5ー42.後処理(2)
ラズ様に言われたため、カイア様の元へと向かう。理由は薬師としてお見舞いらしい。
カイア様は体調を崩したことになっていて、面会を断っているという。……仮病だけど。
ラズ様もだけど、互いに、セレスタイト殿下のスペアをやりたくないため、貴族との顔つなぎを拒否しているらしい。
セレスタイト様には幼いけど、子どもがすでにいるから、いずれ解決するらしいけどね。
「失礼します。カイア様、何かご用ですか?」
「おお、よく来たな。話があるのだが、しばし待ってくれるか」
「やあ。お疲れさま~」
「クレイン嬢、今回は世話になった」
カイア様の部屋にはスペル様とシュトルツ様が待機していた。
「えっと、お二人とも、ありがとうございました。色々、お手数をおかけしました」
「ああ、気にしないでくれ。俺も兄上も、無事に終わりほっとしている」
「えっと……その割には、何故、その……帯剣しているのでしょうか?」
「いや、カイアナイト殿下の護衛が少々問題があってだな。代わりに護衛をしているところだ」
なるほど。でも、護衛する気があるのはシュトルツ様だけのような……スペル様は優雅にソファーに座っているし、武器も持っていない。
楽しそうにお茶を飲んでいて、テーブルには本や新聞が置いてあって、読んでいたのだろうなと想像できる。
シュトルツ様は武器を持った状態で入口に立っていたので、正しく護衛だろう。
ただ、侯爵の弟が護衛というのもおかしい話だとは思うけど。
カイア様が書類を書き上げるまで、しばし待つように言われたので、大人しく、スペル様とは逆側の空いている席に座らせてもらう。
「えっと、スペル様。とりあえず、バタバタしていて遅くなりましたが、こちらをお返しします。ありがとうございました」
借りていた竜玉をスペル様に渡す。もっと早く返すべきだったのだけど、忘れていた。
「うん。こっちも解決したの?」
「はい。少なくとも、数十年単位で異邦人がくることはなくなると思います。……大量に送り込んだ後なので、おそらく私達が生きている間にはないかと」
「へぇ~。じゃあ、全部解決したんだ?」
「そうですね」
「そっか~おめでとう」
「ありがとうございます?」
スペル様がにこにこと頭を撫でてくるので、少し戸惑う。
全て終わった。確かに、問題ない。もう、これ以上やらないといけないことは思いつかない。
「竜玉か……面白いものを持っているな」
「あげないよ~一応、クヴェレの家宝だし」
「え? いります?」
カイア様が書面から顔を上げて、竜玉を見ている。
クヴェレの家宝になるほど貴重な物だとは知っているが、カイア様が欲しいなら献上しちゃうのも有りかもしれない。
急ぎで必要だったから用意したけど、もう必要ないものでもある。持っていても仕方ない。
「そういうとこ、変わらないね~。気を付けた方がいいよ」
「ふむ……持っておるのか?」
「あ、そういえば兄さんの遺品ってどうなっているんですかね? 一つは兄さんがもっていたはずですけど」
「さてな…………王宮には持ってこないだろう。こちらでも確認しておこう。こちらに渡すのは問題ないのか?」
「役目は終わったので……持っているせいで、絡まれても嫌なので……あの、スペル様?」
何故か、スペル様に頬をぐにぐにと引っ張られている。シュトルツ様が慌てて、「兄君、放した方がよいのでは」と言っているけど、もっと本気で止めてほしい。
スペル様のおもちゃとなり頬が痛くなってきた。だけど、確かに大事なものを貸したのに、もういらないは失礼だったかもしれないと反省し、好きにさせておく。
「うちのご先祖様もこんなんだったのかな~」
「スペル様?」
「カイアやラズが嫌になったらおいで~。兄がいないから、言いにくいこともあるだろうしね。王家になった以上、ラズも君達ばかりにかまっていられないだろうから何かあれば相談に乗るよ。いきなり思い立って、いなくなったりしないようにね」
