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第12話 ひと仕事

「はーやっとおわったわぁー」



「エリファー様おかえりなさい」


「おーロイアント」


「迎えありがとう〜もー疲れてあるけないぃー」


馬車からの景色に横目をやるエリファーにとんでもない景色が写った


「!?」


思わず口が開いたまま塞がらない


「ロイアント馬車止めて」


「?どうしました?」


「あそこの建物と建物の間を通った車追うわよ」


「え?お嬢様!」


『奴隷』だわ。一瞬しか映らなかったけれど、この国は奴隷禁止のはずよ。外部から来た車、もしくは、、考えたくないけれど自国よね、、。


魔法を使って追いかけるエリファーとロイアント。


奴隷を乗せた車が転移魔法で壁をすり抜ける。エリファーは見失ってしまった。


「ロイアント、、、この国に奴隷制度を垂れ流したゴミ虫がいるようだから洗い流してしまいましょう。調べなさい」


普段より怒りのオーラと声の低さにより怒っているのがわかる。


「見つけました!車は10キロ先で止まっています!」


「転移魔法はつかえる?」


「半径1km地点まではガードがかかっていますがどうしますか?」


「ゴミ虫が作ったガードなど容易いこと。私は聖女よ。」


ーーーーーーーーーー


『さてさてーお次はー!白銀色の髪とオッドアイの10歳の少年!エルフの血を引く珍しい従順な奴隷です!』


「2$」


「5$」


「100$」


おーっと他はいないか?


「101$」


「102$」


そんな汚いやり取りが行われている最中エリファーは作戦を立てていた


「私は変装して会場に乗り込むからロイアントは主催者を捕まえて」


「大丈夫ですか?」


「安心しなさい」


ーーーーーーーー


「105$でおしまいかぁー?」


「いくら珍しくても奴隷にこれ以上はなぁ?」


「5000$」


「こんな薄汚い奴隷に5000$だと?、」


「おや?私以外に落札者が居ないようですね」


「他の子達をそれぞれ5000$で買取りましょう。」


「なぜですか?」


「うちは薄汚い貴族ぶった家とは違うの

だから、、この会場毎買ってもいいのよ?」


「お前何者だ!」


「私?エリファーよ。ヴァロイアント家と言えばいいかしら?」


「ウソだろ?」

会場の人々の誰もが信じなかった。

「嘘だと思うのならこれを見なさい。ヴァロイアント家本家のみ所有が許される魔石入りの紋章です」


「ヴァロイアント家……まさか、本物の……!?」

「さて、次に質問よ。――この会場の責任者は誰?」


場内が凍りついた。誰も動かない。

その沈黙を破るように、エリファーが軽く指を鳴らすと、床の魔法陣が輝き、逃げようとした男たちが次々と拘束される。


「逃げても無駄よ。ここにいる者、全員不正の罪で捕縛対象です。」


「ひっ……ひぃっ……! た、助け……」

「助けを求めるなら、奴隷(この子達)に土下座でもしてからにしなさい。」


冷たい瞳で言い放つエリファー。その背後でロイアントが主催者を引きずり出してくる。


「お嬢様、こいつが主催者です」


「ふん。薄汚い欲にまみれたゴミ虫ね。」


主催者は震えながら声を絞り出す。

「わ、私は……ただ命令された通りに……!」


「命令? 誰の?」

「……王、陛下の……!」


(やはり……自国だったのね)

エリファーの瞳に一瞬、怒りと哀しみが交錯する。


「ロイアント、奴隷たちを解放して」

「はっ!」


檻が解かれ、怯えた子どもたちや獣人、エルフたちが震えながら外に出てくる。

その中でひとり、銀髪に金と青のオッドアイをもつ少年がじっとエリファーを見上げていた。


「……あなた、名前は?」

「……ありません。売られるときに、捨てられました。」


「……そう。じゃあ今日からは、レイと名乗りなさい。」


少年は驚いたように目を見開く。


「レイ……?」

「ええ、夜明けを意味する言葉よ。闇の中にいたあなたに、光を取り戻してほしいから。」


「…………!」


少年の頬を涙が伝う。

「エリファー様……ぼ、僕を……貴女のもとで働かせてください!」


「下僕に、って言いたいんでしょう? ……まぁ、いいわ。どうせロイアントも手が足りないし。」

「お嬢様、それを理由に!?」


「だって放っておけないじゃない」


エリファーはため息をつきながら、優しくレイの頭を撫でた。


「これからは自由よ。けれど――」

「けれど?」

「私の言うことは絶対。いいわね?」


レイは力強く頷いた。

「はい! この命、貴女に仕えます!」


ロイアントが呆れたように肩をすくめる。


「お嬢様、また拾ってきましたね……」

「うるさいわね。どうせなら可愛い方がいいでしょう?」



その笑みは、いつものおどけた“聖女”ではなく――

かつて“殺し屋”と呼ばれた女の静かな覚悟を湛えていた。

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