表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/10

5 戦う前に確認、やり方はおぼえてるか?

 そんな通路に入り、ソウシは後ろにいる連中に話かける。

「これからここで稼ぐ」

 5人の新人達は緊張しながら頷く。

「やり方は教えた通りだ。

 おぼえてるか?」

 問いかけに、これまた無言で頷く新人達。

「なら、言ってみろ」

 どれだけおぼえてるか確認するため。

 ソウシはあえて質問をしていく。



「まず、怪物を見つけて倒す」

 当たり前だが、これが迷宮内での作業になる。

 はびこる怪物を倒す。

 外に出てこないように間引きをする。

 黙っていても襲ってくるので、怪物を見つけたら倒さねばならない。

 倒せなければ自分が死ぬだけだ。



「倒して魔力結晶を手に入れたら、次の敵がいる所を見つけるために魔術を使う」

 ここが一般と少し違うところだ。

 怪物は倒すと煙のように消えていく。

 そして、その場に魔力結晶というものが残る。

 この魔力結晶を売り払う事で探索者は稼ぎを得る。

 なので、普通は持ち帰る。

 しかし、ソウシはそんな事はしない。



 魔力結晶は文字どおり魔力の塊だ。

 この魔力を用いて、様々な魔術器具を動かす事が出来る。

 魔術という超常的な力を使えるようになる。

 魔力を取り込む事で能力を上げる事も出来る。

 この能力上昇をレベルアップと呼ぶ。



 この魔力結晶を使って、次の敵を見つける。

 普通はやらないだろう。

 よほど魔力に余裕がある者でもなければ。

 だが、ソウシはあえて手に入れたらすぐに使えという。



「探す手間を省けた方がいい」

 これが理由だ。

 怪物はびこる迷宮だが、そう簡単に遭遇するものでもない。

 怪物を倒すために、迷宮の中をさまよう事になる。

 これはこれで面倒で手間がかかる。



 なので、敵の居場所を見つける探知の魔術を使う。

 こうすれば探す手間が省ける。

 どこにいるのか分からない敵を探してうろつく時間が無くなる。

 敵のいる場所に向かって迷わず進める。



「それに、強い敵を避ける事も出来る」

 急な遭遇で一番困るのは、敵が自分たちより強い場合。

 こうなると逃げるのも難しくなる。

 怪物が自分たちより素早く動く場合は特にだ。

 そして、レベルが低いうちはこういう事がよく起こる。

 迷宮で新人が死ぬ原因にはこういう事もある。



 先に見つけておけば、危険を避ける事は出来る。

 さすがに最底辺の怪物だけがいるこの場では心配は少ないが。

 しかし、強い奴が紛れ込んでる場合もある。

 それはなくても、大量に集まってる事もある。

 これらを先に見つける事で生き残る可能性が高くなる。



「もし敵が強かったら、魔力結晶を使って能力を強化する」

 これも敵を倒す場合に必要な事だ。

 能力を強化すれば、怪物を簡単に蹴散らせるようになる。

 下手に稼ぎを気にするより、まずはこうして敵を倒す事。

 これで死ぬ可能性を減らせる。



 特に新人でレベルも上がってない頃ならば、毎回こうして置いた方が良い。

 戦闘ごとに能力を底上げしておけば、それだけで死ぬ可能性が減る。

 確実に敵を倒して魔力結晶を手に入れることが出来る。

 消費も大きくなるが、生き残る事が先だ。

 死ねばそこで終わりなのだから。



「あとは戦い方だが。

 ちょっと素振りしてみろ。

 俺の教えた通りに出来てるか見る」

 そう言ってソウシは5人が武器を使う所を見る。

 5人は教えられた通りに動く。

 それを見てソウシは頷く。

「うん、ここにいる怪物はそれでやれる。

 もちろん、場合によっては違った動きも必要だけど。

 まずはその動きが出来ていればいい」



 余計な事をせずに、言われた事をやる。

 それが出来てる事に満足した。

 馬鹿な奴はこういう時に余計な動きをしようとする。

 しかし目の前の者達はそうではない。

 言われた事を言われた通りにこなす。

 この素直さが良い。



 特にこの最初の曲がり角の先では、教えた通りの動きが必須となる。

 駆け出しの頃のソウシは、このやり方で生き抜いた。

 おかげでレベルを上げて先に進めるようになった。

 同じやり方を新人達にも伝えてある。

 それだけでどうにかなるものでも無いだろうが。

 これも素直に出来ないようでは先はない。



 5人が伝えた方法をしっかり身につけてる、頭に入れてるのを確認して。

 ソウシは早速魔力結晶を使う。

 怪物共の居場所を見つけるために。

 新人達は魔力結晶をもってないので、最初の一回はソウシが使う。

 怪物を見つけるためにうろつくなんて面倒な事はしない。



 ありがたい事に30メートルほど離れた場所に、そこそこの数の怪物がいるのを見つける。

 そこへと5人をつれて進む。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


_____________________

 ファンティアへのリンクはこちら↓


【よぎそーとのネグラ 】
https://fantia.jp/posts/2691457


 投げ銭・チップを弾んでくれるとありがたい。
登録が必要なので、手間だとは思うが。

これまでの活動へ。
これからの執筆のために。

お話も少しだけ置いてある。
手にとってもらえるとありがたい。


_____________________



+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