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ムネモシュネの箱 ― 73Hzの永遠 ―  作者: 大西さん
第三章「侵食の始まり」
72/132

第71話「購入者の追跡」

「ねえ、美波」


凛が言った。


「marie_1985から買った人、追跡できないかな」


「追跡?」


「うん。この人たちが今どうなってるか、知りたい」


美波は少し考えて、そして言った。


「できるかも。フリマアプリって購入者のプロフィール見れるでしょ。そこからSNSとかたどれるかも」


「やってみよう」


二人は評価コメントを一つずつ見ていった。


最初のコメント。


ユーザー名:kana_1992


「素晴らしい商品です。73」


このユーザーのプロフィールを開く。


自己紹介文:「レトロメディア愛好家。音楽と記録が好き。73」


出品リスト:


「記録されたカセットテープ - 500円」

「母の声 - MD - 500円」

「思考の断片 - フロッピー - 500円」


すべて――marie_1985と同じタイトル。同じ価格。


「この人も出品してる……記録を広げてる……」


美波がさらに調べる。


「SNS、リンクしてる」


彼女はkana_1992のInstagramを開いた。


そこには写真が並んでいた。


最近の投稿。12月1日。


自撮り写真。30代くらいの女性。笑顔。


でも――その目がどこか虚ろ。焦点が合っていないような。


キャプション:


「最近、とても幸せです。一人じゃなくなりました。みんなと繋がっています。73 #幸福 #記録 #73Hz」


コメント欄:


「私も!73」

「同じです!73」

「幸せですね!73」


すべてのコメントに73。


「これ……」


美波が震えた声で言った。


「もう、手遅れかもしれない……」


凛は次の投稿を見た。


11月30日。


VHSテープの写真。


キャプション:


「届きました。これから見ます。楽しみ」


そして、12月1日。変わった。完全に人格が変わった。


たった一日で。


「VHSを見て、一日でこうなった……」


二人は他のユーザーも調べた。


takeshi_1988 yuki_1995 miho_2000


すべて同じパターン。


VHSを購入。視聴。そして人格が変わる。


SNSの投稿が変わる。すべてに「73」が現れる。


そして、自分も出品者になる。記録を広げ始める。


「ネズミ講だ……」


美波が呟いた。


「いや――これは感染だ」

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