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治療法見つからない
アルトスライドスリムになってしまった妻のカオリに泣きながらハイオクを入れる。
「カオリ…カオリ…」
涙が止まらない。かつて温かな笑顔を見せてくれた彼女の面影は、今や冷たい金属とプラスチックに包まれていた。
周囲には、同じように大切な人を失った人々が、自分たちの「愛した人々」に燃料を注いでいる光景が広がっていた。町中がこの異様な光景に包まれ、鈴菌の恐ろしさを改めて実感させる。
「カオリ、戻ってくれ…お願いだ…」
声を震わせながら、彼は何度も何度も祈るように呟いた。しかし、返事はない。冷たいエンジン音が響くだけだった。
その夜、彼は一人で部屋に閉じこもり、どうすればこの状況を変えられるのかを考え続けた。鈴菌の治療法を見つけるためには、何が必要なのか。世界中の科学者たちが必死に研究を進めているが、未だに突破口は見えない。
翌朝、彼はある決意を胸に秘めて家を出た。どんな困難が待ち受けていようとも、必ずカオリを元の姿に戻すために戦うと誓った。彼の旅は、鈴菌パンデミックの真相を解明し、愛する人々を救うための壮絶な冒険の始まりだった。