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5話 幼馴染み

「ねぇシャロン!ウチ『転移者』に会いたい!」


ウンベールとの日課が始まってから2年の歳月が流れたある日。

幼馴染みのミーシャが私の部屋へ押し掛けてきた。


「ミーシャ、急にドアを開かないでってあれほど……。」


「まぁまぁ。この前着替えの最中に入っちゃったのはもう謝ったじゃん。」


そう言いながら私のいるベットまで移動し、隣に座ってくる侵略者。

ふわふわしたピンクの可愛い髪を揺らし、アメジストの円らな瞳で見つめてくる。


「そうやって見つめたら、私が何でも許すと思ってるだろ。」


「エヘヘ〜」


最近私は、他人と話す時にも男性口調が出るコトがある。女性らしい言葉遣いにも慣れてきたけど、時折荒くなってしまうのだ。ウンベールが嫌がるので、家族の前では出さないようにしている。


「で、『転移者』ってなんなの?」


「知らない?シャロン。偶に他の世界から道に迷って来る人がいるんだって。そういう人を『転移者』って呼ぶらしいよ。」


好奇心旺盛なこの幼馴染みは本当に色んな事を知っている。

というか、他の世界から来ただって!?

私と同じ様な人が他にもいるのか。けど、転生者じゃなくて転移者らしい。


「でね!お隣のアンバーさんが、森を1人で歩いてる人を見かけて、見慣れない服装だったからもしかしたら『転移者』じゃないかって!」


確かにそれはぜひ一度会ってみたい。会ってみたいが、それは難しい。


「あのねミーシャ、ミーシャの両親も言ってたけど、私達が森に入るのは凄く危ないの。魔物に襲われたらひとたまりもない。」


かつて独りでに森へ入ったお馬鹿さんもいたがそれは例外。前世で男だった私はともかく、ミーシャは産まれながらの女の子だ。魔物の魔力波を相殺できないこの子を森へ連れて行くのは危険過ぎる。


「えー!会いたい〜!会いたいよ〜!」


ジタバタと駄々を捏ねるミーシャ。

好奇心旺盛故に無鉄砲ガールなこの娘は言い出したら止まらない。

類は友を呼ぶというか、まさしく私にしてこの幼馴染みありだった。でも、今回ばかりは譲れない。


「ダメったらダメ。それより工房に行こうよ。お願いしてた武器できてるでしょ?」


「ム〜。できてるけどー、あれ殺意高すぎじゃない?シャロンのパパ死んじゃうよ?」


「いやいや!ウンベールには使わないって!」







ーーーーー翌日



ウンベールとの日課の対決中、アンバーさんが汗だくで走りながらうちへやって来た。


「たいへんだ!ミーシャが一人で森に入っちまった!」


類は友を呼ぶ。

本当に、困った幼馴染みである。

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