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7 おぼえる事は意外と多い、けど、そう難しくも無いはず

 この調子で新人教育が続く。

 迷宮で必要なのは戦う事だけではない。

 戦闘時以外の行動も重用になる。

 隊列を組み、罠を見付け、いち早く敵の存在に気付く。

 奇襲を避け、こちから襲撃するように動き。

 常に有利な条件で戦えるように心がける。



 もちろんそんな上手くいく場合だけではない。

 やむなく不利な状況で戦わねばならない事もある。

 そんな時にも状況を覆し、敵を倒す方法。

 こういった事も身につけていく。



 物品管理、地図作製なども伝えていく。

 薬品などの残りはどれくらいか。

 何個の魔力結晶を手に入れ、どれだけ使ったか。

 こういった事も必要になる。

 薬品に限らず、消耗品は今どれくらいあるのか。

 これが迷宮探索では重用になる。

 あると思っていたけど無くなっていた、では済まないのが迷宮だ。

 最悪、それで命を落とす可能性もある。



 地図の作製も必要な事だ。

 魔術を使えば周辺の様子を見る事は出来る。

 だが、魔術は遣ってる間魔力を消費する。

 長時間の使用は出来るだけ控えたいもの。

 となると、紙に書いた地図の出番となる。



 現在地は魔術で確認するとして。

 じっくりと考えるなら地図を見る。

 こんな事が迷宮攻略では重要になる事もある。



 その為の地図も作っていかねばならない。

 売ってる物もあるが、正確さについては疑問もある。

 それに、入り口近くくらいまでしか売ってない。

 奥まで進め留探索者達は、迷宮の様子を隠すもの。

 商売敵にわざわざ情報を渡す奴はいない。

 なので、奥の様子は自分でさぐるしかない。



 もっとも、初心者が出歩く程度の場所なら当たり前のように売っている。

 ソウシが引き連れてる者達なら、それらを買うのが一番だ。

 意外と正確にかかれてるので。

 ソウシもかつてはそれを買った。

 おかげで死なずに済んでいる。



 見本としても適切ではある。

 何もない所から自分で始めるより、既にあるものを参考にした方が手間は省ける。

 なのでソウシは、新人達に地図を買うようすすめた。

 言われて新人達は地図を手にしていった。

 初めて手にしたそれに新人達は新鮮さを感じた。

 そして、描かれた迷宮の様子に驚く。

 何気なく通っていた場所はこういう造りになってるのかと。



 その地図を囲んで話も始まる。

 この道を通ったらどうだろう、いや、こっちの方が良いのでは?

 このまえの敵はこのあたりにいた。

 今日はこのあたりだ。

 なら、明日は?

 それより、今日はこっちの方から歩いたけど、こっちからの方が良いのでは?

 それならこっちの方がよくないか?

 …………こんな話が始まっていく。



 他にも迷宮における料理のやり方。

 寝泊まりする場合に必要なもの。

 荷物を運ぶために荷車を用いる事。

 休憩に適した場所の条件。

 ソウシが身につけたやり方を伝えていく。



 特にソウシが気をつけたことは一つ。

 無理をしない。

 先に進もうとしない。

 出来る事をコツコツと続ける事。

 これである。



「英雄になろうとするな」

 これだけは何度も念押しする。

「そんな事は、英雄になれる奴がやればいい」

 才能の無い人間が目指すものではない。

 だから絶対に頑張るな。

 ソウシは何度もこれを口にした。

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 投げ銭・チップを弾んでくれるとありがたい。
登録が必要なので、手間だとは思うが。

これまでの活動へ。
これからの執筆のために。

お話も少しだけ置いてある。
手にとってもらえるとありがたい。


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