「スペル様の中の私のイメージどうなってるのでしょうか?」
「目を放せない子」
「は?」
「いや、兄君も間違っていないだろう。師と兄を殺されたからと王家に反旗を翻し、見事に王位簒奪をさせた立役者だろう」
なんかすごい評価になっているけど、別に私がやったのはクヴェレ家の参戦を促したのと、騎士団の宿舎を抑えて、増援をさせなかっただけだ。
それだけで上手くいったのだから、間違っていないと言われると沈黙しかできない。
「僕らの参戦が決め手だからね~。裏での功績は物凄いんじゃないかな」
「先ほどの話ですけど、クヴェレ家も異邦人の血が入ってるんですか?」
「薄すぎて、わからないけどね~。王国創建の話したよね。あの時、4人いてね。そのうちの一人がうちの当主の妾になってるよ。生まれた子の子ども同士が婚姻もしている」
「……えっと?」
妾の子と正妻の子の子ども同士? ちょっと近すぎる気もするけど、従姉弟なら問題はないのか。それ以降は血筋内で婚姻を推奨してないらしいし。
「王国創建後、唯一生き残ったのがうちに嫁いだ異邦人だけかな~。他は病死」
それ、絶対に病死じゃないよね? 闇に葬られたってやつか。
クヴェレ家は古い家柄の中でも、情報が多い理由はその異邦人か。ドラゴン側もなんか知っていたっぽいしね。
「なんか、怖いんですけど……」
「心配してるんだよ。君も。貴族からは狙われなくなっただろうけどね。恨みも買ったはずだよ。……没落した側が、カイア達と引き離すために嫌がらせとかもあり得るくらいは理解してる?」
全てが解決したとしても、問題はまた別の形で生じる。それくらいは理解している。ただ、しばらくはゆっくりしたいと願っている。
「結構頑張ったので、しばらくはゆっくりと過ごします。師匠のこと、弔いたいですし……まだ、師匠から受け継いだのに、作ったことない薬とかも多いので……もっと腕を磨こうと思います。世界を回って、素材を学ぶようにも言われているので」
「パメラ様のことは残念だったね。ああ、ついでに彼も」
ついで……死んでないことはわかっている。ラズ様より先に気付いたって話だからね。ただ、表向きは亡くなったのだから、一緒に墓を作る。
遺品を埋めるだけになるだろうけどね。遺品としては……刀以外にこだわって物を愛用していた覚えも無いから……鍋かな。遺骨の代わりに愛用していたフライパンでも埋めておこう。
「すまない、待たせたな」
「いえ。カイア様……その、話は何でしょう?」
しばらく、スペル様と会話をしつつ待っていると、漸く書類が終わったらしい。
「うむ。まずはツルギの件でな。しばらくは忙しくて休みを与えられんのでな」
「……まあ、そうでしょうね。一応、師匠の49日で納骨するので、その旨伝えてください。無理でも仕方ないと思っていますから、判断はお任せします」
「ふむ……さっぱりしているな」
「いや、だって……それを承知で私達よりカイア様を選んだわけですし…………どうしていいかわからないんで、しばらく会えなくてもいいかなと……」
むしろ、年に数回くらいでいい気がする。ナーガ君達の成長にも悪影響な気がしてきた。
そして、カイア様もラズ様と似たような表情をするのは止めてほしい。なんで、そんな残念な目で見る。スペル様は笑って、シュトルツ様をバンバンと叩いているけど。
「……まあよい」
今回の件については報酬は出せないけど、そのうち別の方法でもらえると説明があった。信賞必罰、しっかりと用意するが、目立たないようにするためにもすぐにぽんと渡せないらしい。
そうやって目立たないようにしてくれるとかも、報酬の一部だと思うのだけどね。こちらの要望に応えてもらっている分、割り引いてもらって構わないと言いたいけど……散々、商才がないとか言われているので、もう任せておくだけでいいかなとも思う。
