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ムネモシュネの箱 ― 73Hzの永遠 ―  作者: 大西さん
第三章「侵食の始まり」
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第85話「新しい朝」

12月5日 金曜日 午前7時


凛は目が覚めた。いつもより早い。


窓の外はまだ暗い。冬の朝。


凛はベッドから起き上がった。


心拍数を測ってみる。手首に指を当てる。


ドクン…ドクン…ドクン…


15秒で17回。1分で68回。


まだ正常。逆位相音のおかげ。


でも、いつまでもつか。時間は刻々と過ぎている。


窓を開ける。「ガラガラ」という音。


冷たい空気が部屋に入ってくる。肺を刺すような冷たさ。


深呼吸。肺を満たす。


生きている実感。


まだ私は私だ。記録に完全には支配されていない。


「今日も――」


凛が呟いた。


「頑張ろう。5つのメディアを集めて、記録を消去して、元に戻る。そして、みんなを助ける」


美波が起きてきた。寝癖のついた髪。


「おはよう、凛」


「おはよう」


「今日は何する?」


「調査の続き」


凛が答えた。


「SNSの監視。フリマアプリのチェック。そして明日のカセットテープに備える」


「分かった」


美波が頷いた。


「一緒にやろう」


二人は朝食を食べた。トースト、卵、コーヒー。


そしてまた戦いの一日が始まる。


記録との戦い。73Hzとの戦い。


でも、まだ希望はある。


5つ集めれば元に戻れる。


そう信じて、二人は前に進む。


窓の外で、朝日が昇り始めた。


新しい日が始まった。

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