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妹との冒険者生活  作者: ブータン国王
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1話 卒業

 



 俺はコージーカナタ、ビーガン王国に住むDランク冒険者だ。


 ここビーガン王国では、魔法こそがすべてだ。


 何をするにも魔法を使い、冒険者に騎士団、平民に至るで国民全員が魔法を使うことができる。


 そしてこの国で魔法を唯一魔法を使うことができない男がいた。


 そう、おれだ。


 俺は魔法を使えない、過去にいろいろあって使えなくなった。


 なので、魔法を使えないのに冒険者をしている俺は『無能冒険者』という、大変不名誉な二つ名をもらっている。


 だがなぜ、魔法を使えない俺がこの魔法主義の国で生きているかというと、妹のミユキがいるからだ。


 ミユキは、魔法学園には、強さで決まる校内ランキングというものがあってそのランキングの不動の一位、校内では『光の剣聖』という二つ名で呼ばれており、ミユキは俺の自慢の妹だ。


 ミユキが不動の一位のおかげで学費がだいぶ免除され、何とか俺の多くない給料でこの国一とも呼び声高い、魔法学園にミユキは学園に通えている。


 そして、免除され途轍もなく安くなった学園の学費を稼ぐため俺は冒険者としてお金を稼いでいる、まぁ免除されて安くなったとしても俺の給料の半分は学費に取られているが、ミユキのためと思えば苦ではない。












 俺たちには親がいない、俺が十四の時に魔王軍に村を壊滅された時に親を亡くした。


 その時に爺さんに拾われて、一年を過ごしたころに爺さんは亡くなって爺さんが教えてくれたここビーガン王国に来た、ミユキは反対していたが俺はミユキを魔法学園に入学させるためにビーガン王国に来てミユキに魔法学園に安心して通わせれるように、冒険者を頑張っているということだ。


 自慢の妹が魔法学園を卒業して幸せになってくれたらいいなと思いながら俺は冒険者の仕事を孤独に頑張って働いた。










 今日でミユキは卒業だ。


 俺はこの日のために買ったミユキの卒業式に出ても恥ずかしくない、この国の式典の時に着る、服を着て卒業式に向かった。


 ここ、魔法学園は魔法のエリートが集う学園で、魔力が多い名門貴族が沢山在籍しており、その中でミユキは魔法学園でトップであり続けた、なのでミユキは引く手あまたでどこに行くか少し兄として緊張している。


 魔法学園は全寮制なのでミユキとは、ほとんど話せていないのだ。


 そんなことを思いながら魔法学園の中に足を踏み入れた。








 魔法学園の中はとても広く会場まで行くのに迷いそうになりながら、会場に無事つくのであった。


 会場の中はたくさんの貴族の親たちが自分の子が来るか、今か今かと待っていた。


 俺は自分の席に着き、ミユキが出るのを待った。








 司会の先生の声で演奏が始まり、生徒たちが入場してきた。


 晴れやかな演奏とともに入場とともに盛大な拍手が巻き起こる。


 生徒たちが全員席に着き卒業式が始まった。


 魔法学園の卒業式を簡単に言えば魔法学園のランキング表彰の舞台だ、最後のランキングの戦いで最終のランキングを決め最後のランキングで三位以内に入ったものは好きな職業に絶対になれる権利と誇り高き、魔法学園でランキング三位以内に入ったという最高の栄誉を貰える。


 ミユキが一位だと信じているが、最後まで一位でいられるわけではない、そこだけは心配だが、ミユキだったらいけると信じている。


 なんたって俺の自慢の妹だからだ。








 そしてお偉いさんの長い話が終わり、校内ランキングの発表が始まった。


 ランキング発表は司会の先生ではなく次期生徒会長が発表することに毎年決まっている、ちなみにミユキは去年にやったらしい、ミユキによると「一位の責務らしいです」とのこと。


 次期生徒会長が名前を呼び始めた。


 三位と二位は貴族の人で全然知らない人が呼ばれ、それぞれがなりたい職に就くことが決まった。


 そして第一位の発表が読まれる。


「第二百三十一期魔法学園第一位! 入学から一位を一度も譲らなかった、『光の剣聖』ことコージーミユキ元生徒会長、壇上へ」


 次期生徒会長君が読みあげたと同時に割れんばかりの拍手が巻き起こった。


 よし! ミユキが一位だ、これでミユキは好きな職に就くことができる、ミユキの兄として誇らしいよ!


 壇上に上がったミユキは学園長から表彰状をもらい、


「それではランキング一位の元生徒会長に言葉をもらいたいと思います」


 次期生徒会長君の言葉に割れんばかりの拍手が起こった。


 大丈夫なのだろうか………ミユキは、あまりこういうのは得意ではないからな……

 と心配に思う俺だった。


「本日は、由緒正しき魔法学園にお越しいただきありがとうございます。」


 心配していた俺だったがミユキはすらすらと言葉を間違えることなく、言って言った。


 そんなミユキを俺は成長したなと思いながら、見た。


 そんなミユキの言葉の終わりに差し掛かったころ、ミユキはなりたい職業についていった。


「私が成りたい職業は………」


 会場にいる人全員が興味津々という風にしている。


「………………冒険者です。」


 会場が静まり返った。


 それもそのはず、ここにいる人のほとんどが貴族だ、貴族は冒険者になることはめったにない、


 会場にいる全員が驚きが隠せない中で、俺もとても驚いていた。


 ミユキが冒険者に? 嘘だろ? 何でだ?


 ミユキならどこのいってもやっていけると思うのに………


 そう言ってミユキは壇上を降りていき、卒業式は終わった。











 そうして卒業式を終えた、生徒たちは会場から出て、後輩たちとのお別れをしていた。


 ミユキはやはり後輩からもとても慕われているようで、後輩に囲まれていた。


 後輩たちはミユキとの別れを告げていた。


 そんなミユキを俺は、遠くから眺めていた。









 ミユキを待っているうちに日は傾きかけていた。


 ミユキの周りに人がいなくなったころ俺は、ミユキのところに行った。


「ミユキ、卒業おめでとう」


「ありがとうございます。お兄様」


 ミユキは俺に会えたのがうれしかったのか頬が少し緩んでいた。


「ミユキ、ほんとによかったのか?」


 俺は、ミユキが冒険者になるということについて聞いた。


「はい、もちろんです。変えるつもりはありません」


 ミユキは、覚悟を決めた表情をしていた。


「そうか、分かった」


 ミユキは、変えるつもりはないようだ。


「ミユキ、今日はミユキの卒業祝いをしないか?」


「はい! 料理は私が腕を振るいます!」


 ミユキは、今日一の笑顔で頷くのであった。





 そうして俺たちは家に帰るのであった。

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