「では、ツルギはこちらでこき使っておく」
「是非お願いします」
「そちらからも何か、話があるようだな?」
「お伝えしておきたいことはありますけど……クヴェレの方が聞いているのに問題ないです?」
「う~ん? 外した方がいい話なら、出ていくけど」
「よい。どうせ、他から聞くことになるならここで聞いていくといい」
まあ、大した話ではないので、いいのだけど。一応、伝えておく必要がある。
「帝国に行ったとき、帝都にて、情報収集したのですが、疫病が流行るかもしれません」
「それは、薬師としての判断か?」
「はい。一応、その場にいた人達には食料を与え、死体は焼いて、その場から離れるようには言いました。ただ、夏ですし、死体の腐敗がだいぶ……匂いも酷かったので、しばらく帝都は使い物にならないかと」
「国境を封鎖するべき状態か?」
国境封鎖をしたところで、病って広がるのは止められないと思うけどね。
うがい手洗い、マスクをするようにとは伝えたけど、どうなってるかな。
「それで、国境付近で新たに死体量産するくらいなら、病にかからないように食事を与えて、清潔さを保つ方がいいと思います」
帝国からの難民はやってくるだろう。彼らを受け入れるのも大変だろうけど、管理しておかないと病持ちとかいると思うしね。ただ、移住させると帝国に恨まれるとかもあるから、対処は大変だろう。
「帝国側も民の激減は厳しいだろうけどね」
「仕事が増えそうだな」
スペル様は苦笑しているし、カイア様は遠い方角を見ている。大変なのはわかるけど、ここで何とかしないと駄目だろう。
「うがい薬と消毒用の石鹸とか、用意します?」
「ああ……いや、こちらで手配しよう。そちらからの運搬を考えるとこちらで作成したほうがよい」
「わかりました」
食料や清潔さを保てれば、多分、被害は減る。国境封鎖は、帝国に病を広げる。その後、王国内に病が悪化して入ってくる方が最悪。軽い症状の内の方が回避できるだろう。
「それだけか?」
「あとは、先ほども言ったのですが、ドラゴンの元へ行き、無事に次元の狭間を封じました。今後、異邦人が定期的に訪れることは減ると思います」
「そうだろうな……それで?」
「白の神より、亜人種と争うことのない様にと伝言です。異邦人という余所者が消えた後、彼らを迫害することのないようにお願いします」
「へぇ……」
「ほぉ……しかと、父上に伝えておこう。自分達とは違うというだけで、争うようなことはしない。人同士でも争うのだからな」
今回の王国の混乱が上手く収まらなければ、帝国や共和国も色々と口出してきそうだからね。人同士の方が問題が起きる可能性はある。
少数とはいえ、亜人種が過ごすことが出来るのが王国でもあるしね。
とりあえず、伝わったのだろう。今代と次代については、おそらく問題は起きないだろう。多分。
「君は神にあったの?」
「……勝手に変な空間に呼び出すのが神なら、一応。仲は良くないですし、もう、会えないと思いますよ」
スペル様の問いに頷く。祭壇に力を捧げた後、あのタイミングが最後だろう。
警戒はするけど、接触してこないようにあの力を使う気もない。
「今後の政策の中で、可能であれば異種族への弾圧が無いようにお願いします」
「色々と犠牲も多く払ったようだしな。伝えておこう」
「犠牲?」
「確かに。彼、だいぶ、弱体化したもんね」
犠牲というと、それぞれの種族やユニークスキルのことかな。
弱体化したというけど、普通に抑え込まれてしまったけどね。ステータスは変わらないし、あの刀でのチートぶりが無くなっても、強さは健在だと思う。
他のメンバー……特にルストさんが一番犠牲払ってるんだけどね。
