1話 プロローグ
ん?ここはどこだ?俺は確か寮で仮眠をとっていたはず…どうなっているんだ?
取り敢えず何を言っているのか理解できないだろうから説明しよう!俺の名は谷上祐介。そこらへんにいる高校生だ。確か勉強に疲れて一旦仮眠したはずなんだけど、気がついたら真っ白な空間にいた。
「うん。訳わからんから何かおきるまで座って……ってない!俺の足どころか体そのものが無い!どうなってるんだ!?」
しばらくパニックに陥っていると、
「やあ!遅くなってごめん!ちょっと魂の量がが想定外に多かったもんだから時間かかっちゃって。」
いきなり犬の仮面を被った10歳ぐらいの少年が出てきた。
「いや誰!?凄く親しげに話しかけてきたけど誰!?」
そうするとその少年は驚いた様子で、
「酷いな〜。一応日本で信仰されてた神の一柱で君とは昔からの付き合いじゃないか。」
うん?神?昔からの付き合い?何を言っているんだこいつは?もしかして中二病なのか?
「な…なんか酷い事思われてる気がするけどまぁいいか。結論から言うと君は死んだ。死因は寮が爆破されて落下死だね。でもってここは何処かというと死後の世界と生の世界の間にあるいわば狭間だね。」
え?俺死んだの?てかなんで俺は、その狭間?にいるの?そう自称神に聞いてみると、
「そんなの決まってるじゃないか、分からないかな?ほら小さい頃河原でよく一緒に遊んだじゃないか。」
小さい頃一緒に遊んだ?そんな奴は一人しかいない。でもあいつは…
「俺は小さい頃一緒に遊んだ奴を覚えている。しかしあいつは事故で死んだ筈だ。」
「そう…その通りだよ。確かに僕は一度死んだ。でも、君を見守りたくて、神になったんだ。今の僕は犬神だよ。」
もし、あいつが犬神になったんだとして、なんで俺を見守る必要があるんだ?そう聞くと、
「だってさぁ、君って一々危なっかしいじゃん。子犬を助けるために川の深いところに行って流されかけたり、いじめっ子数人を相手に立ち向かって大怪我したり、これはもう見守るしかないでしょ。」
そこまで知っているとなるともはやあいつしかいない。こいつは本当に死んでしまった俺の大親友、竹田龍斗だ。
「なんで死んじまった俺の大親友が狭間にいるんだ?なんで俺も狭間にいるんだ?」
「質問が相変わらず多いなぁ…まぁ、答えるけどね。僕が狭間にいる理由は君に伝えたい事ができたから。君が狭間にいるのは本来輪廻転生する筈だった魂を引っ張って来たからだね。」
伝えたい事?それはなんだ?
「伝えたい事は二つ、チートもらえるから転生してみない?っていうのと、僕も受肉できる位神王様に貸しができたから転生するなら一緒に行くね。っていう事、どうする?」
もちろん答えは決まっている。
「決まってんだろ!もちろん転生するし、同行者がお前なら大歓迎だ!」
ちょっとカッコつけて言ってみた。うん、少し恥ずかしい。しかし龍斗は嬉しそうに、
「決まりだね!早速神王様の所に行こう!」
と言って俺を抱えながら神王様とやらの所に向かって走り出した。
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