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  作者: ひよ
7/22

空がいた世界3

「あの、これからタメでもいいですか?」

直葉が顏を覗き込みながら言った。

私が答えようとすると、先に空が言った。

「いいよ。――ね、友達にならない?」

すると、直葉と琴海は嬉しそうな表情で、同じタイミングで口を開いた。

「うん!いいよ!!これからよろしくね!」


みんなでたくさんしゃべっていると、空がお茶を飲みながら言った。

「あれ?そういえば、二人はウチラと同じ高校だよね?何年生なの?」

「えっと私たちは今一年生で1組だよ?空と花は?」

直葉が空の質問に答えて、次に私たちに聞いてきた。

その言葉に対して、私が答える。

「私たちは、2組なの。違うクラスだね・・・」

花は少し残念そうに言った。

すると、空が明るいトーンで喋り出した。

「でもまぁ、休み時間とかに会えばいいし、同じ学校だから、いつでも会えるよね!そこまで気にしなくていいじゃん!」

「そうだね」

直葉は笑顔で言った。

空が、喋り出すとなぜだか周りが明るくなるような気がした。

私もそんな空に助けられてきた。

そんな空が大好きだった。


私たちは、結構長居してしまったため、帰ることにした。

「あ、直葉たちはそっちなんだ。ここでさよならだね~。」

空が微笑しながら言った。

そして、琴海が言う。

「そうだね。それじゃあ、また明日!」

「またね~」

私と空は直葉たちに向かって、手を振った。

くるりと向きを変えると、二人いっしょに歩き出した。

すると、空が明るくしゃべりだした。

「また友だち増えて良かったね~。これからも仲良くできるといいね!」

空がにこにこしながら言った。その言葉に対して、私も口を開く。

「うん、そうだね。あ、あのさ今から空の家行ってもいい?」

そういうと、空は少し顏を曇らせた。

「・・・どうして?」

「そういえば、一回も行ったことないなぁって思って・・・。あ!だめだったらいいよ・・・?」

「ごめん。家は・・・無理なの」

「そっか」

そこで、少し空気が重くなった。

どうして行ってはいけないのか?すごく気になってしまった。

中1の夏に知り合って、一回も行ったことがなかったのは、家の話題が出たことがなかったからだ。

そのことを、いつも不思議に思っていた。

今回やっと言えたが、結局いけない。

空は、何か隠してるのかな。

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