「だが、シュヴェルト卿は独特の動きをしなくなったため、潜伏もしやすくなった。また、手合わせをしたいものだ」
「ああ、それは確かにね~。でもだいぶ早まったと思うけどね。今までうまくやってたのに、肝心なとこで詰めの甘さが出たのが笑える。隣空けちゃっていいのかな~。僕のとこ来る?」
刀の極みでの補正された動きは、だいぶ変わったのかな。まあ、でも、そもそもの動き方もトリッキーな方だったので、矯正が必要だと思う。
スペル様のところにはいかない。首を振って、否定をしておく。
「おい、勝手なことを言うな!」
「おお、戻ったのか。怪我はどうだ?」
「おっさんが手加減なしだったせいで、だいぶきついが……平気だ」
ツルギさんが部屋に戻ってきた。
左頬が腫れているのはレオニスさんのせいかな。多少、疲れているようだけど、元気そうだ。
視線があったので、ぺこりと頭を下げると何故か焦ったような顔をした。そして、スペル様からぷっと笑いが零れた。
「では、揃ったので始めようか」
「え?」
揃ったということは、ツルギさんと私? 二人に対して話があるということかな。
「建国の頃より、王家は異邦人に対し、全て根絶やしにするようにと伝えられておる」
「……物騒ですね」
「そうだな。だが、過去から現在まで、異邦人により滅ぼされた国は多い。もちろん、滅ばずとも此度のように体制が変わることも含んでおるな。……それほどの影響力がある」
今回、王家が滅び、王権が王弟一族へと移った。それは、色んな要因が重なった結果ではあるけれど。
王家が警戒していた異邦人による革命は異邦人により達成されている。今回、人数が多かったから根絶やしとか、最初から無理そうな気もするけど。
革命を起こしたのは……私達。少なくとも、今回の功労者であるクヴェレを巻き込んだ私も、城の制圧の作戦立案と指揮をしたツルギさんも異邦人であり、危険な存在であることを自分で立証した。
「クレイン・メディシーア。お主には命を救ってもらった。俺に未来をくれた。だから、此度の件でのお主の陰ながらの働きは、表には出さぬ」
「……ありがとうございます」
「だが、心せよ。此度の件が解決したのはそこにいるツルギとクレイン、お主らの働きだ。混乱なく、スムーズに王権を移譲させる鮮やかな手並み、感謝しておる。……だが、これ以上は認めぬ。すでに帝国が滅んだ中で、共和国や聖教国に影響が起きぬように心掛けよ」
釘をさされた。共和国と聖教国に関わるつもりはないけれど。
そういうことではないのだろう。多分。
王家だけが知っている異邦人のやらかしの歴史に、新たに私達の条項が追加されてしまった。
「カイア。そこまでにしておきなよ~。今回は仕方ないでしょ」
「わかっている。だがな、自覚がないままでは困るのだ。他の異邦人よりもやらかしはひどいと伝えなくてはな。国が変わるくらいのことをやらかしたのだ」
「お気持ちはわかりますが、兄君も言う通り、仕方なかったのでは? 殿下も、この二人が動きがなければ、解決は厳しかったことはわかっておられたはず」
スペル様とシュトルツ様の二人が庇ってくれた。カイア様も責めるのがお門違いだとはわかっていて、それでも釘を刺している。
「ね。やっぱりさ、王弟殿下達と手を切って僕のとこ来る?」
「スペル様……行きません。大人しく、あの開拓地に引き籠ります。素材を採取するために出掛けたりはしますけど、ラズ様の許可は取るので」
「そうか。……すまぬな」
多分、カイア様が言わないとだったのだろう。
もう、王弟殿下が言うことは許されないよね。王になるからこそ、言えない。
ラズ様は私と一緒に実行した側だからね。セレスタイト様が言ってもよかったのだろうけど、カイア様よりさらに親しくない。
ちらっとツルギさんを見るが、こちらに気付くことなく、何考えてるかわからない顔してる。前はこういう時に庇ってくれていた気もするけど、それもなくなったのだろう。
