んだ先の真空を、充填の終わったヴィヴァーチェが、光で満たした。

お読みいただきありがとうございました。

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