第2話 エリファー5歳ついに聖女の常識をぶっ壊す
第2話投稿しました。はっちゃけてます
エリファーは悩んでいた。
聖女として転生してから5年。
自分の正体が元・最強殺し屋 真波麗華という事を隠し続けてきた。
完璧な敬語、穏やかな微笑み、無駄のない動き、従順な態度。
だが――
「………そろそろ、我慢の限界です」
ある日。エリファーは、朝の祈りを終えたあと、静かに言った。
「神様……私、5年も大人しくしてました。ずっと我慢していたんです。控えめに生きました。もう、いいですか?きっと体も訛ってしまってます。」
『……え?』
困惑するエリファー専属メイドをよそにエリファーは神に言った。
「もう、静かに微笑むだけの聖女はやめます」
「え、ちょっと待っ──」
ドォォォォン!!!
神殿の壁が一部吹き飛ぶ。
「ふ、ふうぅ~~~~ッ!ひゃっほう!!!」
ついに限界突破。
彼女は小さな体で飛び跳ね、剣 をブン回す。
「お嬢様ー!それ神殿の儀式用ですぅー!」
「そんなの知ってるわよー!勉強してたからね。にしてもなにこれ軽い!!片手で振れるとか最高じゃん!!前世の時は鉄パイプだったのに!!」
「こ、こらあああ!!それは神具だぞおお!!」
「執事か。やかましい!5年も清楚演じてたんだから、ちょっとくらいハメ外したってバチ当たらんでしょぉぉ!?……あ、いやバチは当たるけど」
ごめんといいつつ天井でバク転。
◆
神殿騎士団、緊急招集。
「な、なんだ!?結界が反応してる!まさか魔族襲来か!?聖女様は!?逃げ──」
「おっしゃあああああ!奥義・神速正拳突きィィ!!」
ズガァン!!!
「やあ☆エリファーちゃん登場だよぉー!!☆ってなんで騎士団長の顔が地面と仲良くなってるの!?!?」
ガヤガヤする騎士団のメンバーにエリファーが一言。
「うるせぇんだよこのナマクラ共!ちょっと舐めすぎだっつーの!アンタらより体力あるの、こっちだぞ!」
そこにはたった5つの少女と思っていた化け物が立っていた。
神官たちは全員、震えた。
それは恐怖ではない。
──革命の気配だった。
◆
その夜。
「ふふ……久しぶりに全力で動けた……ストレス発散って最高……」
そう呟く5歳児の目は、完全に快楽に満ちていた。
その様子をこっそり見ていた神様は、震える声でこう言った。
『……これ、絶対に転生させちゃいけないタイプのやつだったのでは……?』
翌日母はーーーーーー
「こらぁぁーエリファー!何やってるのよー!こっちにきなさぁい!!昨日はどういうこと?そんな事する子だとは思わなかったわ!」
「んーごめんなさいままぁ」
※上目遣いきゅるきゅるおめめフェイス
きゅーん
「はい、謝れて偉い!いい子ですねー!」
『やっぱり幼女は強し』
とその場に居た誰もが思うのだった。
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