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ムネモシュネの箱 ― 73Hzの永遠 ―  作者: 大西さん
第三章「侵食の始まり」
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第84話「カセットテープの到着予定」

夜。


凛と美波は凛の部屋に戻った。


一日中フロッピーディスクの解析。疲れていた。目が疲れている。肩が凝っている。


でも、希望も見えた。


5つ集めれば上書き消去できる。元に戻れる。


「明後日――」


凛がカレンダーを見た。壁に掛かったカレンダー。


「12月6日。カセットテープが届く。それを見てどうなるか……」


美波が心配そうに見る。


「大丈夫」


凛が言った。


「逆位相音あるし、あなたがいるし。きっと大丈夫」


でも本当は不安だった。


VHSを見た時、あれだけ影響を受けた。


カセットテープはもっと強いかもしれない。感情の記録。聴覚の記録。


音だけで意識を侵食する。


「凛」


美波が言った。


「もし、もし何かあったら、すぐ止めるから。一人じゃないから」


「ありがとう」


凛が微笑んだ。


「美波がいてくれて、本当に良かった」


二人はしばらく話していた。


これからのこと。5つのメディアをどう集めるか。どうやって同時再生するか。


上書き消去が成功したら、どうするか。


話は尽きなかった。


そして午後11時。


美波が言った。


「そろそろ寝よう。明日も調査続けないと」


「うん」


二人はそれぞれ横になった。部屋の明かりを消す。


暗闇。静寂。


凛は目を閉じた。


でもすぐには眠れなかった。


頭の中でいろんなことが渦巻いている。


父。母。美月。美波。柳沢正臣。美咲。真理子。


そして73Hz。


すべてが繋がっている。見えない糸で。

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