長居は不要かな。もう、疲れてきたし、帰ろう。
「じゃあ、カイア様。報告は終わりましたので、私は失礼します。お世話になりました、開拓地に戻ります」
「うむ。しばらく忙しいが、気付いたことがあればまた手紙ででも知らせてくれると助かる。落ち着いたら顔を出そう」
う~ん。王都まで1週間かかるので、ふらっと立ち寄ることは出来る距離ではない。曖昧に笑っていると、こちらから訪ねようと言われた。それも困る。
さらに、ツルギさんがカイア様の元へ近づいてきたので、話は終わったということで帰ろうとドアの方へ向かう。
「待ってくれ。少し、話をしたいんだが?」
「えっと……シュヴェルト卿とは初対面ですよね。特に、話すことは……」
「ほぅ……そうかそうか」
あ、やばい。目が据わった。
怒らせたのがわかるが、逃げる前に手首を掴まれた。にこりと笑う顔が怖い。
いや、でも、初対面でいいと思う。昨日の宿への使いはなかったことでいい。
「あはっ、あははははっ」
「兄君……笑い過ぎだ」
「いや、楽しいね……うんうん」
私とツルギさんのやり取りを見て、スペル様が横で大爆笑している。これ、さっきからそうかなとは思ってたけど、ラズ様達と同じで知ってるね? どうやら、そ知らぬふりをしてくれていただけらしい。
しかも、私とツルギさんがギスってるのを楽しんでいる。いや、シュトルツ様は謝罪してくれているけどね。
「……ツルギ。クレイン嬢が帰るので、門まで送れ。失礼がないように丁重にお送りするようにな」
「拝命しました」
爆笑しているスペル様を見て、ため息をついたカイア様が追い打ちのように命令をして、部屋を出た。
掴まれていた手がエスコートするような手つきに変わっていたけど、そのまま離れない状態で歩き始める。
ただ、さっきまでフォルさんに案内された道と違い、人が少ない道を通ってくれているようだった。
「……すまなかった。怒ってるかい?」
「……なんか、色々あったので……どう接するかも迷っています」
「余所余所しくされると悲しいんだがな」
「実際、これからカイア様の使いで会うことはあるにしても、今、親しいのはおかしいはずです」
「その通りだが……君に惚れている男の立場としては、困るな」
「……えっと、ごめん……」
男としてと言われても、どう答えていいかはわからない。
彼がいつから、そんな思いを抱えていたのかもわからないけど……うん。
「……何に対してだい?」
「いや、昨晩のは置いといて……その気がないことかな。恋愛として見ていたわけじゃないので」
「…………そうか。いや、うん。まあ、気長に詰めていくつもりだ……気にしてないさ。……諦める気もないがな」
今、なんか、ぞくっとした。直感さんかな。
いつものじゃないけど……身の危険ってことだ。やばい?
「もう帰るのか?」
「……この後、そのまま王都出る。師匠の納骨はくる?」
「そこだけはカイアに頼む予定だ。もう危険はないと思うが、気を付けてな」
「……うん。さようなら」
「……またな」
一緒に帰ることはないくせに……寂しそうな顔をするのはずるいなと思う。
さようならではなく、またというのも……戻ってきても、立場が違うくせにと言いたくなる。
言わないけどね。
「シマオウ……モモ……」
「ぐる~」
「うん、帰ろう。みんな心配してるよね」
「にゃ~」
宿で荷物を纏めたあと、シマオウとモモを撫でてから、背に乗って王都を出立する。
さあ、皆の元へ帰ろう。
「シマオウも疲れてるだろうし、モモに合わせてゆっくりでいいよ。急がないからね」
ナーガ君達が先に帰っている。それに、なんとなく周囲から見られているような感じもするからね。
王都から離れるまではゆっくりのんびり……神妙な顔で帰ろう。




